まつやまひろしの“抜けないトンネル”第67回

電撃「マ）王2011年06月号コラムより

▼これまでの「抜けないトンネル」コラムアーカイブ
http://ameblo.jp/cc2-piroshi/themeentrylist-10075270773.html

---

■第６７回“今、再び笑顔を取り戻すことを誓うよ。
尻尾にかけて。”

２０１１年３月１１日（金）夕方、
私はバンダイナムコゲームス未来研究所の２階で
打ち合わせ中でした。

“ん？揺れてる？地震？”
くらいの感覚からはじまったのですが、
横と縦に揺れる強さと長さに
“これは普通ではないのでは？”
という怖い予感が。

すぐさま、携帯を取り出して電話をかけようにも繋がらない。
結果的にツイッターで状況を確認。

打ち合わせもほどほどに東京スタジオに戻りました。
大井町の東京スタジオに戻るも、ビルに入れない。

スタッフにツイッターで連絡を取ると全員、
近所の公園に避難していました。
全スタッフの無事も確認できましたし、
その家族も結果的には無事でした。

しかし、それから時間を追うごとに…
…日を追うごとに、明らかになる
東北地区の震災のダメージと悲痛なニュース。

同じ国のすぐ近くで、こんなにも恐ろしい悲劇がおきていること。
そして今もなお、予断を許さない原発の状況。

あれから毎日……国全体が、ＴＶやネットで流れるニュースに
心休まる暇はない感じです。

こんな時、我々クリエイターは無力です。

ゲームソフトをはじめとした“娯楽”は、
必ずしも生きていくために必要なものではありません。

今、 被災された方々に必要なものは、
食べ物や飲み物、着る服、寝る場所、そして安心できる環境。

“娯楽”は一番、最後です。
安心できる環境があってはじめて
“娯楽”を“楽しむ”ことができるのです。

今、直接的に我々にできることはありません。
ある方は、“みんなできることをやろう！”と言います。

確かにその通り。
できることはやりましょう。
けど、それは誰もができること。

“自分たちにしかできないこと”は“ゲームを作ること”。

だったら、いつか、近い将来。
今現在、苦労されている方々が安心できる環境を得た時に。
再びこの国が復興を果たし、
みんなが当たり前に“生きること”が出来るようになった時に。

その時こそが、我々の出番。
我々の“娯楽”の出番だと思います。

再び、みんなの心が“娯楽”を、“笑顔”を、求めてくれた時に。
その時のために我々は今、“娯楽”を作り続けます。
ただ、ひたすらに、黙々と。

当然、被災された方々のためにできることは国民として、
人間として果たしつつ。

クリエイタ－として果たせることを。
クリエイターにしか果たせないことを、成そうと思います。

この、３月１１日に発生した「東北地方太平洋沖地震」におきまして、
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
被災された皆さま、そのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。

未曾有の大災害の報道を目にするたびに胸が痛む一方、
避難所で被災された方々が互いに支え合う姿や、国内外を問わず、
多くの方々が災害支援活動に尽くしておられる姿を見ますと、
人と人との繋がりの強さを改めて感じます。

サイバーコネクトツースタッフ一同、
一日も早い復興を心から祈念いたしますと共に、
我々も、自分たちの出来るところから、支援を続けていきたいと思います。

【ひろしの今月の逸品】

延期してましたイベント『ソラトロボ博物館』の
開催日時が決定しました。（※2011年当時）

イベント■『ソラトロボ博物館 それからお台場へ』
開催日■４月２９日～５月１日（３日間）
会場■アクアシティお台場/メディアージュ

今週末ですね。
ＧＷの最初の３日間。

開催期間中、会場内に“義援金ＢＯＸ”を設置します。
ご来場いただくたくさんの方々に
呼びかけを行いたいと思います。

私自身も３日間、会場にいて呼びかけます。
“我々にできること”と、“我々にしかできないこと”を
こうして実施していこうと思います。

たくさんのご来場、お待ちしております！

電撃「マ）王2011年06月号コラムより

▼これまでの「抜けないトンネル」コラムアーカイブ
http://ameblo.jp/cc2-piroshi/themeentrylist-10075270773.html

---

松山洋へのメッセージを募集中！いただいたメッセージの中から、一部ブログ記事中で取り上げ、松山より直接ご返答させていただきます！（※メッセージには全て目を通しますが、ご返答できない場合もございます。）