まつやまひろしの“抜けないトンネル”第65回 | ゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 松山洋の「絶望禁止」ブログ

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福岡に本社を置くゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 代表取締役 松山洋の公式ブログです。
定期的に最新の“思っていること”や弊社で刊行した書籍に掲載したコラムのアーカイブを掲載していきます。

電撃「マ)王2011年04月号コラムより


▼これまでの「抜けないトンネル」コラムアーカイブ
http://ameblo.jp/cc2-piroshi/themeentrylist-10075270773.html


■第65回“願わくは、
やさしい風が吹きますように”



今年もGDC(ゲームデベロッパーズカンファレンス)
参加・登壇することが決定しました。(※2011年)

サイバーコネクトツーとして登壇するのは
実に2年ぶりとなります。

場所はいつもと同じ、サンフランシスコ。
今回の登壇日時は(現地時間の)2011年3月3日(木)。

そして、講演タイトルは昨年末に発売され、
全世界で100万本出荷を達成したタイトル
『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム2』です。

2009年にもGDCで『ストーム1』の講演を行いましたが、
今回は“超・アニメ表現”の更なるテクニックを紹介します。

講演名はずばり。

ドラマ体験型シネマアクションPS3&Xbox360
『NARUTO Shippuden: Ultimate Ninja STORM 2』
における超アニメ表現の『向こう側』
(まあ、サンフランシスコで講演を行うので
『ストーム2』のタイトル表記が英語名になってますが。)

講演名にもあるとおり『向こう側』の話をしようと思っています。
ちょっとだけ予告をしておくと、今回の講演で伝えたいことは
“日本のアニメーション技術は世界一である”ということ。

なんか物議を醸しだしそうなテーマですが、本心です。
現に、我々は日本のアニメーションを見て育ちました。
今も観てますし大好きです。

そしてずっと弊社は研究も続けてきました。
そう、日本のアニメーション技術の研究を、です。
そしてその技術は世界一だと思っています。

それをしっかりと伝えたい。

なので今回はわかりやすく『神作画』という定義について、
『ストーム2』に使用されている技術とともに紹介していこうと
思っています。

我々のようなアニメ大好きな人間にとっては
聞きなれた言葉かもしれませんが、
恐らくは一般の方々、ましてや外国の方々は
『神作画』という言葉自体の意味がわからないと思います。

なので今回、『神作画』を『KAMI-SAKUGA』として
紹介する予定です。

“パースマップ”や“カメラマップ”といった美術表現から、
“板野サーカス”にいたるまで。

日本のアニメーションの世界で培われてきた技術を
我々がいかに研究し、ゲームソフトのリアルタイム演出に
昇華させていったか。

これが、日本独自の技術。
我々にしか生み出せない力。
世界に認められた日本人の力。

講演中にオーディエンスに“オーマイゴッド(おお、神よ)”と
言わせるつもりです。

本気です。

今回は特別に色んなものを背中にしょって、
日本代表のつもりで。

行ってきます!!
(ちなみに。今回の講演は松山と、
ウチのアーティスト竹下勲の2名で登壇する予定です。
最初から最後まで日本語での講演になりますので。
当日は英語の同時通訳が入る予定です。
今年のGDCに参加する同業者はぜひ見に来てください。)

【ひろしの今月の逸品】

昨年から3カ月にわたって
イベント上映されてきたアニメーション作品
『.hack//Quantum(クワンタム)』のノベライズ版
『.hack//Quantum 心ノ双子(ココロノソウシ)』が
発売されました。

アニメーションでは全3話で展開された
『.hack//Quantum(クワンタム)』を
1冊の本にまとめてある描き下ろし小説です。

この小説、アニメーションと同じく
脚本を浜崎達也さんが手掛けています。
そしてイラストもアニメと一緒で
長谷部敦志さんが描かれています。

アニメ全3話のお話が一気に読めるのと同時に、
やはり小説ならではの掘り下げがなされていますので。
アニメを観た方もしっかりと楽しめると同時に
新しい発見もあると思います。

著者の浜崎さんは『.hack//』(ファーストシーズン)の頃からと、
付き合いも長く、いろんなことをお任せできる
非常に優れた脚本家です。

今回も発売されたこの本を読みながら、
“うーん、今回もハマ(浜崎達也)さん、いい仕事してるなあ”
なんて思うワケです。

DVDやBlu-rayでアニメを観た方も、ぜひ。
手にとっていただきたい1冊です。

私は、読んだ後に幸せな気持ちで満たされました。

電撃「マ)王2011年04月号コラムより


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