マイコレ紹介536回目、クツは409足目です。
輝ける時代の象徴。
AND1 KG 2 MID Black/Silver/Black
ケビン・ガーネットのシグニチャー、懐かしの一足です。
NBA史に残るオールラウンダーかつリバウンダーである、ケビン・ガーネット。
ミネソタでスタートした彼のキャリアは、ボストンでの優勝を始めとした数々の輝かしい記録で彩られ、最後のシーズンに舞い戻ったミネソタで現役引退するまで、数々の名場面を演出してくれました。
1995年にドラフトされてから昨年までという長い現役生活でしたから、着用したバッシュも多岐にわたりましたが。
そのキャリア前半、若く血気に溢れていた頃に着用していたのがAND1のモデルです。
JORDAN BRAND、NIKE、AND1、ADIDAS、ANTAと、着用ギアの契約についてはジャーニーマンぶりを発揮したガーネットですが、AND1を着用したのは2001年~2003年のわずかな間。
ただその当時は、2000年のダンクコンテストで圧倒的パフォーマンスを見せたヴィンス・カーターがTAICHI MID を履いていたことで注目され、AND1のブランド人気に火がついたのちのことでもあり。
ガーネットがAND1を履いてプレーする姿も、短い期間ながら鮮烈に記憶されるものでした。
今回のモデルは、AND1からリリースされたガーネットのシグニチャーモデル第二弾、そのミッドトップバージョン。
珍しい一足ですが、久方ぶりにスニーカー部屋から出てきましたので、紹介していきます。
トゥパーツは、ホログラム加工されレンズのような半透明にも見える深みを持たされた銀色。
アッパーの大部分は黒いレザーが使われていますが、そのポイントポイントでトゥパーツと同様のホログラムの素材が用いられ、黒と銀の二色で構成。
ミッドソールを支えるTPUフレームは、そのままヒールまで伸びて安定性を確しています。
なお、シューレースホールのトップは円形のTPUパーツを埋め込み補強していますが、そこには KG とガーネットのイニシャルが刻印され。
ヒール付近には、ガーネットの背番号21が造型されています。
こちらはヒールのインサイド側ですが、ここには KG と造型。
正面から。
実のところ KG 2 は幅に余裕があるモデルでして、このアングルから見るとシルエットが絞られ過ぎていないことがわかります。
シュータントップに埋め込まれたジュエルパーツには、ガーネットの指紋を意匠化したロゴがデザインされています。
後方から。
ミッドトップバージョンと同様、ヒール全体を掴むように支えるTPUフレームが印象に残るアングル。
このTPUパーツの使い方は、KG2 における最も特徴的な部分だと思います。
ヒールトップには、シュータンにあるものと同様のジュエルパーツが鎮座しています。
インソール。
表面にプリントされているのは、ガーネットの指紋を意匠化したロゴとサイン。
アウトソール。
前足部の白いラインに刻印されている英字は、【尊敬】 と 【忠誠】。
後足部に刻印されているのは、【マリックよ、安らかに】 の意の英文です。
マリックとは、ガーネットが尊敬していたチームメイト、マリック・シーリーのこと。
シーリーはガーネットと共に伸び盛りのティンバーウルブズを支える存在になるかと思われていたのですが、2000年のシーズンオフ、交通事故によりこの世を去ります。
その彼を慕うガーネットの想いを汲み、この英文が刻まれました。
マリック・シーリー、若いチームの手綱を握れる得難いプレーヤーだったのですけど、不慮の事故に遭ったことは本当に残念でなりません。
しかし、この世を去ってなおガーネットのキャリアに影響を与える存在だったと思います。
それから、付属品も。
専用BOX。
すっきりしたデザインですが、丸みを帯びたフォルムのKG2を表現したものですね。
それでは、他いくつかのアングルから。
今見ても新鮮な良さがありますね、このモデル。
流線型ながら力強さも感じるフォルムデザインは、ガーネットのプレースタイルにイメージが合っていますし、機能的にも大きな助けになりました。
KG 2 MID を着用して出場した2003年のオールスターではMVPを獲得しましたし(ちなみに、ジャーメイン・オニールがやらかして神様ジョーダンのMVPをフイにしたゲームですw)、シーズン通して 23得点13リバウンド6アシスト という怪物スタッツを残し、当代随一のオールラウンドプレーヤーという評価を不動のものにしました。
シェアが拡大の一途だった当時のAND1の勢いも、ガーネットの充実ぶりが少なからず貢献していたと思います。
だがしかし、ガーネットのAND1の蜜月は本当に短かった。
ガーネットはそのシーズン限りでAND1を去ります。
それが大きく影響したとまでは言いませんが、その後2000年代半ばにAND1の成長は衰え、2000年代後半になるとシェアはむしろ縮小するばかり。
2010年代に入る頃には、ガーネットが所属していた時代のAND1の輝きは、ほぼ失われていました。
ですから、逆に言えば。
KG 2 とガーネットは、未来ある時代のAND1を象徴する存在だったように感じられます。
では、ガーネットが引退した今、AND1の復権はあるのか?
無論かの時代のような輝きは取り戻せないでしょうが、コアなバスケットボーラーに愛されるブランドとして、今後も頑張ってもらいたいです。
特に、2000年代前半に登場した名作達は、是非とも復刻してほしい。
それが実現するなら、中にはもちろん、このKG 2も含めてもらえたらと願っています。
踏ん張れAND1、応援しているぞ~!!
以上、アンドワン KG2 ミッド の紹介でした。
一年半ぶりぐらいに見つけ出し再会したこの一足。
破損はなかったですが、変色防止剤の効力がとっくに切れていまして、銀のホログラムパーツ部分がうっすら変色していました。
今となっては希少な一足なので、これには自身の行いを恥じるばかり……やはり半年に一回ぐらいは状態をチェックして変色防止剤も交換しなければダメですね、怠惰は厳禁!と自らを戒めた今日でした。
ということで、本日はこれで。
また次回に~!