ドラクエ1冒険日記(9) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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会うたびにスターに討ち取られ続けるかいん。
くそっ!
俺はいったい、
何回あのクチバシで突かれればいいんだ!?
スターのクチバシは痛すぎて、
炎を吐いてくれれば、
喜んで火だるまになるほどであった。

あるとき、
かいんのラリホーがスターを眠らせた。
これで勝利だと確信したとき、
目覚めたスターのベホイミによって、
戦局がスタートまで振り戻された。
ベホイミだと!?なんだそのズルい呪文は!?
散々斬り付けた傷を
一度に全快してしまうスターを前に、
かいんはまた走って逃げようとする。

しかし、
目の黒いうちに客を逃がすわけがない!とばかりに、
スターは必ずかいんの逃走方向に回り込んだ。
ちくしょー!
眠っている隙に逃げるんだった!
いや、
そうは言っても、
かいんのほうもリベンジをしたい身。
易々と逃げたくはない。
そして、スターのほうも易々と逃がしてはくれない。

逃げたい気持ちと戦いたい気持ちが混在するかいん。
しかし、
逃げるにしても戦うにしても、
はじめにラリホーで眠らせる以外に、
方法がないことが、
徐々にわかってきた。
眠らせないと、逃がしてはくれない。

こうして、
眠らせて逃げるラリダッシュ作戦を思いついたはよいが、
それでスターが倒せるわけではない。
瀕死状態でのベホイミを封じなければ、
眠っていたとしても、
起きた瞬間、
今までの戦いが何事もなかったような状態に、
回復して戻ってしまうのだ。

よし!わかった!
マホトーンしてからラリホーだ!
略してマホーだ!
俺は今からマホー使いだ!
次に会ったら104年目か、105年目か!
いや、もう何年目でもいい!
スターよ、
お前の命も、あと1年だ!
と言った1秒後にスターは襲ってきた。

さっそく作戦を遂行するかいんではあったが、
大魔道より魔道士より弱いマホー使いが、
スターに勝てようはずもなかった。
確かにベホイミは封じた。
しかし、それだけだった。
後手に回ると、
ホイミでも薬草でも、
スターのクチバシの痛みを
回復するのに間に合わないのだ。
くそー!
あっちはベホイミなんてズル呪文使ってるのに!
薬草を6個使ってラリホーで眠らせた後、
やっとのことで逃げ出したかいん。
まだまだスターへの道のりは長い。


スターへのリベンジを誓いつつ、
ひとつの対策として、
武器を新調することにした。
5回も攻撃しないといけないから、
長期戦になって負けてしまうんだ。
4回か3回の攻撃で倒せるなら、
こちらのダメージもその分減るはずだ。
かいんは、
また地道にキメラとゴールドマンを狩り、
また汗水を垂らして、炎の剣を購入した。
剣が熱くて、
もっと汗水が噴き出した。

しかし、
かくして新しい剣を手に入れたかいん。
またしても、
その強気度は一気に青空まで舞い上がるほど。
今度こそ終わりだ、スターよ。
お前は単なるスターだが、
俺は今やスーパースターだ。
お前の上にスーパーがついているんだ。
スターを超えたスターだ。
だから、お前なんかに負けるわけがない。
スーパースターのなんたるかを
かいんはよく理解していなかったが、
炎の剣を突き付けて、
ただ、こう言いたかった。
「俺に触れれば火傷するぜ?」

こうして、ドムドーラの廃墟にて、
第7次スター大戦が勃発した。
2度あることは3度あり、
3度あることは4度あったが、
さすがに7度はなかった。
3度目にも4度目にも正直になれなかったスターは、
7度目の正直とばかりに、
ついには炎の剣の錆となって燃え尽きた。

勝利こそしたが、
戦いは苛烈を極めていた。
顛末はこうだった。
かいんは、
マホー作戦は間違いで、
ラリホーン作戦こそが正解であるはずだ、
と、作戦を再構想していた。
だから、
スターと出会った瞬間に、
ラリホーで眠らせた。
いつもなら、
さっそく剣で斬りつけたいところだが、
眠っている隙にマホトーンを使う、
という慎重ぶりを見せた。
眠っていても、マホトーンをされたらわかるらしい。
スターは目を覚まし、
かいんをクチバシで突いた。
くそっ!
いや、これも想定内だ!
かいんは、またラリホーを使って、
スターを眠らせた。
そして、また慎重を期して、
スターの眠る間に薬草を食べた。
眠っていても、薬草を食べたらわかるらしい。
スターはまた目を覚まし、
かいんに炎を吐き出した。
くそっ!
火傷させるつもりが、火傷してしまったじゃないか!
かいんはまたまたラリホーでスターを眠らせた。
ベホイミはすでに封じているんだ。
長期戦になれば、
有利なのはこっちなはずだ!
と、かいんが思ったのも、
薬草がなくなるまでの間で、
6枚目の薬草を食べ終わったときには、
かいんの顔は青ざめてしまっていた。
ホイミではもはや全く回復が間に合わない。
お互いに回復手段を封じられていた。
こうなってくると、
実のところ、ラリホーを唱えるのも危険が高い。
そうそう高確率で眠らせれるわけではないのだ。
となると、
最終的に頼れるのは、この炎の剣。
スターも俺も、もう後がない。
お互い、あと1撃には耐えれないだろう。
かいんは全霊の一撃を繰り出した。
それがスターに見事命中し、
見事、かいんが、
スターをスターの座から引きずり下ろすことに成功した。

この勝利に当たって、
炎の剣の役割は大きなものだった。
今まで4発の攻撃をヒットさせても、
スターは倒せなかった。
今、4撃で倒せたのは、
取りも直さず炎の剣のおかげである。
一方、スターの攻撃もまた、
4撃でかいんを沈めることができる。
ならば、
先手を取れば、
俺が負けることはないだろう。
そう思ったこともあった。
しかし、
3撃目の後にベホイミをされては形勢逆転であるので、
こちらは1手目にマホトーンをせざるを得ない。
そうすると、
こちらの4撃目は、
スターの4撃目には間に合わない。
この1ターンを埋めるための方法がラリホーである。
しかし、ラリホーもまた高い確率であるとは言えず、
確実に1ターンを埋めることができるわけではない。
しかし、
埋めることができなければ、
確実に負けることはわかっている。
逆転の可能性を秘めたギャンブル呪文のラリホーを
使って勝負するしかない、
というのは、半ばわかっていたことである。
とすれば、
逆算的に、
最初の1撃がどちらのものになるか、
というのは、勝負の分かれ目として大きな問題。
しかし、この点をかいんはうまく乗り切った。
最初のラリホーが効かなければ、
2発目のラリホーで眠った隙に逃げる。
2発目も効かなければ3発目、4発目もある。
2発目以降にラリホーが決まっても、
すでに1撃を受けた手負いのかいんには、
勝算が残されてはいない。
無傷で眠らせた場合にのみ戦い、
そうでないときは逃げる、
という、やや正々堂々とは言えない勝負方法を
かいんはしていた。
いいんだ!
ちょっとぐらいズルくても、
そのことを知っているのは俺とスターだけ。
スターが死んだ今となっては、
死人に口無し。スターにクチバシ無し。
証拠隠滅!
完全犯罪!
ミッションコンプリート!

スターを倒して満足したかいんは、
鼻歌を唄いながら、
ゆきのふの店と思しき廃屋の裏の木へと足を向けた。
ここにロトの鎧が埋まっているのか、
それとも、そこに立っている奴が着ているのか。

そう。
木の前に悪魔の騎士が立っているのだ。
ロトの鎧。
あの騎士の鎧がそうなのか、
それとは別に土の中に埋まっているのか。
よくわからないうちに、
かいんは悪魔の騎士のラリホーによって眠っていた。
ぐうぐうといびきをかきながら、
夢の中で、
これがロトの鎧のチカラか!
と、見当違いの想像をしていた。
そして、
三途の川で溺れる夢から覚めたときには、
ラダトーム王からの叱責と追放されていたところだった。
もはや何度目となるかも覚えてはいない。
くそっ!
ロトの騎士め!
次に会うときは見てろよ!
スターの二の舞、いや七の舞にしてやる!
いや、7回というのは俺が挑戦した回数で、
スターが痛い目見たのは1度だから、
やっぱり二の舞だ!
次はお前を冥土に送ってやる!
冥土で喫茶店でも開いてろ!


さて、
ロトの騎士のことは置いておいて。
勇者の証明探しのことも、
かいんは忘れてはいない。
ローラ姫を迎えに行って、
愛でもって位置情報を教えてもらうのだ。

これもまた何度目のことか覚えていないほどだが、
竜王によって丁重に保護されたローラ姫を
沼地の洞窟まで迎えに行き、
さあ、俺たちは今どこにいる?と問う視線を送る。
しかし、
なにやら、
ゼロ点合わせができていない、
などと、よくわからないことを言おうとしている。
私たちの距離ならばゼロですわ、
と言おうとしているのかもしれない。

しかたがない。
一度ラダトームまで戻って、
ゼロ点合わせとやらをしてやるか。
と、かいんは思い、
2人はルーラでラダトームへと帰還した。

さて、
ゼロ点合わせも済んだところで、
さあ、勇者の証明の位置を探すぞ、
と、言おうと歩き出したところ、
ローラ姫が、
かいんの歩数に合わせて指を折っている。

まさか?
まさかとは思うが、
俺の足取りを
今から数えようとしているんじゃないだろうな?
そう思うかいんの心情にローラ姫は気付かず、
指を折り続ける。
指を折ってはいるが、
その指を見せられても、
1か9かがわからない。
2か8かもわからない。
わかる数字は5しかない。
しかも、
途中で魔物と出会ってしまうと、
数がわからなくなってしまっている。
スライムと出会うと、
何故か指を順に4本折っている。
バカヤロー!
敵の名前の文字数をカウントしてんじゃねー!
時そばか!

と、どうのこうのと思っているかいんではあるが、
実のところ、
かいんもローラ姫も無口なもので、
お互いの声を聞いたのは、
「はい」と「ぽっ」ぐらいのものである。
そんなハイポな関係のかいんとローラ姫は、
指を折りながら、
黙々とふたりで歩く。
いや、実際はローラ姫は抱きかかえられていて、
1歩も歩いてはいないのだが。

勇者の証の場所は、
ラダトームまで北に70、西に40、ということである。
つまり、ラダトームから歩けば、
南に70、東に40だということになる。

かいんは、
頭の中で世界地図を広げた。
ラダトームから東にはマイラがある。
その南には、海を隔ててリムルダール。
東に40、南に70というのは、
そのリムルダールよりももっと南に位置するのだろう。
聖なる祠のあたりかもしれない。

かいんは、
リムルダール方面へと足を進めた。
まずは、北に8歩、そして西に5歩だ。
くそ。
目的地が南東の方向なのに、
なんだって北西に歩き始めればならないんだ!
ぶつぶつと言いながら、
かいんは続きを数えた。
北に10、東に21、北に6、東に19、
南に3、東に8、南に15、東に4。
かいんは橋へと差しかかっていた。
ぐぬぬ。
なんて複雑な地形だ。
東にこそ来ているが、
北に行ったり南に行ったり、
南北方向はほどんど移動していないじゃないか。
しかし、道はまだ半ば。
かいんは橋からまた歩を進めた。
東に5、南に3、そしてさらに東に・・・
くそ、毒の沼地じゃないか!
ローラ姫を抱えて、毒に侵されながら、
指を折って、敵に見つからないように進むなんて、
そんな芸当ができるかっ!
と、毒づきながら、
そんな芸当をやってみせるかいん。
沼地をぶくぶくと東へ4歩、
そして南に3、東に5、南に1。
沼地を終えて、洞窟へと入った。
マイラ側からリムルダール側へ向けて、
洞窟の中は長いものだったが、
地上に出て見ると、
進んだ距離は、
どうやら目視で5歩ほど。
ちくしょー!たったのそれだけか!
と、かいんはまた地面を蹴り上げようとして、
途中でそれをやめた。
今のを1歩と数えてしまってはいけない。
バカローラ姫が指を1本折ってしまうかもしれない。

洞窟の出口から、
かいんたちはさらに南下した。
南5、東に・・・くそ!魔道士め!
もう一度数え直しだ!
洞窟から南に5、東に6、南に11、東に4、
南に30、西に8、南に4、西に1。
かいんたちは、
リムルダール南の橋を渡って、
聖なる祠へと向かった。
西に2、南に8、西に2、南に5、東に2、南に2、
東に4、北に5、東に1。
そして、聖なる祠に到着した。

どうだ?ローラ姫?
足し算はできるのか?と、かいんの視線。
今、ラダトームから南に66ですわ、
と、指を折って見せるローラ姫。
そうかそうか、南にはあと4歩でいいんだな、
と、かいん。
東には65ですわ、
と、また折った指を見せるローラ姫。
そうかそうか、東には少し歩きすぎたんだな。
25歩ほど西へ戻ってもいいんだな。
って、待て待て!
西にはもう10歩ほども陸がないんだぞ!?
ということは、逆か?
東に来すぎているということは、
そもそも城から東を目指してはいけなかったのか?
ラダトームからは西に歩かなければならなかったのか?
かいんは、また頭の中の地図を開いた。
ラダトームの北西にはガライ、
そのずっと南にドムドーラ、
ドムドーラよりも南東にメルキド。
メルキドが、
ラダトームよりのそれほど東にあるとは思わなかったが、
こちら側、リムルダール方面から陸が通じてないならば、
やはり逆方面にも行かなければならないだろう。
くそ!無駄足だったか!


かいんたちの、地味な測量は続く。
ローラ姫の持つメモ用紙には、
忘れないように、こう書かれていた。

ラダトームの町:北2東5
ガライ:北41、西41
マイラ:北33、東61
沼地の洞窟入口:南1、東61
沼地の洞窟出口:南6、東61
リムルダール:南29、東59
聖なる祠:南66、東65


測量の途中ではあるが、
かいんたちはラダトームの町で1泊した。
「昨夜はお楽しみでしたね。」
んー。
まぁ、楽しいっちゃ楽しい。



かいん:レベル15
炎の剣、魔法の鎧、鉄の盾
重要アイテム:太陽の石、雨雲の杖、妖精の笛、ローラ姫






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