ドラクエ1冒険日記(10) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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かいんたちの地味な測量の中で、
ローラ姫のメモ用紙は非常に役に立った。
ところどころで現在地をメモしてくれているおかげで、
うっかり数え損なったときでも、
また、
ひとつ前の町から数えはじめることができた。
毎回ラダトームからやり直さなければならないとしたら、
かいんのアレフガルド紀行は、
とっくの昔に終わってしまっていたことだろう。


さて、
そんなかいんたちの測量の続きは、
ガライの町から始まった。
北41、西41のガライから出発し、
南へ9、東へ4、南へ17、東へ4、南へ3、西へ1、
というところで、橋に差しかかった。
冒険のはじめの頃は、
この橋を渡る前は、
ゴーストや魔法使いしか襲って来なかったのに、
橋を渡ってからは、
メイジドラキーや大サソリが生息していたことに、
驚きつつ、ビクビクしながら歩いていたものだ。
今や、トヘロスのおかげで、
ゴーストも大サソリも、
全く姿を見せない。

かいんたちはさらに南下し、
ドムドーラ方面を目指す。
橋を越えて、
西に2、南に20、西に3、南に2、西に2、
南に11、東に13、南に8、東に9、南に7、西に2。
また橋に差しかかった。
思えば、
この橋は、
さっきの橋よりもずっと怖かった。
これを渡ると、キメラや鎧の騎士が出てくるのだ。
しかし、
炎の剣を握る呪いの騎士かいんが、
今や気にする敵というほどでもない。

2つ目の橋を渡って、砂漠へと足を踏み入れる。
西へ6、南へ7、西へ2、南へ2、東へ10、南へ1。
そしてドムドーラに到着した。
かいんたちが目指している位置は、
南70、東40の位置。
そして、今、このドムドーラはというと。
南46、西19ですわ、
と、またローラ姫が折った指を見せている。
だから、指だけ見せられても、
北か南かも、どっちが十の位でどっちが一の位かも、
4なのか6なのかもわからないっつーの!と、かいん。
というか、
右手も左手も、小指1本立てているだけだから、
それで南46と理解することなど、
到底無理だろー!
44かもしれないし66かもしれない。
だから、46のことなんてわかるかー!
と、思いつつも、
すでに、それを46だと理解しているかいん。
ローラ姫との心の絆が、
微妙に強くなっているようでもあった。


よし!
次はメルキドだ!
かいんとローラ姫は、
また指を折りながら、
メルキド方面を目指した。
ドムドーラから、
南に2、西に3、南に3のところで鎧の騎士が現れた。
敵にやられる心配よりも、
歩数を数え損なうことを恐れるかいんたち。
細かい戦術で時間をかけるわけにもいかない。
あまり敵に構ってばかりもいられないのだ。
かいんは、
回復も補助もそっちのけで、
単純に攻撃を繰り返し、
鎧の騎士を振り払った。
騎士を振り払ってから、
また歩き始める。
南に11、東に4、南に6、
歩いていると、今度は死霊の騎士。
くそー!
邪魔すんなー!
かいんは、また剣を振り回して死霊の騎士を撃退した。
すでに火葬されているような身なりの死霊の騎士だが、
炎の剣によって、
今度は燃え残しなく、
骨まで燃えて散った。

し、りょ、う、の、き、し。
という唇の動きとともに、
ローラ姫が、指を折るのを戻している。
バカ姫め。
また敵の名前をカウントしていたのか。

そして、測量を再開。
西に6、南に6、東に1。
また死霊の騎士が出てきたが、
バカローラが文字数をカウントするといけないと思い、
かいんは戦わずに逃げることにした。

東に1歩進むと、橋に辿り着いた。
この橋を越えれば、メルキド高原だ。
かいんは、さらに東に足を向ける。
東に7歩歩くと鎧の騎士が出た。
かいんは脱兎と化して、ダッと逃げた。

北に2、東に3、そしてメイジキメラ。
逃げたはよいが、ずっと後をつけて来ていたらしい。
東に6、北に4と進んだところで、
メイジキメラに追いつかれた。
くそっ!
脱兎と同じ速度で追尾して来るとはっ!
しかし、だからといって、
逃げるのをやめたりはしない!
俺はやると決めたらとことんやるんだ!
逃げることを決して辞めない!
と、戦わない理由を述べつつ、
脱兎は逃げ続けた。

東に4、北に8、東に6、北に6、東に4と歩いたときに、
今度は影の騎士が襲いかかってきた。
ふんっ!
俺の信念は、そう簡単に曲げられるものじゃない!
お前ごときに、
俺の信念を討ち砕くことなどできてたまるかっ!
と、また脱兎した。

そんな強がりを言ってはいるが、
実のところ、
スターを攻略したかいんも、
まだ影の騎士を攻略できてはいない。
影の騎士は、
打たれ強くはないものの、
アウトボクサーさながらの軽快なステップで、
かいんの剣をするするとかわすのだ。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
しかも、蜂の針が、スターのクチバシほどに痛い。
会心の一撃でさえも、
するりとかわし、
何が会心だったのか、わからなくなるほど。
かいんの剣はいつも空を切り、
たまにまぐれ当たりで倒せることもあるとはいえ、
こんなところで悠長に戦っていることなどできない。
死んでしまったら、
またラダトームから数え直さなければならないのだ。

脱兎は、
影を振り切り、北へ2歩。
そして東へ4、北へ2、東へ8、北へ2、東へ6。
かいんは、また橋へと差しかかり、
ついに、メルキドの城壁が見えてきた。
町が見えれば、毒の沼地もなんのその。
ぶくぶくと毒に侵されながら東へ5歩歩き、
南へ8、西へ2、南へ3歩移動して、
やっと城塞都市メルキドへと辿り着いた。

なんとも長い道のりではあったが、
ここで終わりではないはずだ。
もし、この町に印があるのなら、
この町の長老は、
ややこしいことを言わずに、
もう、俺に印を渡していることだろう。

ローラ!この町はどのへんだ?
南59、東29ですわ。
なるほどなるほど。
そうすると、
目的地までは、
あと、南に11、東に11というわけか。近いな。

では、
と、南東の方向に足を向けようとすると、
そこには山脈がそびえ立ち、
またしても、かいんは、
目的地とは逆方向の北西へと足を向けることになった。
くそ!
じゃあ、この町に来る必要なんてなかったじゃないか!
バカローラ!
早く言え!

かいんたちは、
メルキドから、いま来た道を戻り、
北へ11、西へ14と歩を進めた。
さらに南へ3、西へ6と歩いたところで、
また影の騎士。
ふんっ!
誰がお前の相手などしてやるか!
脱兎かいんは、
影をまたまた振り切り、
南へ3、西へ5、南へ7、東へ1と進み、
また別の橋の上まで到達していた。
そして、
さらに東へ10、南へ7、東へ5、
と進んだところで立ち止まる。
目の前には一面の毒景色。
おい、ローラ。まさかこの中を歩けとは言うまいな?
ローラ姫は、歩けとは言わないかわりに、
南68、東20という数字を黙って示した。
くっ!
あと南へ2、東へ20か!
この毒の沼地を22歩も歩かねばならないのか!
かいんは沼地に足を踏み入れ、
東へ9、南へ2と進んだ。
あと11歩!

さらに東へ8歩進んだところで、
メイジキメラが襲いかかってきた。
くそっ!
まだ追って来ていたのか!
だが、俺は脱兎だ!
お前なんかに構っている暇はない!
というか、なにより、
毒に侵されて危うい状態なんだ!
相手にしていたら、死んでしまうじゃないか!
と、思っていた矢先に、
メイジのほうから身構えるよりも早く襲い掛かってきた。
毒とクチバシでダメージを受けたかいんは、
脱兎作戦に躊躇した。
もし、逃げ損ねたとしたら、
ラリホーで眠らされてしまうかもしれない。
そうなったら、
今度こそ俺はやられてしまう。
そう考えたかいんは、
少し余裕があるうちに、と、メイジのラリホーを封じた。
そして、マホダッシュ。
脱兎と、さほど変わるものではなかった。

それから東へ3歩。
ついに、目的の場所へと辿り着いた。・・・はずだった。
やっとのことか、と足元を調べたが、
そこに印は沈んでおらず、
かいんは愕然とした。
おい!
まさか数え損ねてるんじゃないだろうな、ローラ!?
あわあわと泡を食って、毒の沼地にもかかわらず、
ぶくぶくと辺りを歩き回っては足元を調べる。
そして、
当初の狙いの1歩西の場所で、
ロトの印を見つけるに至った。
3回も襲ってきたメイジキメラを振り切るのに、
1歩動いてしまったのかもしれない、
と、かいんは考えることにした。
あんまりローラにばかり責任を押しつけても仕方ない。

さて、
ロトの印を見つけたはいいが、
かいんは、いま手持ちの荷物でいっぱいだった。
何かを捨てたいところだが、
呪われて体から外れないベルトが2本、
誰にともなく「それを捨てるなんてとんでもない!」
と言われてしまう太陽の石と雨雲の杖。
もう必要ないのに、
どうしても手放せない妖精の笛。
キメラの翼は、帰るときに使わないといけないし、
竜の鱗をはずしたら、なんか敵の攻撃が痛そうだし、
なんだかんだ言って、たいまつも持っておきたい。
ああだこうだと考えるうちに、
何を思ったか、
結局かいんは、
今拾ったばかりのロトの印を捨ててしまう。
しまった!
それを取りに来たんだった!
バカ!俺のバカ!
かいんは慌てて、もう一度沼から印を拾い上げ、
代わりに竜の鱗を丁重に沼に沈めた。

印を持ったら、聖なる祠のもうろくジジイ3だったな。
と、かいんは東のほうを向く。
聖なる祠は、現在地から、
北に4、東に25の位置。
つまり、計29歩の位置にある。
にもかかわらず、
陸が続いているわけではなく、
ぐるりとアレフガルドを時計周りせねばならず、
かいんの前には、
300歩とも400歩ともつかぬ距離が用意されている。
くそ!そんなに歩けるか!!
と、かいんはルーラを唱えた。
飛びゆくかいんは思った。
これで200歩ぐらいで済むだろう。
こうも思った。
キメラの翼を捨てたほうがよかったかな?


長い時間をかけて測量を終え、
アレフガルド紀行を終了したかいんたち。
ついに、聖なる祠のもうろくジジイ3に、
勇者の証であるロトの印を叩きつけることができた。
そして、
ジジイ3が「今こそ雨と太陽が・・・」
と言っているのも待たずに、
能書きはいい!ジジイ!と、
出来上がった虹の雫を奪い取った。


かくして、
かいんはようやく虹の雫を手に入れ、
竜王の領域、魔の島への橋が架けられた。


その後でやっとハッキリとわかった。
3種の神器は、
やはり覆面パンツではなかったのだな、と。




かいん:レベル15
炎の剣、魔法の鎧、鉄の盾
重要アイテム:虹の雫、妖精の笛、ロトの印、ローラ姫




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