これは、田舎村レイクナバの小さな武器屋での、
新米雇われ武器屋の台詞である。
新米には、ある恩人がいた。
その恩人は、
盗みを働いてボンモールに捕らえられてた自分を助けてくれ、
父トムが、毎日自分のために教会にお祈りに行くのを助けてくれ、
エンドールに店を構える際に、
自分にレイクナバでの家を譲ってくれるのだった。
新米は、
結婚し、家庭を持ち、愛犬トーマスと慎ましく暮らすという、
安息の生活を送っていた。
それもこれも、恩人のおかげであり、
今もなお、恩人に感謝しているのだった。
恩人の名はトルネコと言った。
トルネコは、ちょっとした有名人になっていて、
大陸間トンネルを開通させたことが原因で、
魔物に狙われる存在となっていた。
トルネコは、トンネルを越え、砂漠を越え、
船を手に入れ、伝説の剣を探そうとしていた。
マーニャとミネアを仲間にしたカインは、
そんなトルネコの情報をあちこちで聞くことになった。
トルネコの妻ネネは、エンドールで銀行を開いていた。
そして、魔物に狙われる夫を心配していた。
ミネアの占いでは、トルネコは、
カインの下に集う7つの光のひとつであると出ている。
カインは、地獄の帝王の情報を得るため、
船で航海する必要があることを考えていた。
また、魔物に狙われる人物を守る必要がある、とも考えていた。
マーニャは、モニカ姫とリック王子の結婚式を見て、
自分も結婚したくなり、そのためには、
お金持ちでルックスのいい男の人と出会いたい、と思っていた。
そんな折に、大商人トルネコの話が舞い込んできていた。
マーニャは、勝手な想像をしていた。
大商人トルネコは、大金持ちに違いない。
トンネルを掘ったり、船を買ったりするくらいである。
そして、ハンサムな好青年であるに違いない。
奥さんのネネが美人なんだから。
マーニャは、妄想が膨れ上がりすぎて、
トルネコが既婚者であることなど、考えが及んでいなかった。
奥さんと会っているにも関わらず。
ともかくも、別々の思惑であるものの、
3人がトルネコを探すことで、意見が一致し、
一同は東を目指すのだった。
エンドールから東を目指すと、一度ブランカを経由することになる。
カインは、ブランカでのおとぎ話を思い出していた。
降りてきた天女と木こりの物語。
そして、ここブランカで、ご老人にこういう話を聞くことになる。
天女と恋に落ちた木こりは雷に打たれ、すでに亡くなっているが、
木こりの親、つまり、天女の子供の祖父は、
今でも山奥で暮らしているという。
最初に思ったカインの直感は、
あながち間違っていなかったと言えそうだった。
カインは、少し気になって、
再び木こりのもとを訪ねた。
木こりの家の裏には、寂しく墓がたたずんでいて、
ここに、天女と子供を作った男が眠っているのか、
と、なんとなくカインは思った。
そして、なぜだかわからないが、
カインは、この墓からしばらく離れることができなかった。
カインは、自分の父親のことを考えていた。
「強く正しく生きるのだ」、
この言葉を父の遺言だと思っているカイン。
ただ、この父は、本当の父ではなかった。
では、カインの本当の父はどこにいるのだろうか。
そう考えるカインであったが、
よもや、
この墓の下に本当の父親が埋葬されている可能性など、
微塵も考えることはなかった。
ただ、木こりの家に住む犬が、
異様にカインになつく。
なんとなく、縁がある。
今、カインが思っているのは、その程度のことであった。
「へっ。てめぇみてぇなべっぴんは一晩泊まって行きやがれ。」
木こりは相変わらず口が悪かったが、
マーニャとミネアの容姿端麗さは認めていた。
ただ、真相が気になるカインに、
知りたいことを話してはくれなかったが。
木こりの家を出て、
自分の出身の村を姉妹に紹介するカイン。
僕はこの村で育ったんだ。
シンシアっていう親友がいてね、
それから、剣の師と、呪文の師がいて、
お父さんとお母さんがいて、
平和な村だったんだ。
でも、ある日、旅の詩人がやってきて、
その後、デスピサロっていう魔物がやってきて、
僕は、みんなに助けられて、
でも、みんなはそのせいで。。。
シンシアが、僕の代わりに犠牲になってくれて・・・。
カインの話は、要領を得なかったが、
マーニャとミネアはカインの辛い心境を察した。
カインが、シンシアの羽根帽子を握り締めながら、
辛い気持ちを語っているのを見て、
その羽根帽子が大事なものであることを察するマーニャとミネア。
自分たちも、同じ羽根帽子をかぶっていたのだったが、
カインに気付かれないように、そっと帽子を脱ぐのだった。
ところは変わって、砂漠の入り口。
この砂漠を越えたところに、港町はあるという。
港町で船を手に入れるため、
トルネコと合流して保護するため、
美男子トルネコに会いに行くため、
3人は砂漠を超える必要があった。
しかし、砂漠の猛暑は、
馬車がないと乗り越えることができないという。
ちょうどいいところに、宿があり、
その宿の息子ホフマンは、馬車を所持していた。
ところが、ホフマンは、極度の人間不信のため、
とても馬車を貸してくれそうになかった。
実を言うと、ホフマンも少し前まではトレジャーハンターだった。
が、信頼していた仲間に裏切られ、
人を信じられなくなり、宝探しを諦めるのだった。
ホフマンは、裏切られたと思っていたが、
実際のところは、
裏切り小僧という小悪魔に見せられた幻惑であった。
カインは、ホフマンの信頼を得るために、
試練を乗り越え、「信じる心」を手に入れた。
試練、というのは、マーニャ、ミネアと隔離され、
偽の姉妹と戦いながら、本物を見極める、というもの。
カインと隔離された間に、
マーニャとミネアも同じ試練を与えられていたようで、
カインと再会したときに、マーニャは臨戦態勢に入っていた。
しかし、ミネアのおかげで、カインが本物であることがわかる。
マーニャは念のために、カインにこんな質問をする。
「カジノでスッていたのはミネアである。本当か嘘か?」
というのである。
どさくさに紛れて、
カジノの負け分をミネアのせいにしようとしているのを見て、
カインは、マーニャが本物であることを悟った。
一旦、失いかけた信頼を回復した3人は、洞窟の奥へ進み、
そして、「信じる心」という宝石を手に入れたのだった。
魔物のまやかしに惑わされることなく、仲間を信じるべし。
宝石は、まるでそう語っているようだった。
洞窟から戻ったカインは、ホフマンに宝石を見せた。
ホフマンは、「信じる心」を見て、
友を信頼することの大切さを悟り、
カインたちを信頼してくれ、
愛馬パトリシアの引く馬車と共に、
自らもまた仲間になってくれるのだった。
そして、一行は、トルネコを探し、砂漠へと足を踏み出すのだった。
カイン:レベル9、プレイ時間10時間12分

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