父レイドック王に報告し、父は息子の帰還を喜び、
国民は王子の凱旋を狂喜した。
そして、セバスの兜を授かった。
だが、カインはレイドックに居座るつもりはなく、
大魔王討伐へと、未開の地を訪れることを決心している。
そうは言ったものの、世界は広く、
結局どこに行けばいいのかわからなくなってしまった。
そんなときは、夢占い師グランマーズを訪ねる。
マーズはいつも、次にどうすべきかをぼんやりと教えてくれる。
「マウントスノーへ行け」と。
それだけ?とカインはいつも思う。
目的がわからなすぎるが、
大魔王へとつながる情報があるかもしれない。
行ってみるしかない。
そして、マーズの言ったとおり、
雪の降る町マウントスノーを訪れたのであった。
ここに、何があるのか、
カインには実はよくわかっていなかった。
わかっていなかったが、
麓の教会で「伝説の剣」の話があったので、
なるほど、ラミアスの剣がここにあるのか、
と、思いながらカインは雪の降り積もる町を訪れた。
すると、この町は吹雪で埋もれてしまっていて、
住民たちはすべて凍りついていた。
いや、住民が凍りついているのかどうかもよくわからない。
精巧に作られた氷の彫刻かもしれない。
この町で、彫刻になっていない人間は2人いた。
一人は氷の彫刻だらけのこの町を不思議に思いながら、
宿屋に居座り続ける旅の戦士。
もう一人は、何も話そうとしない老人。
老人は、何も話そうとしないが、
辛い思いをしたくなければ、近くの洞窟には行かないように、
と苦言を呈してくれた。
行くなと言われると行きたくなるというか、
なぜ行ってはいけないのか、その理由を確認したいカイン。
というわけで、行ってはいけない洞窟へと足を進める。
洞窟には雪女がいて、
ゴランという若者にどうしてこうなったのか聞いてごらん、
と言う。
神妙な空気であるのに、それを読めないアモスなどは、
「ゴランに聞いてゴランって、おもしろいダジャレですね」
なんて笑っている。
空気を読め、アモス。
さて、老人が行くなと言っていた洞窟には雪女がいて、
雪女が会ってみろというゴランという若者には心当たりがない。
手詰まりになったカインは、また老人のもとへと戻る。
老人に再度話を聞くと、
ゴランが若者であったのは50年も前の話で、
この老人こそがゴランである、ということが明らかになった。
しかし、それ以上のことは語ってはくれなかった。
そして、やはり、もう2度と洞窟には近寄るな、と言われるに至った。
何が何だかわからないカイン。
ゴランには悪いが、もう1度雪女に会いに行く必要がありそうである。
こうして雪女と再開したカインは、
雪女にこう質問される。
「さあ、ゴランに聞いたでしょう。私が何者であるか言ってみなさい。」と。
カインからしたらちんぷんかんぷんである。
ゴランには何も聞いてないし、雪女が何者であるか、
それは何かに関係あるのだろうか?
まさか、この雪女が大魔王ってことはないよね?
雪女のほうは、意外そうな顔をしている。
ゴランが、当然自分のことを話したと思っているのだろう。
しかし、カインが何も答えられないのを見て、
ゴランは何も語っていないことを悟ったようであった。
そして、どういうことであったのか説明してくれた。
雪女の名前はユリナというのだが、
50年前に、行き倒れているゴランを助けたのだが、
このことは決して漏らしてはならぬ、
と口止めしたようである。
それを酒の勢いで友人にしゃべってしまったゴラン。
そのとき、ユリナの呪いが襲い掛かる。
ゴラン以外の住民が、凍り付いて、
町にはゴランがただ一人生き残る。
ユリナは、ゴランに、孤独に生き続ける罰を与えたのだった。
50年という長い時間かけて反省したゴラン。
そして、50年経って、ユリナはその反省を認め、
町にかけた氷の呪いを解くのであった。
加えて、ここでユリナに会ったことは、
誰にも言ってはいけない、とも口止めされた。
カインがこの約束を破った場合、
仲間たちが氷付けにされてしまうかもしれない。
でも、この話を聞いていぶかしく思うカイン。
口止めするぐらいなら、
こんな話をカインにするのはおかしいんじゃないか?
ゴランが約束を破ってしゃべってしまったことがわかるのであれば、
当然しゃべっていないこともわかるわけで、
今回、カインが何も知らなかったことも察知できるはずではないのか?
カインは、この中途半端な能力と性格を持つユリナを
単に話し相手が欲しい寂しがり屋の雪女であると位置づけた。
人に漏れてはならないならない話は自分の心の中に留めるのが作法。
ゴランやカインに話しておいて、それで口止めするというのは、
自分はしゃべりたいけど、人にはしゃべらせたくないという、
いわば身勝手な発想を持っている。
ともかく、寂しがり屋で身勝手なユリアは呪いを開放し、
町は、50年前と同じ活気を取り戻した。
住民は、もちろん50年の月日が経っているなどとは思っていない。
呪いが解けたことを知り、自分が許されたことを知ったゴラン。
若いころの過ちは誰にでもあるという、と言うゴラン。
だから、過ちなど気にせずに、思ったことをやるのがよい、
などと聞く。
しかし、自分の犯した過ちは何かを生み出すことができたのだろうか、
と自問自答するゴラン。
いずれにしても50年という月日はわしには長過ぎた、
と、自分に反省し、自信を失くすゴラン。
実は、自分本位で物事を考えてよいのであれば、
カインは、このゴランの過ちをありがたく思っていた。
それは、伝説の剣の封印された洞窟の扉の合言葉を知る唯一の人物、
ザム神官が、50年間寿命を延ばしていたこと。
本来なら、ザム神官は寿命で天に召されて、
伝説の剣の封印は解かれずじまいであるところを
ゴランのおかげで、ザム神官の存命中に会うことができたのだから。
ザム神官は言う。
「封印の扉の合言葉は、自分は正直者で、力持ちの姫がタルを持ち上げて、氷を食べると寒くて鼻やタンが出てくる、と言うものじゃ。ん~。」
「ん~」というのは、ザム神官の口癖。
それを信じて封印の扉に行ったら、全然違った。
正しくは、
「我正直者なり。力秘めたる刃を氷の淵から解き放たん」
というものであった。
ザム神官、言葉尻だけ覚えてて、言葉の意味を知らないじゃないか。
あまりに呆れすぎたカインは、
そのことはザム神官には言わないことにした。
きっと、また「ん~。」って言われるだろうから。
扉の封印を解き、伝説の剣を前にするカイン。
しかし、伝説となった剣に輝きは無く、
錆び付いて、朽ち果てようとしていた。
そのとき、さすらいの剣士テリーが登場する。
彼は、伝説の剣が錆び付いているのを見て、
今自分が持っている雷鳴の剣のほうが優れていることを悟る。
っていうか、それを悟ってくれなかったら、
取り合って争いになるところであった。
向こうは雷鳴の剣を持っているわけであるから、
今戦ったら、いささか分が悪い。
錆び付いているのはちょっとがっかりであったが、
錆びててもプラチナソードよりも切れ味がいい。
さすが伝説のラミアスの剣。
しかし、がっかりしていることをザム神官に伝えると、
彼は、これまた意外にもその解決策をも教えてくれた。
ロンガデセオという町に腕のいい鍛冶屋がいて、
その鍛冶屋で鍛えてもらえば切れ味が復活するんじゃないか、
ということだった。
「しかし、それは昔の話じゃから、今もいるかどうかはわからんがな。ん~。」
えっと、ザム神官が昔って言ってるんだから、
50年前から見て、昔、ってことになる。
ざっと80年前ぐらいの話だろう。
その家柄が名家で、
伝統を守って鍛冶屋を続けていてくれることを願うカインであった。
そして、ロンガデセオへと足を向けるのであった。
と、その前に、
魔法の絨毯を持っていると噂されていた大富豪の屋敷を見つけた。
富豪は、カルバン・ジャンポルテと言う名で、
オシャレが好きすぎて、オシャレな人には賞品を与えてしまう、
というなんとも道楽なことをやっていた。
カインは別にオシャレに気を使っていなかったが、
なんとなく着こなしが好印象だったようで、
賞品に「きれいな絨毯」をもらう。
おや?
「魔法の絨毯」を持っているかと思っていたら、
「きれいな絨毯」を頂戴してしまった。
この2つは同一の物だろうか?
よくわからないカインだったが、
空が飛べれば本物だ、という発想にたどり着き、
早速、屋敷から出て絨毯を広げてみる。
しかし、絨毯は空を飛ばなかった。
何故だ?
と、さも不思議そうにカインは思ったが、
普通に考えれば、当たり前のことである。
絨毯が空を飛ぶはずがない。
ただ、カインにしてみたら、それは当たり前のことではなく、
不思議なことだった。
だから、この絨毯が本物かどうか確認してもらおうと、
カルベローナのカルベ夫妻を再度訪ねた。
カルベ氏が言うには、長いこと魔法力を注いでいなかったので、
飛ぶ力を失ってしまったんだろうなぁ、ということだった。
そして、再び魔法力を注ぎ込むことで、
「きれいな絨毯」は「魔法の絨毯」となり、
空を飛ぶことができるようになった。
しかし、とカインは思った。
カルベ夫妻はカルベローナで魔法の絨毯を作ったはず。
ということは、夢の世界に存在しているべきものである。
一方ジャンポルテ氏は現実の人間である。
いったい、どうやってこの絨毯を手に入れたのか?
夢と現実を繋いでいる、謎のルートが、
この世界にはまだ隠されているのだろうか。
そういえば、ところどころで噂を聞くことがある。
ある瞬間、突然人が消えてしまうのを目撃したという証言を。
かのクラーク・エンデ氏という、知る人ぞ知る名鍛冶屋も、
突然消えてしまったという。
これは、ザクソンという山奥の村で聞いた情報。
突然消えることと、夢と現実を行き来することを直結させるのは、
いささか考え方が強引である気もするが、
少しその辺も気にかけておくことにしよう。
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