ドラクエ6冒険日記(18) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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バーバラの記憶が戻り、
カインは自分探しよりも大魔王討伐を優先とした目的にした。

カインはそのことを口にはしなかったが、
ハッサンはなんとなくカインの心情を悟っていた。
そして心苦しく思っていた。
どうしてカインばかりが苦しまねばならぬのか、
自分探しを中断してまで、大義へと向かわねばならぬのか、
なぜ、カインでなければならぬのか。
なぜ、他の誰でもなくカインなのか。

ハッサンは考えるのが苦手であるが、
このときばかりは、カインのことを強く案じた。

と、ハッサンが強く案じたことまではカインには伝わらなくて、
カインは、次に大魔王が打ってくる手を読もうとしていた。
カルベローナの一件では、悲惨な結果とはいえ、
寸差でカイン側に軍配が上がった。
大魔王の手が、一瞬遅かったと言える。
このカインに対して、
大魔王はそれなりに悪意を感じているはずである。
そうすると、次の大魔王の手は?

見えてきた。
次に大魔王が狙うのは、現実世界にあるカインの本体である。
カインはそう直感した。

ここで大魔王討伐と自分探しが直結した。
カインは、大魔王の手を防ぐために、
自分の本体を探さなければならない。
大魔王か自分か、どっちを探すか、
そういう二者択一の状態であったのが、
一気に繋がった。
本体を探し出して保護すること、同化することこそ、
カインが、急ぎ行わねばならぬことだった。

そして、さらに考えを巡らせる。
どこに本体があるのか、
当てのない旅を続けるには時間がかかり過ぎる。
見当を付けて行ってみるしかない。

では、どこにいるのだろうか、本体は?
ハッサンの本体は現実世界のムドーの城にあった。
カインの本体はそこにはなかった。
カインのゆかりの地といえばレイドック。
しかし、現実にも夢にも、レイドックにカインの本体はない。
そうすると、俄然気になるのがライフコッド。
夢の世界でのライフコッドは、カインの故郷であり、
カインの本体が彷徨っているのは、現実世界のライフコッドである、
そういう可能性がある。
夢と現実は、非常に行動パターンが似ている。
本体がライフコッドを訪れていても不思議はない。

しかも、現実世界のライフコッドにはまだ行ったことはなく、
今考えていることが事実である可能性は十分にある。
そして、現実と夢の世界の地図を重ね合わせると、
現実世界のライフコッドの位置が、おおよそわかる。

そこまで考えて、カインは現実のライフコッドを目指した。


ライフコッドは、予想通りの位置にあり、
さほど労せずして辿り着くことができた。

そして、このライフコッドでカインが見たものこそ、
カインの本体であった。
巡らせた考えは、ほぼ的を射ていたことになる。

そして、ライフコッドの人々の話を聞くうちに、
真相がつかめてきた。
ムドーとの戦いの中で身体と意識を分離され、
片や夢のライフコッドのターニア家のベッドへ、
片や現実のライフコッドの村へと吹き飛ばされたということ。
本体のほうは、記憶を失っていて、
レイドックの王子だということは誰にも気づかれなかった。
行き倒れている時に着ていたのであろう貴族の服は、
ターニアの家のタンスの中に、きちんとしまってあった。
これは、カイン本体がレイドックの王子で、
ターニアが、カイン本体を介護していた、
という事実を裏付ける証拠品である。

こちらのターニアは両親を亡くしていて、
兄が欲しいと願っていたという。
そんな折りに、行き倒れていたカイン本体を見つけ、
怪我の手当てをし、まるで家族のように接してきた。

こちらの世界にも、ランドとジュディはいた。
ランドは、カイン本体がターニアと家族のような付き合いをするのを
良く思ってはおらず、
カイン本体を村から追い出そうとしていた。

そして、当のカイン本体は、
気の弱い少年になっていて、
自分のことを自分では決められないようになってしまっていた。

ところが、カインと本体が接触したときに、
本体のほうは記憶を取り戻した。
そして、同化を拒んだ。
それは、2人の人間が1人になってしまうときに、
いったいどっちの意識が無くなってしまうのか、
そのことに恐怖感を持っていたからである。
「ボクがキミになるのか、キミがボクになるのか」、
それが本体が心配していたことであった。

そんな折りに、ライフコッドにモンスターが攻め入ってきた。
奇しくも、
カインの当初の読みがまたしても当たってしまうこととなった。
狙いは、もちろんカインの本体であろう。

カインも本体も、攻め入るモンスターと戦いながら、
お互いに同化する必要があることを悟る。
本体のほうは、半ば悟っていた、
同化後は、自分の意識が無くなってしまうことを。
ターニアとの会話は、これが最後になってしまうことを。
そして、ターニアに別れを告げ、
カインと同化することを承諾した。

同化したときに、完全に記憶を取り戻したカイン。
自分はレイドックの王子であり、
得意とする呪文はライデイン。
肩書きも「村の少年」ではなく、「レイドック王子」とした。

屈強な魔王の使いも、ライデインの前に沈み、
そしてライフコッドの危機を救うことができた。


ライフコッドの危機は救えたが、
モンスターの狙いはカインであったことが明らかとなった。
翌日、村長からそのことを告げられ、
カインはこの村には居座れないことを自覚する。

去り際に、ターニアと話す。
ターニアはひどく落ち込んでいた。
今まで
兄のように接してきたカイン本体の存在が無くなってしまったことを。
カインがカイン本体たり得ないことを
カインもターニアも十分にわかっていた。
しかし、それでもターニアは言う。
「これからもカイン兄ちゃんって呼んでいいかな。」と。

カインの心境は、実のところ穏やかではなかった。
夢の世界でターニアが妹だと思っていた頃から、
血の繋がりなんてなければ、ターニアと結ばれることができるのに、
そう思っていた。
もちろん、それはターニアもそう望んだら、の話。
当時は、自分がシスコンかもしれないと思っていたものだった。
そして、自分がレイドックの王子である可能性が出てきて、
ターニアとの血の繋がりが無いかもしれない、
ということがわかってきていた。
そして今、本体と同化することによって完全に記憶が戻り、
自分がレイドックの王子だということに確信を持てた。
つまりターニアとは血の繋がりはなく、
お互いが望みさえすれば結ばれることもできる。

ところが、ターニアのほうは兄としての関係を望んでいる。
カインは、ターニアの質問に長らく考え、そして答えた。
「はい」と。


実のところ、カインには自分でもよくわからなくなってきている。
カインが結ばれたいを思っていたのは、夢の世界のターニアであり、
今目の前にいるのは、ついさっき会ったばかりの、
ほとんど面識のないターニアである。
が、ほとんど面識がなくても、
気立ての良さは夢の中と同じであり、
カインから見た印象は夢の中と何も変わらない。

かつて、カインは思ったことがあった。
もしも、血が繋がっていないことが明らかになったなら、
きっと迎えにくるからね、と。
そして、今血が繋がっていないことが明らかとなったが、
迎えに行こうと思っていたのは、夢の世界のターニアである。
この現実のターニアではない。
しかし、夢の世界のターニアは、
現実のターニアが見ている夢であるはずなので、
深く考えなければ、それはそれでいい、ということもできる。
ただ、この時点では、カインはまだ納得ができなかった。
2つの世界をまたいでも、同一人物は同一人物なのか。


カインは、自分の気持ちを確認するために、
ターニアに別れを告げて、現実のライフコッドを後にし、
夢の世界のターニアのもとへと移動した。

夢の世界のライフコッドでは、現実での出来事が若干反映されていて、
夢のターニアはカインに会ったときに少し混乱していた。
つまり、血の繋がりが無いことをぼんやりと悟っていた。
「でも、どんなことがあってもカイン兄ちゃんはカイン兄ちゃんだよね」
と言うターニア。
あくまでも、兄と妹の関係を望んでいる。

だけど、カインが確認したかったのはそこではなかった。
現実のターニアがカイン本体をレイドック王子と認識したら、
夢のターニアもそのことをぼんやりと悟っている。
これは、2人のターニアが同一であることを示している。
仮に、2人を引き合わせることができたら、
カイン同様に同化することができるかもしれない。
つまり、カインの気持ちは、
夢のターニアだけに向けられたものではなく、
夢と現実の両方のターニアに向けられたものである、
ということである。
自分の気持ちを自分で納得したかった。
そして納得できたカイン。
ただ、もう少しターニアには待っていてもらう必要がありそうだ。

ターニアの件は納得できたので、
次に、行くべきはレイドック。
それも現実世界の。

レイドックでは、フランコという兵士長が出迎えてくれた。
記憶が戻ったつもりのカインであったが、
どうもまだ思い出せないことがある。
フランコ兵士長のことは、全く記憶になかった。

トンチンカンだと思っていたレイドック王は父親で、
強引だと思っていたシェーラ王妃は母親で、
たった一人の肉親だと思っていたターニアは、
血が繋がっていなかった。
父王と母王妃は、本体を取り戻したカインを歓迎し、宴が開かれた。

そして、夜が更け、王室の床に就いたカインだったが、
どうにも寝つけず、城の中を歩き回ることにした。
すると、歩きながら徐々に忘れていた記憶が舞い戻ってきた。
バネッサという妹がいたが、病気で亡くしてしまったこと。
ハッサンと初めて会ったときのこと。
兵士長が止めるのを振り切って、ムドー討伐に向かったこと。
そして、父王が、もし自分に何かあったら国を頼む、
とカインに託してムドー討伐に向かったこと。
そのそれぞれが、走馬灯のように脳裏に蘇ってきた。

そうだった。
妹の名前はバネッサだった。
バネッサを亡くして、シェーラ王妃は悲しんだが、
その悲しみを乗り越え、国のためを考えムドーのことを研究し、
父王はムドー討伐に向かい、行方不明となった。
レイドック王不在の報を聞きつけて駆けつけたのがハッサン。
大工の息子であったが、レイドックを救いたいという気持ちで、
力を貸してくれようとしたのだった。
ハッサンの協力を得たカインは、
父王を探すため、ムドーを倒すために、
兵士長が引きとめるのを振り切ってムドー討伐に向かった。
が、結局は、ムドーによって身体と精神を引き裂かれ、
夢の世界と現実世界へと分離させられ、記憶を失くしたのだった。
今や兵士長になっているフランコは、
当時は一兵卒の名もない兵士だった。

そういう記憶が舞い戻り、そんな中でまた眠りに就いた。

翌日になって、父レイドック王から渡されたのがセバスの兜。
伝説の4武具のひとつだということがインパスによってわかった。
4武具と言うからには、4つあるのだろう。
そういえば、
オルゴーの鎧、という伝説の鎧の噂を耳にしたことがある。
スフィーダの盾、ラミアスの剣は、以前から情報を得ていた。
この4つが揃うと、なにか道が開けるのだろうか。

ただ、まだ情報が足りない。
この伝説の武具の話は大魔王討伐のついで、
ぐらいに思っておくことにした。


さて、自分の本体を取り戻したので一段落、
というわけにはいかない。
カルベローナとライフコッドの件で、
大魔王のやり方に怒りを感じているカイン。
いや、それぞれ大魔王がやったという確証は何もないのだが、
この怒りの矛先は大魔王へと向かっている。

カインは、大魔王を探すべく、
まだ未開の地を探索する方針を打ち立てた。
魔法の絨毯を持つオシャレな大富豪のことも忘れてはいない。
この先、魔法の絨毯が必要になってくることもあるかもしれない。
空飛ぶベッドと同じだと、ちょっと前まで思っていたが、
空飛ぶベッドは現実世界には持ち込めないことがわかってしまった。
そういうわけで、絨毯も持っているに越したことはない、
と思うに至っている。


ちなみに、そうこうしているうちに、
カインの職業は商人からレンジャーになってしまっていた。
商いは飽きない、とか思ってたけど、やっぱり飽きた。
レンジャーになると、途端に素早くなり、
いの一番に雄叫びをあげておくと、
モンスターがだいたいすくみ上がってくれて、
あとはハッサンとミレーユとバーバラがなんとかしてくれる。
カインは素早くて声が大きいだけで、
仲間が強いので、このパーティーはもっている。


ただいまレベル32、プレイ時間24時間36分
仲間:ハッサン(バトルマスター)、ミレーユ(パラディン)、
バーバラ(賢者)、チャモロ(魔法戦士)、
アモス(スーパースター)、ピエール(無職)



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