ペスカニのご老人の言葉を信じて、
辺りの海底を探索し、沈没船を発見するに至った。
沈没船の中はひどい有様であったが、
「最後のカギ」という重要アイテムが保管されていた。
このカギは、あらゆる扉のカギをたちどころに開けてしまうという。
っていうか、魔法のカギで開けられなかったのは牢屋だけなので、
牢屋専門のカギ、ということになる。
そういえば、気になる牢屋があった。
ムドーの城の牢屋である。
ムドーは、何故か仲間のモンスターを牢屋に閉じ込めていた。
カインは、それがずっと気になっていた。
そして、最後のカギを手に入れた今になって、
その牢屋のモンスターを開放しに行った。
モンスターは、カインにはもはや敵対していなかった。
そして、こういう話をした。
ムドーよりも邪悪で強大な存在がいるのだが、
そのことを知ってしまったがゆえに、
ムドーによって牢屋に閉じ込められたのだ、と。
つまり、ムドーは、
部下たちには、自分が最強、って思わせたかった、
ってこと。
だから、自分に上司がいることは、部下には知られたくなかった、
ってこと。
モンスターの言うことだからと言って、
信憑性がないことにはならない。
むしろ、以前にレイドックのシェーラ王妃によって提唱されていた、
「邪悪な何者か説」を裏付ける発言だと言える。
そうすると、今までもやっとしていたものが見えてきた。
ムドー、ジャミラス、グラコスは、邪悪な大魔王の手下であり、
封印の番人を任されていた、という仮説に辿り着く。
ムドーを倒しても、ジャミラスを倒しても、グラコスを倒しても、
まだ平和が訪れない、
そう思っていたのは、その裏に大魔王の存在があるから、
と考えるのが妥当であるようだ、とカインは思った。
そこまで考えて、
だからシェーラが言ってたとおりじゃないか!と、
今更ながら、また王妃の正しさを噛みしめた。
しかし、次々と封印を解かれ、手下を失い、
いまだ名前も姿もわからない大魔王であるが、
そろそろ次の手を打ってくるかもしれない。
大魔王としても、カイン達の行動は邪魔ははずであろうから。
と、カインはうっすらと思っていた。
と、するならば、封印していた魔法都市カルベローナこそ、
大魔王にとって厄介な存在なはずである。
っていうか、厄介じゃないなら封印なんてしない、
とカインは考えた。
そして、急いでカルベローナに行かなければ、
大魔王が次の手を打ってしまう、という考えに行き着いた。
かくして、
余裕のない早い旅路にて、封印されていた魔法都市を訪れた。
この都市には不思議なことが詰まっていた。
いや、逆か。
謎の答えが詰まっていた。
都市の人々の会話でわかってきたのが、
カルベローナはバーバラの故郷であること。
そして、バーバラはその記憶を失っていること。
カルベローナという都市は、過去に現実にも存在した。
ところが、その魔法力を恐れた大魔王によって滅ぼされた。
しかし、カルベローナの住民は、魔法力を使い、
精神だけを夢の世界へと移動させることに成功した。
かくして、夢の世界のカルベローナが誕生した。
ところがところが、大魔王はそのことも察知し、
カルベローナを夢の世界からも封印し、
その封印の番人としてグラコスを置いた。
この夢の世界のカルベローナを封印する時に、
対抗するバーバラの魔法力が暴発した。
その結果、幸か不幸か、
バーバラは記憶を失った代わりに封印を逃れ、
現実世界の鏡の塔にてカイン達と出会った、
というわけであった。
そもそも、バーバラは、
カルベローナの始祖、大魔法使いバーバレラの血を引く子孫であり、
ゆくゆくはカルベローナを治める存在であった。
現族長のブボールが、バーバラが育つまでの繋ぎの族長をしている、
そういう状況であった模様。
ブボールの部屋の前には、
「時の砂」という時間を戻す魔法の砂が撒かれており、
何度通っても、元に戻されてしまうという特殊な状況下にあり、
「砂の器」という神器がなければ吸い込むことができないという。
この「砂の器」は、グラコスが隠し持っており、
すでにカインの手に収められていたが、
使い方も特殊であり、カインには使いこなすことができなかった。
カルベローナの血を引くバーバラのみが、
この神器を使いこなすことができ、
時の砂による無限ループを解除して、
カイン達はブボールと対面することができた。
ブボールは、すでに死期を悟っていた。
それも、老衰によるものではなく、大魔王の手によるものであると。
ゆえに、ブボールは、早々に、
カルベローナに伝わる究極魔法マダンテをバーバラに伝えた。
紙一重で、邪悪な雷がブボールを襲う。
大魔王の魔力によるものだと、その場の全員が察知した。
そして、族長ブボールは息絶え、マダンテはバーバラが引き継いだ。
このとき、バーバラの記憶が戻り、
今まで「家出娘」と名乗っていたのに、
「カルベローナの子」と肩書きを変えた。
族長のブボールの訃報は、住民たちには伏せられることになったが、
カルベ夫妻という老夫婦には、ブボールの念が届いていた。
カルベ夫妻の話では、
彼らは昔から魔力によってアイテムを作っていて、
魔法の絨毯なんかも作ったことがある、という話であった。
魔法の絨毯というのは、空を飛ぶことができて、
持ち運びができる絨毯であるという。
空飛ぶベッドと、立ち位置が似過ぎていて、
使い分け方がわからないカインであったが、
とりあえず、その絨毯を探してみることにした。
そして、別の住民からの情報であるが、
魔法の絨毯は、今やオシャレな大金持ちが所有している、
という話であった。
魔法都市カルベローナにて、衝撃の事実を知ってしまったバーバラ。
そしてカイン一行。
さらに、衝撃の瞬間を目撃してしまった一行。
カインは自分探しのついでに封印を解くスタンスを変更し、
大魔王を打倒する、という方向性を見出したのであった。
それは、大魔王の残虐性に怒りを感じたからであった。
それにしても、自分探しをしていたのはカインであったのに、
その手伝いをしていたバーバラのほうが
先に自分を見つけてしまうとは。
なにか皮肉なものだぜ、
そう思ったのはハッサン。
ハッサンはカインのおかげで自分の本体を取り戻すことができた。
そして今、
その恩返しとして、カインの本体探しを懸命に手助けしている。
ところが、バーバラの記憶が先に戻る。
ハッサンとしては、ちょっとだけやるせなさを感じたのであった。
ただいまレベル31、プレイ時間23時間12分
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