山奥の村の少年である主人公カインは、
ひょんなタイミングで精霊からの啓示を受け、
世界の謎を解く、という使命を持った。
謎を解いている間にわかってきたことは、
この世界には「現実世界」と「夢の世界」があり、
カインは、その双方を行き来することができる特殊な人物である、
ということ。
この双方の世界を行き来しながら、
魔物を討伐し、且つ、自分の出生の秘密を探るために、
冒険を続けるのであった。
「現実世界」には何体かの魔王が存在し、
魔王たちは特殊な力で「夢の世界」の一部を封印していた。
その封印を解くために、
「ムドー」、「ジャミラス」という魔王を倒して封印を解いてきた。
しかし、カインの冒険のスタンスとしては、
あくまで、自分の正体を明らかにすることが目的であり、
魔王討伐でもなければ、封印解除でもない。
目的に向かう途中で障害があれば、それを取り除くという体で、
たまに魔王を討伐する、というのが基本姿勢である。
冒険を進める上で、志を共にしてくれる仲間たちができた。
ハッサン、ミレーユ、バーバラ、チャモロ、アモス、ピエール。
彼らは心強い戦友であり、
彼らのおかげで冒険が順調に進んでいると言える。
そして冒険は進み、今、
フォーン城というお城に足を踏み入れたのであった。
フォーン城の城主は若い王様で、
鏡の中に封印されてしまったお姫様を助け出そうと躍起になっている。
ちなみに、フォーン王とカガミ姫はなんら血縁関係はなく、
ただ、美しい姫がいるから助けたい、という、
正義感とも言えるし、ちょっと浮わついた気持ちとも言える、
そんな性格が見え隠れする。
そんな中、
あちこちを旅して回っているカインに、フォーン王は尋ねる。
「真実を映し出すラーの鏡というものの存在を聞いたことないか?」
と。
ラーの鏡があれば、カガミ姫を助けられるかもしれない、
と、フォーン王は考えているようであった。
すでに、ラーの鏡を手中に収めているカインは、
この鏡を使ってカガミ姫を映したい、
という王の要望を快く引き受ける。
合わせ鏡になって、なにか面白いことになるかもしれない、
などとも思う。
実際に合わせ鏡をやってみて、
そこに映ったのは、カガミ姫を束縛する魔道士の姿であった。
言い伝えによると、
ミラルゴという魔道士が、
昔、お姫様に呪いをかけ、鏡に閉じ込めてしまった、
そういう逸話があるらしい。
こうなってくると、ただの言い伝えとは思えずに、
事実だと思って見たほうが良さそうだと、カインも王も思った。
言い伝えには続きがあって、
ミラルゴは湖の塔に住んでいることまでわかっているが、
実際には湖もなければ塔もない、どういうことだろう、
と、大臣が悩んでいた。
実は、このあたりで、カインはすでにピンと来ていた。
今まで冒険してきた経験によると、
ここ現実世界での言い伝えというのは、
得てして夢の世界に実在することが多いのである。
そして、ミレーユと話すと、
「上の世界に行ってみましょう」と言ったりする。
いつもながら、勘の鋭い女性である。
かくして、おそらく夢の世界にあるであろう湖の塔を探して、
さらに冒険を続けるカインであった。
なぜ、カインはフォーン王に協力的なのか?
それは、単なる善意でやっているわけではない。
旅先でのお願いを聞いて回ることで見聞を広め、
自分探しの役に立てたいという意識から行っていることである。
そういうわけで、夢の世界へと移動し、
湖の塔を発見し、ミラルゴと会うことができた。
ミラルゴからの話によると、
カガミ姫の名はイリカというもので、
呪いを解く方法は、イリカがミラルゴの嫁になることを承諾する、
というものである、ということだった。
いまだに呪いが解けないということは、ミラルゴの嫁にはならない、
とイリカが思っているからである、とミラルゴは言う。
つまり、イリカはフォーン王とミラルゴの両方から好かれていて、
イリカは少なくともミラルゴの嫁になる気はない、ということ。
どうも、ミラルゴは、イリカの気が変わるのを
呪いをかけてから数千年も待っていて、
なんとも一途である様子であるとカインは感じた。
呪いをかけるというやり方はスマートとは言えないにせよ。
数千年待っているミラルゴのほうが、
若いフォーン王よりも
深くイリカを想っているような気がしたカインであったが、
「他人の恋路を邪魔するのは許せん!」
と、ミラルゴのほうから襲ってきた。
ので、確かに恋路を邪魔している罪悪感を持ちながら、
でも、
半ば正当防衛的にミラルゴの息の根を止めてさしあげてしまった。
このことをフォーン王に報告すると、
フォーン王は喜び、カガミ姫の前で、今知ったばかりの名前を呼ぶ。
そして、呪いを解く儀式をして、
イリカ姫を鏡の中から助け出すことができた。
この儀式というのが、
フォーン王の、「愛する者の名を呼びなさい」という問いかけに、
「フォーン」と答えるイリカ姫の発言の一連の流れのことであり、
儀式が終わって、数千年ぶりに、鏡の外へと出ることができた。
フォーン王はすでに、イリカ姫を妃にすることを決めていて、
初めて交わした会話が、プロポーズの言葉であった。
イリカ姫も、快くその言葉を受け入れた。
という風に、美談で終わったのであるが、
カインはミラルゴに同情していた。
数千年の恋路が叶わぬばかりか、悪者として成敗されてしまう。
なんともかわいそうだと感情移入しそうになったが、
でも、自分じゃないからいっか、と思うことにした。
フォーン王には、お礼にと、
代々伝わる「水門のカギ」をくれた。
このカギを使って水門を開けば、また船で行動できる範囲が広くなり、
新しい地域へと移動できることとなる。
と、まあ、道は開けたものの、
とにかく、ここにもカインの本体はなかった。
次に行くであろう地域では、本体があればいいなぁ、と、
軽くはない望みを持ちながらフォーン城を後にするカイン達であった。
ただいまレベル29、プレイ時間19時間31分
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