新しい海域へと船を進めたカイン一同。
海を進むうちに、ペスカニという漁村に辿り着いた。
カインとしては、ここに自分の本体があったらいいなぁ、
という想いであるわけだが、
直感的に、ここにはない、と感じてしまうに至った。
とはいえ、なにか情報があるかもしれないわけで、
念のために村人から話を聞いて回る。
いろいろ聞いているうちに、
腕利きのロブという漁師が、
嵐の日にひどい怪我をして帰ってきたことがわかった。
その怪我のせいで、もう漁ができないという。
ロブに直接会ってみたが、彼は何も語らなかった。
ロブは語らなかったが、
別の情報口から、
ロブは村の魚を買い占めているという情報が得られた。
ちなみに、村全体が魔物のせいで漁ができず、
非常に苦しい生活を強いられている。
だから、ロブが魚を買い占める行動は、
村を苦しめる行動ということになる。
カインは、この村を救うつもりはさらさらなかったが、
ロブの不可解な行動が、ちょっと気になった。
大量の魚を持って洞窟に入っていくロブに
こっそりついていく行くカイン一同。
ロブは非常に慎重な男で、
尾行されていないか入念にチェックするので、
こっそりついて行くことは、かなりの苦労を要することであったが、
その苦労の行き先でカイン達が見たのは、
ロブが人魚と密会している場面だった。
密会の最中に、カインが目撃していることがバレてしまった。
お互いに、「見つかった！」と思って気まずかったわけであるが、
ロブと人魚は、見つかってしまったことで、
諦めて話を打ち明けてくれる。
人魚の名前はディーナだかディーネだか。
ロブは嵐の日に遭難したが、人魚に助けられて一命を取りとめた、
という話であった。
ところが、その人魚は、ロブを助けたばっかりに群れからはぐれ、
仲間のところに行くことができなくなった、ということだった。
もし満身創痍でなければ、
自分がディーネを群れのところまで連れて行くのに、と嘆くロブ。
ちょっとお人好しのカインは、この話を聞いて、
その人魚を群れに連れて帰る手伝いをしようと考えるに至った。
そして、人魚は魚を食べるのか、などとも考えていた。
カインと同行しようとするディーネに、
「いつか俺が必ず迎えに行くからな」と声をかけるロブ。
やはり、ここでも、単純ならざる想いが交錯していたのか、
とカインは思った。
きっと、別れは辛いものであるのだろう。
ちょっとした海の旅の末、
ディーネの故郷へと辿り着いた。
そこで待っていたのが、ディーナだかディーネだか。
えっと、どっちかが姉で、どっちかが妹。
ロブと仲が良かったほうが妹で、故郷で待ってたのが姉。
姉は、妹の帰還を喜び、
お礼に「マーメイドハープ」をくれた。
このハープを奏でると、船を空気の泡が包んでくれて、
海の中を行き来することができる、という優れものである。
いわば潜水艦の役割をすることができるのである。
ハッサンなどは、ビビりなので、
潜水中に泡が割れたらどうしよう、とか言っている。
さては、ハッサン、泳げないのか？
ディーネとディーナを引き合わせたことを
ロブに報告するカイン。
いずれ迎えに行くことを自分の中で噛みしめるロブ。
と、これで、ロブとディーネのお話はおしまい。
今回のことで、海の中にも行けるようになったカインは、
さらに自由に世界を旅することができるようになったのであった。
ところで、盗賊だったカインは、
すでに盗みを極めてしまったわけで、
足を洗って堅気に戻ることにした。
商いなどどうだろうか、と、商人へと転職した。
なんだか、冒険には役に立たそうな職業にばかり就いている。
ところが、堅気に戻ったつもりでいても、
微妙に手癖の悪いところは残っていて、
モンスターを倒すときに、お金を盗んでしまう。
これじゃ、盗賊だったあの頃と、変わりがないじゃないかと、
若干の反省をする。
そして、反省しながらまたお金を盗む。
ちなみに、他人の家のタンスやツボを漁ることについては、
まったく反省していない。
怒られたらやめようかな、とは思っているが、
まだ怒られたことは1度もなくて、
やっていいものだと思っている。
そして、
どこそこでなにやら価値のわからないメダルを見つけるのだが、
メダル集めが趣味という、奇妙な王様にあげると、
お礼に、いつもいいアイテムをくれるので、
そのメダル王のためだけに、メダル探しに明け暮れていたりする。
メダル王は、コレクターの割りに、自分では探し回らないみたいで、
いつ行っても、自分の城の玉座に座っている。
不思議な王様であるのだが、カインからしたらありがたい存在で、
だから、他人の家のタンスやツボを漁る、
ということを繰り返している。
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