【就活】ボクの弁護士就活体験談【まとめ】 | ボクのべんきょう日記~弁護士実務と司法修習と司法試験の巻~

【就活】ボクの弁護士就活体験談【まとめ】

ボクの弁護士就活体験談

*ボクの就活戦争【年表】
*司法試験を終えて,今後やるべきこと
*就活でよく尋ねられた質問

[はじめに]

これまで,就活戦争年表では,弁護士事務所の就職活動に関する一般的な事項を書いていきました(未完)。

そろそろ同期の就活も後半戦に入ってきたことや,平成23年度の司法試験も終わり次の代の就活も開始したことなどから,ボクの行った就職活動の概略を書いていきたいと思います。

ある程度は抽象的に書くことになると思いますが,その点はご了承ください。


[既修1年生(2009年)]
■エクスターン
既修1年生の夏に大阪大手法律事務所でエクスターンをさせていただきました。
正直,勉強不足で知識がなく,いただいた課題をその場しのぎで調べ,起案して提出するなどしました。

エクスターンの内容は,

・企業に対する意見書の作成
・依頼人との法律相談に出席
・裁判所についていって傍聴
などなど。訴状作成なんかはなかったと思います。

この当時は,就職活動の一環というつもりはまったくありませんでしたが,後々考えたら関係あるとは思います。


[既修2年生(2010年)]
■サマクラ応募(春)
既修1年と2年の間くらいに,東京の大手事務所に在学生対象のサマークラークの申し込みをしました。
確か,4大事務所のうち3つ,それに次ぐ大手事務所や渉外事務所を併せて10個近く申し込んだと思います。

しかし,そのうちサマクラ採用されたのは2つだけ(4大事務所1つと,それに次ぐ規模の事務所1つ)。
ロースクールや大学名の威力は大きいんだなーと始めて感じたときでした。

それでも,同じローの他の友人は1つも採用されていない人が多かったため,まだ幸運なほうではあったと思います。

■サマクラ(夏)
さて,大手事務所にて1日1万円の日当(?)+宿泊代をもらいながらのサマークラークでした(各事務所1週間ずつ)。
ほとんどは意見書作成や契約書の作成・修正,講義のようなものだけで,依頼人などに会うことはありませんでしたね。

この当時は,大手事務所に行きたいという気持ちが強く,サマークラークに行ってその気持はより強くなりました。


[修了生]

■応募
ローを卒業し,司法試験の前の段階で,大阪の事務所がサマークラークを募集していましたので,応募しました。

新司法試験が終わると,4大を含めて大手事務所の説明会などの採用情報が続々とアップされていきます。
数でいえば,東京大手では7つくらいに出したと思います。

大阪では,一定の数の事務所がサマークラークをやっていましたので,上に加えて3つほど申し込みました。

■選考状況①
まず,司法試験が終わった5月の時点で,前年にサマークラークに行った大手事務所から電話がかかってきました。
一度事務所に来てほしいとのこと。
確か,6月頭には事務所に伺ったと思います。

その後,この事務所に2回ほど面接に伺い,夏ころには内々定を頂きました。
やはり,サマークラークは重要だと感じました。

初内定はかなり嬉しかった思い出があります。

*就活でよく尋ねられた質問

■選考状況②
①の事務所にはかなり早く呼ばれたものの,他の東京大手事務所はかなり厳しかったです。特に4大。

ボクのローは面接にすらほとんど呼ばれませんでした。

ある程度現実を再認識したときでしたね。
ボクは成績的には学部・ローで上位のほうでした。しかし,一部のロー以外は,成績だけでなく,特記すべき社会人経験や語学などの特徴がなければ面接までいくのもなかなか厳しいという印象です。
もちろん,エントリーシート等の工夫で,すごく良い出来栄えになればあるいは…,ということもありますが,大きな壁があることは否めません。

■選考状況③

さて,そうはいいつつも,東京大手の1つからは面接のご案内があり,1次・2次と突破しました。
話すのは苦手ではないので,面接までいければ,ある程度自信をもって就活に臨めました。

複数の事務所の面接をやってみて,やはり,一般的な就活の面接本が役に立つことを認識。
読んでいないのと読んで対策しているのとでは全く違います。
■絶対内定2012 面接の質問/杉村 太郎
¥1,260
Amazon.co.jp
ボクは本屋で大々的に置いてあったこれを読んでいましたけど,まぁなんでもいいでしょう。

さて,この事務所も3次に呼ばれ,おそらく3次を突破すれば内々定というところまできましたが,この段階くらいで①の事務所の内々定を頂いたため,こちらの事務所をお断りさせていただきました。

ある程度は迷いましたが,サマークラークでボク自身をみていただいていた事務所であったこと,ボク自身もその事務所を見て魅力を感じていたことが理由でしたが,タイミングもあると思います。


■選考状況④
③と並行するくらいで,同様の大手事務所から面接の案内がきました。

当該事務所は,噂ではすでにほとんどの面接が済んでいると聞いていたので,かなり遅いほうだったと思います(とはいえ,この時点でまだ)。

そのため,第1回の面接の時点で,①の事務所からお話をいただいており(まだ返事はしていない),そのことを第1回面接で相手方にお伝えしました。

だいたいこの時点で東京でのボクの就活は終わりました。8月前半くらいのことです。

■サマクラ(大阪)
さて,大阪のサマクラですが,幸いにも4つ応募した事務所すべてに採用していただきました。

東京の内々定は頂いていたとはいえ,大阪の事務所の経験もしてみたいと思い,サマクラにいかせていただきました。

だいたい内容はどこも同じですが,大阪だと企業法務だけでなく一般民事も多く,一般民事もやりたいという思いが沸々と湧き上がってきました。

■大阪での就活状況
しかし,既に内々定をいただき,その事務所にいくつもりでしたので,面接申込みを新たに出すことはしませんでした。
もし,サマークラークでボクのことをすごく気に入ってくれて,それで面接などにお呼びいただければ,そのとき真剣考えてみようというスタンスでした。

その後,4つサマクラに行ったうち,2つの事務所から面接に呼んでいただけました。

■選考状況⑤
まず,1つはあまり大きくはないですが,個人的に魅力的な事務所でした。
具体的には省略しますが,一般民事と企業法務,渉外事件とのバランスがよく,サマクラで感じた雰囲気も自由で(放置ではない),多様性を重んじ,個人の工夫を尊重するような印象。

その事務所がサマクラ後にたて続けに呼んでくださり,割と早めに内々定のお話を頂きました。
(①事務所の内々定を頂いている話はしています。)

ここからがボクが最も迷ったところで,この事務所と,①の事務所のどちらに行くかを本当に深く迷いました。
多くの方に相談させていただき,いろいろ参考になるご意見を伺いました。
その際お世話になった方々には心より感謝しています。

結果的に,ボクは⑤の事務所に行くことにしました。
事務所の知名度でいけばはるかに①が有名でしたが,ボクの性格やこれからの人生などを踏まえた上で,こちらの事務所で働くことがボクに合っていると判断しました。
どちらが正解というのはないと思いますが,後々間違っていなかったと思えるような充実した弁護士生活を送ることができればよいと思います。

この決断時に,①の事務所にお断りのお電話・メールをさせていただきましたが,かなり初期の段階で気に入っていただいていた事務所ですし,ボクも行く決心までしていましたので,連絡の際はかなり辛かったです。

■選考状況⑥
⑤事務所ののサマクラの後にサマクラにいかせていただいた大阪大手の事務所にも面接に呼んでいただき,ゆっくりとしたペースで2回ほどお食事させていただきました。

その後,3回目の面談のようなものに呼んでいただきましたが,⑤のお話を頂いており,もうふらふらするのは止めようと思っていたため,この時点で辞退しました。


[終わりに]

このような形で,ボクの就職活動は修習前の早い段階で終了しました。
結果的に,内々定を頂いたのは,サマクラをした先の事務所ということになり,その重要性を再認識することになりました。

このように早い時期に内々定を出すことについて賛否はあるようですが,ボクらとしては,採用活動をしている限り,それに合わせてやっていくしかありません。
そういう意味では,スタートダッシュで活動し,満足する就活をできたと思っています。

この就活の際には,同じロー生と就活情報の秘密掲示板を作るなどして,情報を共有化し,意見交換していました。かなり役立ったと思います。

修習生の現状でも,修習生の半分以上は就職先が決まっていません。
もちろん,現時点で決まっていなくとも,良い事務所は多数あるのは間違いありませんし,多くの人はこれから決まっていくとは思います。

しかし,就活の状況が厳しいのも認めなければならず,裁判官や検察官の希望が多いのもそれが一因になっているようにも思えます(もちろん,それぞれの職が魅力的だからですが)。

こういった状況下で,選択肢を減らさないためにも,今の段階から情報収集を怠らず,労力を惜しまないで活動していくことが大切だと思います。


※質問等は,boku.no.benkyo.nikki@gmail.comまでいただければできる限り返しますが,できればこちらコメントで質問していただいたほうが情報が共有されて良いと思います。