水壬楓子さんの『エスコート』シリーズ4作目。
2001年『小説エクリプス10月号』掲載の『フィフス』と
書き下ろし『スタンス』 『プレイス』が収録されてます。

4作目なのに『フィフス』とは、ちょっと「ん?」ってなりそうだけど、
【5日】というフィフスなのです。

このシリーズはボディガードBLで、作品ごとにカプが違います。
それぞれのカプのお話は1作で完結してますが、
ベースの物語の時間は流れているので、
1作目から順を追って読むのがよろしいかと。

ナンバリングされてないのでわかりにくいですが、
ここまでの作品の順番は
エスコート→ディール→ミステイク→フィフス
となります。

【関連レビュ】
◆第一部
エスコート  ディール  ミステイク

フィフス 著者:水壬楓子 イラスト:佐々木久美子
リンクスロマンス BL小説 2005年2月
★★★★
フィフス (リンクスロマンス)/水壬 楓子
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◆あらすじ(裏表紙)
ある日、人材派遣会社『エスコート』のオーナーである榎本のもとに、新しい依頼人から電話が入る。相手は衆議院議員の門真巽。 彼はボディガードを依頼し、さらにそのガードを同行させるプライベートな旅行に榎本を誘う。 実は榎本と門真は、17年前、榎本が中学生の時にある取引をし、月に一度、身体を重ねる関係だった。 旅行に誘われたのは初めてで、二人の関係の微妙な変化にとまどいを覚えながらも、榎本は門真の誘いを受けるが……。 ◆

いよいよオーナーのお話♪

あの真城をして悪魔のしっぽが生えてると言わしめるほどの榎本が
受けであるとは意外だったけど、相手が14歳年上の巽なので驚きはありませんでしたw
むしろその意外性が美味しかった( *´艸`)ムプ

29歳が15歳をというのは、
ショタ苦手なナギは通常なら引っかかるのだけど、
榎本の小生意気で大人びた性質や、
双方が将来をかけた取引というものがあったので納得できました。

父を知らず母と二人で生きてきた榎本。
心臓が悪い母が入院中に榎本の叔父だと名乗る巽が訪ねてきて、
「政治家である父の後継者になれ」という話を持ち込んでくるんです。

父に引き取られる気も政治家になる気もまったくない榎本は拒否するのですが、
ことはそんな簡単には運ばない。

自分を、そして母を守るための有効なカードを持たない15歳の榎本は
巽との取引に応じるしかなく、毎月5日の契約が成立します。

17年という長い歳月を経てもなお、
変わることなく毎月5日に遂行されている契約がもたらした
榎本の心への影響に引き込まれました。

そして今、その契約が解除されようとしている…。

クライマックスシーン、
最後の一滴の描写は読んでるナギの心にも落ちてきて、
その時の榎本の様子にジワっときちゃいました。

書き下ろしの『スタンス』では17年前の巽視点の心情が読めます。
『プレイス』では、17年間の榎本の密かな想いがわかります。
どちらも、二人の心がさらに理解できるお話で良かったー!

巽が、32歳の榎本を「この子」と表現するのも好きなんです。
恋人としての愛情だけでなく、保護者のような慈しみを感じさせてくれるから。

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