沙野風結子×奈良千春祭り開催中@那義。

子蛇ちゃんの続編です。
これの前に読んだ蜘蛛。
那義は、子蛇前作より蜘蛛の方が萌えたと
レビュに書きました。

がっ!
この蛇は蜘蛛よりさらに萌えた!
というか、お話が深かったです。

ヤクザの四代目襲名という
新たな人生の道を選択した凪斗に
圧し掛かる幾多の精神的試練。
これにもがき苦しみ、
角能への恋情にも揺れ動くという心理描写が
じっくりと描かれていて読み応えたっぷり!

小説雑誌に掲載されてた、とある作家さんの
設定だけヤクザモノを

「こんなのヤクザモノじゃない!」とこき下ろした那義ですが。

沙野さんのこの蛇シリーズは、
『これぞヤクザモノ!』って感じですごく楽しめます!
やっぱヤクザものはこうじゃなきゃね!うん!

そして奈良さんのイラストもすごいの!
迫力なのですー!


これまでのレビュはコチラ

蛇淫の血  蜘蛛の褥


邪恋の禊 著者:沙野風結子 イラスト:奈良千春
リンクスロマンス BL小説 2008年4月
★★★★★

蛇恋の禊 (リンクスロマンス)/沙野 風結子
¥898
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◆あらすじ(ノベルズ裏表紙)
平凡な大学生ながら不可抗力によって岐柳組次期組長に据えられた円城凪斗。常に傍に控えている、恋人で補佐でもある角能尭秋に支えられ、戸惑いながらもその重圧に耐えていた。だが、代目襲名を控えたある日、敵対組織に襲撃された凪斗を庇い角能が負傷してしまう。いつか、自分の為に命を落としてしまうと恐れた凪斗は次第に角能と距離を取るようになる。心身共に結びついていた二人の亀裂は広がるまま、岐柳組は抗争に巻き込まれていき――。 ◆


この作品では、メンタルもフィジカルも
かなり痛めつけられていく凪斗です。

自分を護るために何人もの血が流れ、
自分の存在のせいでいくつもの命を危険に巻き込む。

角能への恋情は揺ぎ無いけれど、
彼が求めるているのは、
蛇の凪斗だけではないのかという不安。


ノーマルバージョンと蛇バージョンという
二つの人格の狭間で、
厳しい現実に向かい合い、もがき苦しむ凪斗なのです。


精神的に追い込まれていく凪斗を襲うのが、
敵対勢力である赫蜥蜴の臣。
凪斗は拉致られてしまいますが、
そこで待ち受けていたのは兄・辰久と数井。

かなりハードでダークな展開です。
沙野作品なので、情け容赦なく
とことんヤラれちゃいます…。

辰久による凪斗への陵辱シーンもあるので
兄弟ダメな人はご注意を。


『蛇淫の血』で
凪斗が角能への想いを描いた絵『初恋』が
この作品でも頻繁に出てきます。
かなりの重要アイテムなんですよ。

これを絡めた
凪斗と角能のクライマックスのシーンが衝撃!
奈良さんのイラストとの相乗効果ですごい迫力です!

角能の凪斗に対する深く重く大きな情愛(情念と言った方がいいか?)を感じました。

そして、そこから展開していく凪斗の変貌。
この繋ぎ方が「沙野さんさすがだな」と思いましたよ。


萌えツボで押さえておきたいものがいくつか。

凪斗の蛇の3匹目の頭という表現(コレすっごくウケたから書いておくw)
『初恋』の前での凪斗のひとりH。
『初恋』に対する角能の嫉妬www
蛇にヤラれる凪斗。触手Hの一種w(体内握手とか沙野さんに拍手!)

あとがきにある沙野さんの私的サブタイトルにも萌え!
『恋する子蛇、脱皮の季節』
まさに脱皮する凪斗のお話でした( *´艸`)ムププ


そして奈良千春さんの絵!
もう、素晴らしいっ!
まず表紙絵がすごいですよねー!
二人を絡め取ってる蛇!ぬめぬめ皮(鱗?)がすげーよ

口絵もすごいですよ。
凪斗のポーズは本文通りなのですが、
この角度で来るか!という絵なのです。
すごい難しい構図ですよね。

一番最初の挿絵も好き。
角能と凪斗の表情が二人の心情を伝えてきます。

どの挿絵もじっくり見入ってしまいますが
終盤の物語の山場からラストへのイラストがすごいです。

特に213ページの角能の絵!
これはもう奈良さんじゃなければ描けない絵だと思います。
そして、219ページ、251ページの、繋がりを感じる2枚の絵。

このシリーズの挿絵が奈良さんで良かった!
奈良さんは、どの挿絵も、
ただ、シーンを切り取って描くのではなく、
そこに流れているキャラの心情までもを表現されてるから、
見ていて引き込まれるんですよ。

すごいイラストレーターだと
あらためて実感しました。



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