
今回この記事を書くにあたって最初に告白しておきたいのだが、わたし獸木野生はベジタリアンでもビーガンでもない。
最近は健康上の理由で肉の摂取はかなり減っているものの、かつて健康に問題がなかったころは、肉を食べるという行為には単においしいものを食べるという以上の喜びを感じた。
子供の頃、母が犬に与えるために肉屋からもらって茹でてくれた肉の付いた大きな骨を自分ももらい、何匹もの犬と庭でむさぼり食べたのが、他にもたくさん幸せなことのあった幼少期一番の「幸せの記憶」。
魚は大して好きでもないのに、出刃包丁で捌くとまるでハンティングした獲物を捌いているような高揚感にかられ、映画のジュラシックパークを観ると無性に空腹を覚える。
なぜ最初にこんな告白をするかというと、アニマルライツ問題はよくベジタリアンや動物愛護派と、そうでない人たちの対決構図になって足踏みをすることがあるからだ。
パピーミル(親をケージに閉じ込めて一生子供を産ませ続ける量産型飼育法)に怒る里親会スタッフの方でさえ、同じ状態の家畜ストール飼育などの記事は目が避けてしまうことがあるのではと思う。
どうせ殺して食べてしまうのに、考えてどうなるのか?特に肉食を近々やめる予定がない場合、罪悪感から見たくない、知りたくないと思うのは、当然の真理だ。
個人的には、ベジタリアンやビーガンは間違いなく「進んだ」人々で、ゆくゆくは好むと好まざるとに関わらず、みんながこれを見習わなくてはならないのではないかと思う。
その理由のひとつは、このままいくと資源が枯渇してどっちみち食料がなくなるからだ。
しかしもし今、アニマルライツを重視して、畜産を人道的で丁寧なものにしていけば、無謀な大量消費をやめて節度を持って肉や魚をいただいていけば、虫しか食べるものがなくなるような事態を回避して、いつまでもおいしいお肉や野菜を健康的に食べられるかも知れない。
起こりうる変化や方法を、以下にまとめてみた。
起こりうる変化や方法を、以下にまとめてみた。
・幸せな家畜の肉は安全でおいしい
「食用の家畜に対する残虐な飼育法をやめ、自由な環境でのびのびと大切に育てよう」「そして殺しておいしくいただこう。」
矛盾して聞こえるかもしれないが、十分に運動し、幸せに育った家畜の肉は抗生物質など化学物質の投与も少なくてすみ、人間にとっても安全。平飼いの鶏肉や放牧豚肉がブランドとなるように、通常味も格段によい。
・食肉の大量生産・大量消費がなくなると
環境問題が解決?
環境問題が解決?
最近よく聞くが、牛やヒツジから出るメタンガスは温暖化の大きな要因(メタンの温室効果は二酸化炭素の10倍、反芻家畜(ウシ、ヒツジなど)はメタンの人為発生源のトップに入る/出典1)。
また過去40年間で消失した南米の熱帯雨林の40%(1750万ヘクタール)は牛の牧畜のためだと言われ(出典2)、
さらに地球の新鮮な水の3分の1が畜産業に使われるとされる(出典3)。
さらに地球の新鮮な水の3分の1が畜産業に使われるとされる(出典3)。
つまり畜産は地球環境破壊のかなりの部分を占めており、これが縮小することによって破壊が減ってゆき、環境や人類存続の可能性が増えてゆく計算だ。
出典1 http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/15/15-1/qa_15-1-j.html
出典2 http://www.hopeforanimals.org/nikusyoku/00/id=211
出典3 http://www.hachidory.com/earth/00/id=399
・量より質の時代
基本的に地球という惑星は大量生産・消費に向いていない。水も資源も食べ物も、サイババの砂みたいに異次元からどんどん湧いて来る構造になっていないので、大量に消費すぐに使い果たしてカラッポになってしまうからだ。大量生産の結果行われる汚染によってもどんどんダメージが深刻になる。
畜産に限ったことでなく、農業、漁業、ファッション、車、ペット、建築、エネルギー、水、あらゆる分野で量産・大量消費のループ、使い捨ての構造が見直されるようになって来ており、量より質、モノよりポリシーと、価値観・ステイタスの変換も始まり、すべての製品がよりエコロジカルで人道的な方法で作られたかどうかが、品質とともに重要視されてきている。
家畜を一生監禁して行うストール飼育は、少ない面積でなるべく大量に生産することを目的として行われているもの。これを放牧にすると当然生産量は減る。だがその分肉質やブランド力が高まるので、価値が上がり、大量生産も押さえられる。世界の様々な地域で条件は違うので、放牧すればよいというものではないが、地域ごとにその都度環境やアニマルライツを重んじる方法をとることで、地球規模で量より質の畜産に転換してゆくことができる。
・減らせばヘルシーに、
いつまでもおいしくシアワセに
いつまでもおいしくシアワセに
ハンバーガーやステーキがヘルシーだと感じてる人や、毎日絶対それらを食べたいという人は、現在ではあまりいないと思う。ここでわざわざ出典をもちいて、どれだけ体に悪いか証明する必要もないだろう・・・。
成人病防止、美容やダイエット、あちこちの「そんなもの食べちゃダメ」のリストに入っていそうな肉加工品。たしか成人必要カロリーの二日分のハンバーガーとかあったよね?
別にアニマルライツどうこう言わずにダイエットの観点からだけでも、食べ過ぎたら誰もが罪悪感を感じるし、減らせるものならとっくに減らしたかった習慣。
別にアニマルライツどうこう言わずにダイエットの観点からだけでも、食べ過ぎたら誰もが罪悪感を感じるし、減らせるものならとっくに減らしたかった習慣。
少しずつ大豆製品や野菜に変えて行けば、自分の体調や体型の変化に驚くはず。
グルメなハンバーガーなどもあるが、元々ジャンクな部類に入るものは「ごちそう」とはほど遠く、ヘルシーな食事に慣れてしまうと自然に舌が拒否するようになる。
たまにご褒美で食べるお肉も、やがて健康な家畜の「本物」のおいしいお肉に代わり、何よりもこの地球上の恵み・・・「自然な」食べ物や水や空気をいつまでも受け取って、「豊か」に暮らしてゆくことができるようになるだろう。
・変革は地球規模で壮大。
未来を見据えて、一歩一歩。
未来を見据えて、一歩一歩。
こういった大きな変革は一日では終わらない。
現在この地球上にいる人たちは、人類が地球を食いつぶす寄生虫のような存在であったところからトランスフォームし、より高度な生き物に進化するかもしれない、劇的な時代に生きている。
現在この地球上にいる人たちは、人類が地球を食いつぶす寄生虫のような存在であったところからトランスフォームし、より高度な生き物に進化するかもしれない、劇的な時代に生きている。
自分が変わるだけでなく、署名や嘆願などで政治的な変化も何度も何度も促す必要があり、すべては一進一退だ。この記事を見て希望を持ってくれた方も、明日には意気消沈するかもしれない。
大切なのは目先の暗いニュースに失望せず、未来の変化を目指して少しずつでも前進することだ。
人間が罪深い存在なのは普通のこと。そのぶん高潔になれる可能性を秘めている。どうせだめ、無駄だという発想を捨て、未来の希望・起こるかも知れない良い変化にフォーカスして行こう。
人間が罪深い存在なのは普通のこと。そのぶん高潔になれる可能性を秘めている。どうせだめ、無駄だという発想を捨て、未来の希望・起こるかも知れない良い変化にフォーカスして行こう。
現在多くの国で禁止されている非人道的な畜産方法が、
日本で用いられている例(以下リンクのストール飼育など)が多くあります。
日本で用いられている例(以下リンクのストール飼育など)が多くあります。
放牧など人道的な方法で生産されたものを選ぶ、
小売業者などにこういった方法で作られた物を使わないようにお願いする、
生産者や行政に訴える、
SNSなどで情報やアクションを広めて行くなどの方法で、
状況を改善して行く事が出来ます。
小売業者などにこういった方法で作られた物を使わないようにお願いする、
生産者や行政に訴える、
SNSなどで情報やアクションを広めて行くなどの方法で、
状況を改善して行く事が出来ます。

2016年1月更新



野風の詳細はこちら

飼い主募集中です!
里親ご希望の方は、こちらからお申し込みください
ジェームスVS ハリー、ランキングで激闘中!
