不動産融資から見る地方活性化の必要性 3
不動産融資から見る地方活性化の必要性 2 で、経済も文化も情報も、そして人口も、何もかもが東京一極集中化が進んでいることは、今でも世界一の大メガロポリス圏を、ますます発展させるから悪いことではないかもしれません。
でも、このことは日本の最大のリスクかもしれないと書きました。
では、そのリスクとは何かといえば、もうお分かりのことと思いますが、一極集中が進む首都圏を、もしも大地震、大津波、大噴火が襲ったら、日本が本当に機能しなくなってしまうと言うリスクです。
不動産融資から見る地方活性化の必要性 のGDPの表をごらんいただきたいのですが、2010年の数字ですが、この年の日本のGDPは482.4兆円です。
首都圏のGDPは160兆円でこの数字だけでも日本のGDPの1/3を首都圏が占めています。
また、さらにこのようなことはないと願いますが、最悪にも、太平洋ベルト地帯の中の首都圏、中部圏、京阪神圏などの大半が大震災などの被害に遭えば、日本の半分のGDPが失われる懸念もまったくないとは言えません。
要は、まずは首都圏の一極集中を少しでも京阪神や中部圏に移転する。
さらには太平洋ベルト地帯からそうでない地域に少しでも移転して行くことは日本の将来を考えれば、必要ではないかと思います。
ここで参考になる本があります。
【楽天ブックスならいつでも送料無料】巨大地震Xデー [ 藤井聡(社会科学) ]
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読むと気が重くなる内容ですが、目を逸らさずに直視すれば当然起こりうることが整理して書かれています。
首都圏への一極集中のリスクを痛切に感じさせられる本なので、良かったらご一読を。
ここで首都圏一極集中の緩和を、現実的に考えれば、政治の完全な地方分権は、現在の中国を考えれば、進みすぎると安全保障上の大きなリスクになります。
実際沖縄では知事が代わったことから、その懸念は高まっています。
でも、こと金融に関しては、大阪や名古屋はもちろん、できれば札幌、仙台、福岡、新潟、さらに鹿児島や那覇あたりに、それぞれの地域の企業が東京の企業とほぼ同レベルのファイナンスを受けることができる環境を作ることは必要ではないかと思います。
それは、単に金融機関に地方拠点を作ってもらうということだけではなく、担保となる不動産価値が上がり、経済も活性化していかないと、多くの企業にとって東京に拠点があることのメリットは大きいから、なかなか首都圏への一極集中は緩和されないかもしれません。
でも、東京に本社がなくても成り立つ会社であれば、金融や税制上の優遇措置を半端ないレベルで行えば、東京で起業を考えていた会社も、地方での起業を検討する可能性は増えますし、東京から地方への本社移転も進むのではないでしょうか。
東京等の大都市圏にある企業の本社機能を地方に移すと、法人税を優遇する、本社移転による法人税の優遇措置の第1号として、富山県黒部市への本社機能の一部移転を予定するファスナー大手のYKK(東京)のような例が増える可能性はあります。
YKKは資金調達は簡単だから、税金の優遇だけでも移転可能かもしれませんが、多くの中小企業となると、税金の優遇措置+資金調達の優遇策のようなことでないと、移転がより促進するとは思えず、政府にはぜひ検討してほしいところです。
日本の壊滅的な破綻をリスク分散するためにも、まずこの辺りから徹底して進めて行く必要があるのではないでしょうか。
次回は、現実的な地方企業の資金調達をご案内します。