不動産融資から見る地方活性化の必要性 2 | 思うように資金調達ができない方へ

不動産融資から見る地方活性化の必要性 2



2月2日

前回の不動産融資から見る地方活性化の必要性 では、首都圏、特に東京と地方の経済力の格差は大きく、不動産価値も同様、格差が非常に大きいと書きました。

その結果、不動産担保融資においても、地方間格差は非常に大きいと書きました。

そして、都道府県の経済力を表すGDPの表も紹介しました。

ここで都道府県のベストテンを改めて整理します。

1.東京     91.1兆円

2.大阪     36.4兆円

3.愛知     31.6兆円

4.神奈川   29.8兆円

5.埼玉     20.1兆円

6.千葉     19.0兆円

7.北海道   18.4兆円

8.兵庫     18.3兆円

9.福岡     18.0兆円

10.静岡    15.8兆円

 

愛知が神奈川を抜いているのはトヨタの存在です。

都道府県を地域、要はメガロポリスでまとめると次のようになります。

ここでは上位10位以降の都道府県も加えます。

1.首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉) 160兆円

2.京阪神圏(大阪、兵庫、京都) 64.1兆円

3.中部圏(愛知、三重、岐阜) 46.1兆円

   

この数字をご覧いただいても首都圏への一極集中が分かります。

そして不動産担保融資、要は不動産価値のことになりますが、まさに、首都圏、京阪神圏、中部圏の順番で、やりやすくなっています。

三重と岐阜は、中部圏ですが、他の地方と同じく金融環境は厳しく、福岡市、札幌市、仙台市よりも難しいのが現状です。

 

ご存知と思いますが、首都圏の経済規模は、メガロポリスランキングで言うと世界一で、すごい地域になっていて、ニューヨークや上海などよりも数段すごいメガロポリスを形成しています。

でもこの状況は確かに素晴らしいけれど、でもこのままで良いとはとても思えません。

先ほど、首都圏、京阪神圏、中部圏の順番で、不動産担保融資がやりやすいと書きました。

でも現実は1番・2番・3番と言うような状況ではなく、1番・10番・15番ぐらいのイメージでとらえていただいて良いぐらい、首都圏の不動産を担保とする融資のやり易さは突出しています。

実際、首都圏しか取り扱わないノンバンクがありますし、取り扱うノンバンクでも、首都圏の不動産融資の上限は3億円でも、京阪神の大阪市に限っても上限は5000万円が上限になっていたりします。

名古屋市も同様で、首都圏との格差は、多分多くの方が想像していらっしゃるよりも、その格差は大きくなっています。 

なぜこんなことが起きているのかと言うと、これはもう首都圏に、経済も文化も情報も東京に一極集中していることが原因です。

私が子供のころは、東京と大阪の経済を比較すると、2対1ぐらいの感覚で、例えば住友銀行、三和銀行、伊藤忠、丸紅、日生、高島屋、大丸なども本社機能が大阪にありました。

でも、現在は20対1ぐらいの感覚で、先ほどの各社も、大阪本社の存在は残していても、事実上の本社機能はすべて東京に移転しています。

そして、小泉政権以来、財務省と日銀の頭がおかしいとしか思えない誤った緊縮増税政策一辺倒の経済政策を、自民党も民主党政権も継続して、安倍政権で緊縮財政は見直されたものの、相も変わらず財務省の増税政策方針は変わらず、この結果、デフレの継続進行とともに、地方の疲弊もさらに深刻になってきています。

 

実際私も、地方のお客様から資金調達の相談を受けた時、伸びそうな会社の経営者に対しては、資金調達機能を高めるためには、東京に拠点を持つことが必要不可欠。

このブログでも何度も書いていますが、資金力がない投資家は地方不動産に投資をしてはいけない。などなど・・・

ミクロでは正しくてもマクロ的に考えればミスリードをしていて、まさに合成の誤謬です。

このような方向はどんどん進みますから、ますます東京と地方の経済格差は広がっていきます。

しかしながら、このような東京を中心とする首都圏への一極集中が実は日本の最大のリスクになっているかもしれません。

次回に続きます。

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