アッシュが英二を連れてやってきた事に気づいた仲間達が二人を迎えた。
「ボス!待ってたぜ」
「盛り上がろうぜ!」
ゾンビとフランケンシュタインのマスクをかぶった仲間たちに囲まれて英二は冷や汗が出そうになった。
(ただの仮装なんだけど、みんな迫力があるなぁ。。。。)
「ところでボスは仮装しないんスか?」
「俺は嫌だと言ったが、英二につき合わされてダウンタウンで何着か買ってきたよ」
「へへっ。。。君たち、見る?」
英二は持ってきた紙袋をちらっと見せた。
「なんだい、それ?」
「アッシュ用のコスチュームさ!一緒に買ってきた!」
ボス用のコスチュームと聞き、仲間達が凝視した。
「やっぱりボスなら、、、ドラキュラか?」
「三銃士か?それとも海賊か?」
「いや、予言者なんかも似合いそうだぞ?」
仲間たちも興味津々で英二のまわりに集まってきた。
大きな緑色の目玉が印象的なキャラクターもののコスチュームだ。まるで「モンスターズ ユニバーシティー」 のマイクにそっくりなその怪獣を見て、仲間たちは驚いた。
英二は自慢げに彼らに見せた。
「じゃーん!可愛いだろう?緑の怪獣のコスチュームさ!」
「「「。。。。」」」
(え??)
一瞬の沈黙の後、子分たちはざわざわし始めた。
「おまえ、それをボスに薦めたのか?」
「。。。あんた、すごいな!」
「そう?緑色の瞳だし、可愛いと思わないか?アッシュなら似合いそうだよ!」
アッシュはジロッと英二を睨みつけた。
「言っておくが、俺は絶対に着ないからな!」
「えー、アッシュ! せっかく買ったのに、そんな事言うなよ」
「買うのは構わないが、着るとは言ってない」
「うそだろー?」
(他のコスチュームは買うのも駄目だって言ったのにな。。。これだけはなぜかOK だったんだよな)
英二はお店で色々なコスチュームをアッシュに提案したが、ほぼ却下されてしまった。
駄目元ですすめたこの緑の瞳の怪獣コスチュームだけアッシュの反応は違った。しばらく考えたあと「着るかどうかは分からないけど」と言って許してくれたのだ。
クールでカッコいいボスとは正反対の怪獣コスチュームをみた子分たちはかなり引いていた。
「エイジ、おまえ。。。クレイジーだな」
「すげぇ度胸だぜ。。。おれにはできない」
ある意味尊敬の眼差しで子分たちから見られていることに英二は不思議に思っていた。
(なんだ?みんな、どうしたの?)
英二はちらっとアッシュを見ると、彼は察したようにフッと笑った。
「オニイチャンは最強だってことさ」
「ふーん。。。」
正直いって英二はイマイチ理解できなかった。
子分の1人が英二にたずねた。
「エイジ。。。だっけ?あんたは何を着るのさ?」
「うん、僕はスーパーマリオとスヌーピーのコスチュームを着る予定だよ。やっぱり漫画のキャラクターって憧れるよね」
「。。。ははは、エイジなら似合いそうだ。楽しみにしているよ」
「よーしアッシュ、着替えようぜ!」
「俺は嫌だって言ってるだろ!!」
「そんなに嫌なら僕のスヌーピーコスチュームを貸してあげるから!」
「もっと嫌だ!」
アッシュは断固拒否をした。
(続)
ハッピーハロウィン!!みなさんどのようにお過ごしですか?
今日はアッシュの為に(?)カボチャ料理でも食べようかな!
思ったより長くなっちゃいそうなお話ですが、ゆっくり楽しんで頂けたら嬉しいです。