August 21, 2011 Lions at Marines | Peanuts & Crackerjack

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Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!




$ピーナッツとクラッカージャック-20110821


 ★Tips 1 : 今日の西口さん、ストライク率は約66.1%、ほぼ2/3という素晴らしい成績でした。

         30度の打者との勝負のうち2ボールまでいったのがのべ12度、
         3ボールまでいったのがのべ8度、そして四球2で1ボール以内での勝負が60%、

         今日はフォークをある程度多く交える投球をも魅せたことで
         速球系とフォークのコンビネーションで三振を5つ奪っていく
         本格派の投球をも織り交ぜ、球数を減少させることに成功しつつ

         それでも基本はいつもと同じく速球系、スライダー、チェンジアップを
         それぞれ球速を変えて数種類ずつゾーンに大胆に投げながら

         微妙な打ち損じを誘発させ数多くのフライアウト(10個)を奪いながら
         どんどんとイニングを消化していくという
         まさにこれぞベテラン“技巧派投手”という投球を魅せ続け

         8イニングを投げて121球、自責点1と
         QSをじゅうぶんにクリアしてくる素晴らしい投球を魅せてくれました。

 ★Tips 2 : 今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計12度、
         その内訳は 2-10(うち二塁打1)、四球1・死球1で得点圏に残塁5、得点3。

         今日は6安打・3四球・1死球で出塁は10、失策による出塁1・野手選択による出塁3をあわせた
         その全14人のランナーの行方は残塁7、盗塁死1、
         二塁封殺2、三塁封殺1で得点3という結果でした。

 ★Tips 3 : 今日、今シーズン初のセーヴ失敗を喫したクローザー、牧田さんですが

         先発登板時のデータと救援登板時のデータを比較する限り
         確かに非常に大きな差があるのですが、それは

         基本的に被BABIP(batting average balls in play)の差という、
         いわゆる“一握りの運”の要素の影響が大きいことが見て取れます。

         フェア領域に飛んだ打球(HRを除く)のうち、安打になる確率を表したのが
         上述の被BABIPという指標なのですが

         今シーズンここまで、牧田さんの先発登板時は.247であったものが
         救援登板時は.333にまで跳ね上がっています。

         もちろん、牧田さんの投球がその力を失い、安打になりやすい
         鋭い打球を飛ばされているという可能性もあるのですが

         だからといって順調にセーヴ数を積み重ねていった頃は
         被BABIPが先発登板時と同じ.247あたりで

         失点を繰り返し、負け数が増えているここ最近数試合だけで
         一気に.333あたりまで上昇した、ということはどう考えても現実的ではない。

         つまりは救援登板、それもクローザーとしての登板をするようになってから
         継続して被BABIPは高い水準を維持していることがデータから伺えるわけですが

         それは下手投げからの牧田さんの投球を打ち返した打球が
         特に救援登板をするようになってから、相手打者が打ち損じたものの

         内野で勢いを失い、特殊な回転がかかって処理しづらく安打になったもの、
         ふらふらと上がったものが内野手と外野手の間にちょうど落ち安打になったもの、

         こういったある意味“非常に不運な”出塁を数多く許していると言えます。

         ただ、これは“不運”といっていい打球だという一面もあるものの

         打者一人ひとりが、打席において先発登板時とは比較にならない位
         高い集中力を維持し続けて向かってくるクローザー登板時では
         実はそんな不運な安打が増えてくるのも当然でもあります。

         そんな中で、三振を奪うタイプではない牧田さんが
         何を一番に心がけないといけないかというと

         やはりどれだけ不運な安打を許し、苦しい投球が続き
         時にはそれが失点に結びつこうとも

         “決して自分の持てる投球を疑うことなく、変えることなく
         ひたすら継続し徹すること”

         実際、不運な安打を重ねられ、数多くのランナーを得点圏に背負おうとも
         自信を持ってゾーンに大胆に牧田さん本来の投球をしているうちは
         大量失点を防ぎながらきっちりクローザーとしてのしごとができていたものの

         投球に自信を失ってきた最近ではゾーンのコーナーぎりぎりをかすめる
         針の穴を通すかのような制球を求めるがあまりに四死球が非常に多くなるにつれ

         カウントを悪くしての(HRなどの長打を含む)痛打を浴びるようになり
         大量出塁を許し、大量失点を喫するようになってきました。

         私はあまり1つの打者との勝負をとりあげあれこれ突くことはしないのですが

         今日の9回裏の今江選手との勝負は牧田さんを含めたバッテリーが
         慎重に慎重に、逃げかわす投球をしたあまりにも典型的な例であり

         牧田さんを含めたバッテリーには大きく反省してほしいと思うものでした。

         (※基本的に投球の選択については捕手が主役ではなく、
         あくまで主役は投手自身であり、その結果は投手自身が担い
         自らが反省し、考え悩み改善していくべきだと思っております)

         Castillo選手を1球でグラウンドアウトに仕留めた後のその勝負、

         ① B1-S1からの3球目、今江選手の意表を突く
           ゾーンの外からゆっくり巻いてきてゾーンに入ってくる
           ストライクを稼ぐための外角高めのチェンジアップを使い

         ② そうやってB1-S2と追い込んでからのその次の球を
           これまた慎重にご丁寧に外角高めへ大きく外しB2-S2にしたこと。

         三振が少なく、本来打たせて取るスタイルの牧田さんなのに
         まず相手打者が手を出さないであろう投球を慎重に慎重にを重ねて
         それも2つ続けて使う意味はあるのでしょうか。

         早めに打ち損じを狙うのが本来の牧田さんのアウトを重ねていくスタイルなのですから
         ゾーンに自分の最高の投球をどんどんと大胆に投げ込む
         “攻め”の投球が欲しかったところ。

         今日のように慎重に慎重に制球に気を遣いすぎ
         配球のコンビネーションのストーリーをこねくり回し

         逃げてかわそうとすればするほど自らカウントを悪くし
         四死球を連発し、痛打を浴び大量失点を喫する悪循環に自ら嵌まるだけ。

         遅かれ早かれ、投手ならば一度は誰もが通るこの大きな壁、試練、
         不運な安打を怖がらずに、自分の持てる投球を信じ継続していけるか。

         クローザーに抜擢されなければ、この試練も今年ではなく
         もっとプロとしての実績を積んでからということもあったかもしれませんが

         それでもやはり若いからこそ、若いうちに、

         目先の結果を求めすぎるがあまりに小手先の繊細な技術に頼る
         逃げながらかわそうとする“器用な”投球を骨の髄までしみこませ
         その後行き詰って頭打ちになり修正するのに凄まじい時間と苦労をかけるのではなく

         投球の土台であり基本である、
         どんな局面においても自分の持てる最高の投球を決して疑うことなく
         萎縮することなくゾーンに大胆に投げ込むということを

         ぜひぜひ早く骨の髄まで徹底的に自らの身体に叩き込んでほしい。

         この試練、いかにして、そしていつ牧田さんがきっちり乗り越えてくるか。
         今後も期待しながらその投球を見続けていきたいと思います。