[320] 上海博物館 | ひつじの手帖

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2013年5月から200日間ブログ。ブログは休眠中。本業の設計事務所は稼働しております。

杭州からの帰国の途中、上海博物館 へ.
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四角い(方形)下層に丸い(円柱)上層部をもつ御影石に彩られた建物.
入場無料、写真撮り放題.
荷物検査があるため少し並びます.

手荷物を無料で預かってもらえる為、旅の途中でキャリーケースを転がす身には ピッタリな観光場所.


全てを観る時間はないので、青銅器、青磁、民族衣装、絵画、家具を拝見.


青銅器コーナー入口に.
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武器. 夏代晩期(紀元前18-16世紀)
青銅の中に、十字のターコイズ石が象嵌されています.
3600~3800年前に このような技術があったとは.

どうやって石を象嵌したのだろうか。

武器ではありながら造形の美しさを感じます。祭祀に使われた武器型の祭具かもしれません。


惹かれたのは この器.
春秋後期(紀元前7世紀)の盆.
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鑑賞用だったようですが、水中の生き物が底面に彫られ、鯉などの立体は360度回転できる仕掛け.
二匹の龍が器の淵に頭をもたげて覗きこんでます.
こんな精巧な器が手元にあったら水を注ぎ鯉を回転させながら眺めいってしまいそう.


鼻輪がついている牡牛.
春秋晩期の尊(Zun)と呼ばれる酒器.
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背中に丸い穴が三つ.
真ん中の穴に鍋を置いて酒を注ぎ両側の穴から湯を注ぐ. 湯煎で酒を保温する酒器.

造形の力強さと身体にぎっしり配された文様に惹かれます.
こんな器で温かい中国酒が供されたら宴も盛り上がりそう.



陶磁器コーナーへ

南宋時代の青磁の壺.
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ぽってり柔らかな、思わず触りたくなる青磁の艶.
南宋時代の青磁は日本にももたらされていて、大阪市立東洋陶磁美術館所蔵の青磁 の質感に魅了されて以来、その深い色みは忘れがたく、Celadon Blue は時代を超えて美しさをたたえています.



同じく南宋時代の茶器.
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吉州窯の茶碗.
金彩が自由に大胆に配されゴージャス.
日本の茶道では中国からの唐物(からもの)が珍重された時期があり吉州窯や建窯の天目茶碗は京都国立博物館にも所蔵されていますし、曜変天目茶碗は中国には現存せず日本に伝わる四個が国宝や重文に指定されています。

最近(2009年)杭州市の建設現場で曜変天目のカケラが見つかったとの専修大学報告書
を読みました。

南宋の首都 杭州で、かつて曜変天目茶碗が常用されていたのかも しれません。

博物館所蔵なので使うことは叶いませんが、南宋時代の茶碗で、お抹茶をいただけたらばゴージャスだろうと空想.


こちらは北宋時代の壺.
蓮花と魚が描かれています.
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下部の魚の造形に既視感を覚えました.
沖縄の読谷村の壺屋焼の魚に通じる表現に感じましたが、どうでしょう。
勿論 直接影響があったとは思いませんが、なぜか親しみを感じた技法と表現でした。



唐三彩コーナーの「天王俑(てんのうよう)」
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Heavenly Guardianと英訳されていましたが、仏教の四天王の増長天のよう。
右手に何か持っていたようですが、おそらく槍。
甲冑(金属)や衣類(布)を唐三彩の焼き物で表現すると柔らかで優しさが増すというか、恐れ多さよりも格好良さを強く感じます。


景徳鎮(けいとくちん)が数多く展示される中で、この黄色に目が止まりました。
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清康煕時代の黄色.
小柄な器ですが把手が両側にあります.
どこかしら西洋的な形に感じるのは把手の存在からかしら。
皿部のぽってりとした腕置きやヘリの高さから、温かいお茶を溢れんばかりに注いで飲んだ所作が伺えます。
印象に残る黄色.



最後に少数民族の衣服コーナーから
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手織りの錦.
独特なピンクが目に飛び込んできます.花や鳥の文様が織り込まれていて、正倉院に伝わる錦にも通じるシルクロードを感じる柄.


特に印象に残ったものだけをブログに掲載しましたが、写真はこの10倍撮ってきました。

上海観光に博物館、お勧めです.