飛行機は風上、風下のどちらに向かって離陸するか? | あるばとろすのゆったりブログ

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飛行機はその日の気象条件、特に風向によって滑走路をどちらに向かって滑走するかが決まります。
飛行機の速度には簡易的に2種類あります。

ひとつは対地速度、もうひとつは対気速度です。
対地速度は、自動車と同じように地面に対する速度です。
もうひとつの対気速度は空気に対する速度です。
飛行機は翼に風をあてて揚力という上に向かう力を発生させます。
なので、空気が静止している(完全な無風状態)を想定した時の速度になります。
だから、完全な無風状態の時は対地速度と対気速度は一致します。
 ところが、現実の気象状況下では風が吹いています。
ということは、地上に止まっていても(対地速度がゼロでも)
対気速度が発生するわけです。(その風速分)
そして、飛行機は対気速度が大きい方が大きな揚力が発生するわけです。
となると、風上に向かって滑走する方が対気速度を稼げるわけですね。
逆に言うと、同じ対気速度を得るための対地速度が小さくてすむためコントロールしやすいのです。( ̄▽+ ̄*)
そのため、必要とする滑走路の長さも短くて済みます。

非常に極端な例ですが、滑走路上で離陸速度に等しい風が吹いていたとしましょう。
この時は風上に向かっていれば、滑走距離・対地速度ゼロのままで離陸できるのです。
風下に向かう時は、対気速度が風速の2倍(時速100キロで離陸できる飛行機の場合は、対地速度が
時速200キロになるまで滑走しなければなりません。これにはとても長い滑走路が必要です。)
(現実は、そのような強風の時は飛行禁止となりますが(((( ;°Д°))))...)

そんなわけで、今日も飛行機は風上に向かって離陸します。

着陸の際も同じ理由で風上に向かって着陸します。('-^*)/