【書評】「結果を出す人」はノートに何を書いているのか(2回目)
本書については2回目となる書評記事を書かせていただく。
僕の中では、既に自分流のノート術を確立させていく上での基礎となる本になりそうな予感がしているので、さまざまな角度から吸い尽くしてみたい。
※前回の書評記事は こちら
今回は、著者の美崎さんのプロフィールから、以下の部分に注目して、自己投資のためのノート術に焦点を当てる。
プライベートの活動でも、社外の社会人向けに勉強会や交流会を多数主催し、NHKをはじめ多くのテレビや雑誌、本などで紹介されている。築地朝食会、山の手の会、misaki2.net cafeなどを開催することで、毎月のべ150名以上の社会人を集め、業務以外の情報交換により、仕事では直接関わりのない人たちで1000名以上のゆるやかなネットワークが生まれている。異業種でも多くの人脈を持っているため、いつのまにか「スーパーサラリーマン」と呼ばれるように。
具体的なノート術に入る前に、まずは自己投資の大前提の確認を。
「どういう成果」を得るために、時間とお金をかけているか
ということを明確にすることが、自己投資においては必須であると美崎さんは書いている。
自己「投資」なのだから、必ず何らかの「リターン」を期待しているはずで(そうでないと「寄付」になってしまう・・・)、美崎さんは短期的に得られる成果を意識することを推奨している。
その結果、自分で使える「知識」であり、自らの「経験」であり「人脈」を得ることが出来、それらによって自分の価値を上げていくことが自己投資だという。
したがって、現実的に得られる成果を明確にノートに書き出して自己投資をスタートすることが一番大事だと。
実際に、スーパーサラリーマンと呼ばれ、自己投資による成果を体現している美崎さんの言うことだけに重みがある。
■ 資格取得編
資格を取得するというのは、非常に分かりやすい自己投資の一つ。
僕も、社会保険労務士を受験しようかなあ、などどぼんやり考えているところなので気になるところ。
まず、ノートには、「目的の明確化」「資格の活用」「期間設定」の三項目を明記すること。
つまり、僕の場合だと、「社会保険労務士資格取得プロジェクト」という項目のページを母艦ノートに作り、そこにこの三項目を明記することから始まる。
そして、スケジュールノートに「勉強時間」を確保し、メモノートには具体的に何をするかというタスクを書き出しておく。
予想と結果を区別しながらノートに記録し、予想通りにいかないときは、それがなぜかを考え改善していく。
(この方法は、村中剛志さんの『 「先読み力」で人を動かす ~リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント~ 』で推奨されている方法に似ているような気がする。)
また、仕事で発生する細切れ時間を有効に使うために、仕事用の母艦ノートと勉強用の母艦ノートは同じノートにしつつ、資格受験の勉強に関する内容は、後のページから書いていくという工夫も。
(勉強内容が他の記述とまぎれてしまうことを防ぐため)
なるほど、この方法で勉強ノートを使っていく場合、母艦ノートは持ち歩きに難のない程度の大きさにしないと厳しいかもしれない。
(今、A4サイズのノートが母艦ノートの候補だが、これだと少し厳しい感じか・・・?)
■ 読書編
自己投資としての読書から得られた情報を確実に頭に入れるためにも、ノートを使って内容を記録することが推奨されている。
ただし、ビジネスパーソンにとっての自己投資のための読書は、あくまでもビジネスに「活用」することが目的であるため、美崎さんは読み終わった本の内容から「実行すること」をノートに書いていくそうだ。
(これをA書評(アクション書評)と命名され、ブログ上でも記録されている)
美崎さんは、必ず一つ、そこから何か自分が実行することを決めているそうで、こういった自己投資は、確かに読書を大いに活用されていると思う。
「知」のトレーニングという観点からも、実際に読書から得た「知」を何かに活用していかないといけないのであり、アクションプランという形は一つの参考になるなと思う。
そのほか、得た知見を使いながら現実の問題に当てはめて思索してみるという事もトレーニングになる。
いずれにせよ、僕はノートには内容を記録することの方が圧倒的に少ないのだが、母艦ノートとメモノートを使いながら、ノートへの記録も増やしていったほうが、自己投資としてのリターンが高まるかもしれないと感じた。
■ セミナー編
セミナーの目的は、アクションプランにつながる気づき、人脈の2点に尽きるといい、大切なことは、「何を持って帰るか」を先にイメージして、それをノートに書き出した上で臨むことだと書いている。
こうすることで、一つでもアクションプランにつながるものを持ち帰ることが出来ればリターンを得られる自己投資となりうるということ。
また、ノートにメモしたキーワードを使って、同じ参加者に話しかけることによって人脈も築いていけるそうだ。
なお、講師に覚えてもらう方法として有名な(?)ミニチュア本ノートも紹介されているが、これを今からやると明らかに美崎さんの二番煎じなので、個人的にはお薦めしない。
質問の仕方は取り入れさせていただくとして、プラスアルファを狙いたいのなら、オリジナルの手法を考えてみたほうがいいかもしれない。
(講師の方にとっては二番煎じだろうと嬉しいのかもしれないので、印象付けるという意味では有効かもしれないけれど。)
以上、つらつらと自己投資のためのノート術で取り入れていきたいポイントを書き出してみた。
この中から一つでも取り入れたいと思えるような内容があったのならば、是非その他のノート術(仕事、時間管理など)についても本書に当たってもらいたい。
僕はまずは読書に関するノートの活用を、美崎さんの方法を参考にしながら取り入れていきたい。
また、仕事で出席しなければいけないような講演会でも、どうせ行くのだから、折角のセミナーを有効に活用するために、早速、美崎さんのノート術を活用させていただこうと思う。
【第十三回書評ブロガー達が勝手にインパク本レビュー】
本レビューは 本魂!(ホンダマ) が企画したイベントへの参加であり、同じくイベントに参加しているブロガーの方々のレビューは以下のとおり。
是非、それぞれのブロガーの独自の視点を比べて楽しんでもらいたいが、さらに、本書をお読みいただき、感想を聞かせていただけたら、非常に嬉しい。
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■ 関連リンク
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか オフィシャルサイト
■ 基礎データ
著者: 美崎栄一郎
出版社: ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2009年9月
ページ数: 256頁
紹介文:
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