【書評】「結果を出す人」はノートに何を書いているのか
「スーパーサラリーマン」の異名を取る有名サラリーマンの美崎さんの処女作。
株式会社花王でばりばり働くエリートサラリーマンであり、築地朝食会などの勉強会も複数主宰し、きちんと結果を出してきている美崎さんが、説得力のあるタイトルの本書で、その源を教えてくれている。
美崎さんは本書を書くに当たって非常に多くのノート術関連の書籍をお読みになったそうであるが、その上でご自身のノート術として体現しているものは、『 情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 』に近いものと感じている。
ただ、大きく違う点は、美崎さんのノート術の基本要素は「三冊ノート術(+付箋)」。
実は、ノート好き、文具好きな僕には、これが非常に嬉しく、また楽しくなるノート術に映る。
三冊のノートとは、
メモノート:
どんな思いつきもすべて拾う、いつでもどこでも携帯できるメモパッド。
母艦ノート:
情報を集約する基地となるノート。使い勝手のいいノートを選べば仕事も楽しくなる。
スケジュールノート:
スケジュールもノートで管理。薄く軽く格安の上、時間管理もバッチリ。
これらを使った、仕事術や時間管理術などの美崎流メソッドを余すことなく伝えてくれているのだけれど、その基本にある考え方をしっかり押さえておきたい。
それは、ビジネスパーソンとしてのノートは、学生の覚えるためのノートとは違い、忘れるため、あとで活用する記録として残すために使うのだということ。
仕事の作業を記録することで、問題が「見える化」したり、改善点がわかってきます。次から成果を出すためにもっとも効率的な方法もわかります。ミスやうまくいかなかったことを記録しておけば、失敗の理由を分析するきっかけにもなりますし、そのプロジェクトから学んだことを経験知として積み上げることができます。
そのためには「記録」を見返すことができるようにしておかねばならず、そういった場面ではデジタルツールの活用が有効として、デジタルとの組み合わせについても本書では紹介されている。
本書を読んで自分のノートの使い方を振り返ってみると、なんだか中途半端。
スケジュール帳とモレスキンの方眼ノート(いずれもポケットサイズ)を組み合わせて使っているのだが、どういった情報をどちらに書いておくのかなど、あまり明確ではないため、たとえばセミナーで学んだ内容などもあっちこっちに書かれていたりする。
母艦ノートっぽく使っているかなと思うのが、ニーモシネのA4ノートだったりするのだけれど、少し重たいので持ち歩きにはあまり向いておらず、一箇所(会社の机)でしか使えないのが難点になっている。
そこで、まずやってみようと思い立ったのが、メモノートの活用。
早速、いつもの丸善日本橋店でMnemosyneのNo.184を購入してきた。
ここから、僕も「スーパーサラリーマン」「結果を出す人」に向けた第一歩を踏み出した!?
ちょうど時期的にも来年度のスケジュール帳などを選ぶ方が多いと思うのだけど、お気に入りの手帳を選ぶ前に、まずは本書を読んでみて欲しい。
たった1,470円の投資で、あなたの手帳選びに大きな影響を与えてくれるに違いない。
もちろん、すべての結果を出したいビジネスパーソンにお薦めしたい一冊であり、特にまだ先の長い若手ビジネスパーソンは必読の一冊と言ってもいい。
「結果を出す人」の仲間入りを果たそう!
■ 関連リンク
■ 基礎データ
著者: 美崎栄一郎
出版社: ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2009年9月
ページ数: 256頁
紹介文:
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