いつでもどこでもすぐに寝つけるのに、
眠れなかった夜がある。
日付変更線を越え、一升瓶を抱えて杯を重ねるも
飲めば飲むほど覚める意識。
酒は祝杯のために用意しておいたものだが、
役割を果たすことなく喉を通っていった、あの夜。
それは、2009年6月24日のsleepless night。
ACLのROUND16で
ガンバ大阪が川崎フロンターレに負けた夜。
☆
2004年2月7日に北海道早来のノーザンファームで
1頭の鹿毛の牝馬が生まれた。
父・クロフネ
母・ホワットケイティーディド
父の名から、「夜も眠れず」と名付けられたその牝馬は
2007年にデビューして短距離路線で活躍し、
この度引退する。
病名・右前浅屈腱炎。
昨年のスプリンターズステークス、
中山の急坂を風のように駆け抜けたこの牝馬は
今年も人気を背負うことが明らかだった。
そのため関係者は脚部に不安があると判明した時点で同レースを回避、
そしてその病状からそのまま引退することとなったのだ。
ということで、今週末の中山の電撃の6ハロンに彼女の姿はない。
非常に残念だが仕方がない。
いずれやってくる日が早まっただけだ。
そう諦めるしかない。
生涯成績は全18戦で
1着9回、2着6回、3着1回、5着2回。
つまり、競走馬としてデビューしてから2年半の間、掲示板を1回も外したことがなく、
連帯率は何と83.3%。
しかも勝率5割の、その単勝オッズの平均は3.25倍という、
馬券的に実に美味しい馬だった。
昨年、上村騎手に抱いていた積年の恨み
を解消してくれたこの牝馬の
これからの馬生が幸せなものになるよう祈る。
☆
さて、sleepless nightの引退ニュースが飛び込んできた
おとといの土曜日は休日出勤だった。
仕事そのものは昼で終わったが、事後処理に時間がかかってしまい
帰宅したのは午後3時。
競馬中継を見ながら遅い昼食をとり、
そして4時からはJリーグ第27節 『ガンバ大阪 VS 川崎フロンターレ』を
スカパーにて観戦した。
6月24日のACLの敗戦及び、
その1週間後にはリーグ戦でも返り討ちに遭った相手。
特にACLに関しては、予選からの苦楽が中毒になりつつあったため
それを急に取り上げられた事実はなかなか受け入れ難く、まさに
「たった1敗で夜も眠れず」だった。
そして現在。
ACL進行形の川崎は
今回は中2日の強行軍。
しかし、我々もすでに来年度のACL予選に出るための予選を
戦っているのである。
というわけで、絶対に負けられなかった一戦は
遠藤保仁の2ゴールでガンバ大阪が2-1で勝利。
監督が「思考回路が違う」と称す遠藤は、
色々な意味で普通のプレーヤーとの乖離がますます激しくなっている。
その面目躍如な一戦だった。
風貌と相反する、
呆れるほどの負けず嫌いぶり。
文句なくMOM。