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ステロイド外用薬の副作用「皮膚萎縮線条」とは?


こんにちは。橋本です。


アトピーを治療するのに、ステロイド外用薬はとても便利な薬です。


しかし、ステロイド外用薬は、炎症をすみやかにおさえてくれる反面、様々な細胞にはたらきかけることによって、副作用が出ることもあります 1, 2, 3, 4, 5)


「皮膚萎縮線条」も、そのような副作用のひとつです。


実際の症例写真:皮膚萎縮線条


ただし、この副作用も、診察を受けながら正しく薬を使えば、防げる症状です。


皮膚萎縮線条とは


子ども高齢者で比較的出やすいといわれる副作用に、皮膚萎縮というのがあります。


皮膚萎縮は、「表皮」「真皮」の部分が薄くなることでおこります。


これがさらに、「真皮」の組織の分離、断裂がおこると、「皮膚萎縮線条」があらわれます。


「線条」というのは、「すじ」という意味。


皮膚が薄くなっているところに、ひび割れのような「すじ」ができます。


はじめは、赤紫色にすじが盛り上がり、そのうち平らになって色は抜けるものの、すじは残ります。


この現象は、思春期に出やすいとされています。


表皮と真皮


ステロイド外用薬だけが原因ではない


なぜかというと、急激な成長によって、皮膚の薄い部分が引っ張られやすいからです。


いわゆる「妊娠線」も、急に大きくなる「おなか」に皮膚が引っ張られて、真皮に断裂がおこる現象。


なので、「皮膚萎縮線条」も「妊娠線」に少し、見た目が似ています。


このような「すじ」は、ステロイド外用薬を使っていなくても、思春期の子ども。


もしくは、体重が急激に増えたり減ったりした時に、出ることがあるといわれています。


強いステロイド外用薬を長期に使っていると、それがさらに出やすくなることもある、というわけですね。


出やすい場所


「皮膚萎縮線条」は、皮膚が薄くやわらかくて、日頃の動作によって、皮膚が伸ばされる場所。


たとえば、


わきの下

足のつけ根

太もも


などに、出やすいとされています。


「皮膚萎縮線条」は、皮膚の深い部分の「真皮」の組織が断裂しておきるので、いったん、できてしまうと、回復するのが不可能に近いといわれています。


回復しにくい皮膚萎縮線条を防ぐために


「皮膚萎縮線条」に、なってしまってからでは遅い。


つまり、「皮膚萎縮線条」にならないようにすることが大切です。


「皮膚萎縮線条」を防ぐには、皮膚が伸ばされやすい場所へ強いステロイド外用薬を長期使用しないこと。


もし使う場合でも、お医者さんに皮膚をみてもらい、いちはやく異常に気づいてもらえば、「皮膚萎縮線条」は防げます。


そのためには、ステロイド外用薬を使っている間は、定期的な診察を心掛けたいですね。


参考記事:
ステロイドを1日おきに塗っています


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目次: ステロイド外用薬の使い方

参考文献:

1) Schopf E: Adverse effects of external corticosteroid therapy. Hautarzt 23: 295-301, 1972.

2) Griffiths WAD, Wilkinson JD: Textbook of Dermatology, Unwanted effects of topical steroids. Blackwell Scientific Pub., Oxford: 3072-3076, 1992.

3) 幸田 弘, 福田英三, 日野 由和夫, 占部治邦: ステロイド外用剤による副作用. 西日皮 40: 177-187, 1978.

4) 武田克之, 荒瀬誠治, 永井 隆: ステロイド外用剤の使用法. 日本医事新報 3313: 3-10, 1987.

5) 古賀哲也, 古江増隆: ステロイド外用剤と抱える問題. Mon Book Derma 54: 86-90, 2001.

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