乳児湿疹ってなに?
こんにちは。橋本です。
赤ちゃんの湿疹を診察してもらうと、パッといわれても、わかるようでわからない言葉がいろいろ出てきます。
いわゆる専門用語ですね。
お医者さんには当たり前でも、ふつうのママにはよくわからないわけです。
なんとなく雰囲気で納得していることも、よくあるんじゃないのかなと思います。
きちんとした診断にもとづいて治療をしてもらえれば、特別トラブルになることもないので、これはこれでOKなのかなとも思います。
それでもあえて、赤ちゃんの診察室でよく使われる言葉。
「乳児湿疹」についてお話してみます。
乳児湿疹とは
「乳児湿疹」は、正式な病気の名前ではありません。
おもに1歳未満の赤ちゃんに見られる湿疹をひとまとめにしたものです。
感染症、接触皮膚炎など、あきらかな病気、原因による湿疹を除いたものですね。
赤ちゃんの皮膚は、大人のおよそ半分と薄いです。
そのため、よだれ、食べこぼし、汚れなどのちょっとした刺激、さらには摩擦などでも簡単に湿疹が出てしまうことがよくあります。
とくに、頭とか、顔など。
皮脂による刺激で出る湿疹は、「脂漏性湿疹」として区別されています。
参考記事:
脂漏性湿疹とは?
ケアをしながら、成長で皮膚が強くなってくれば、生後1年ほどで乳児湿疹は、自然になくなってくることが多いです。
「これ、たぶん乳児湿疹だから心配ないですよ」
と病院の先生がいうのは、そういう意味なんですね。
すっきりしない診断
ただ、場合によっては、すっきりしない診断を受けることもあります。
「乳児湿疹だと思うけど、アトピーかどうかは少し様子をみましょう」
なんていうのが、それですね。
この場合、とりあえずの診断名として「乳児湿疹」を使っているわけです。
アトピーの特徴として、
湿疹がよくなったり悪くなったりを長く繰り返す
というのがあるので、どうしても経過を見ないとわからないのです。
赤ちゃんでは、重症でない限り、2か月ほどは経過を見る必要があります。
参考記事:
長く繰り返す湿疹
赤ちゃんの肌は、大人に比べ、日々変化するものなので、症状の経過をうまく先生に伝えると診断の役に立ちます。
また、赤ちゃんは低月齢だと、血液検査をしても正確な結果が出ないことがあります。
参考記事:
アトピーの検査は、いつからできるの?
診断名より的確なケアこそが大事
「乳児湿疹」でも、「アトピー」でも。
基本的には、治療に大きな差はありません。
まずは炎症をおさえて、ていねいなスキンケアをすることです。
そう分かってはいても、顔が真っ赤になっていたりすると、どうなってしまうのか心配になってしまいます。
しかし、現時点ではすっきりしない診断だとしても、早めにケアをして、肌をいい状態にキープしてあげることが、やはり大切になってきます。
「乳児湿疹か、アトピーか」を一瞬で見分ける先生。
こういう先生を名医と思いがちですが、「経過をみていく」というのもアトピーの治療には必要なんですね。
いきすぎた治療や間違った診断が、症状をこじらせる。順調な成長を邪魔することもあります。