具体的な「アレルギーを考えた離乳食の進めかた」。
こんにちは。橋本です。
「食物アレルギーが心配だけど……」
そういう場合でも、特別、離乳食の開始を遅らせる必要はない。
とはいっても、親がアレルギー体質。アトピーであったり、湿疹が多い赤ちゃんはより慎重に。
離乳の、開始時期。目標。進めかた3か条。について、前回、お話しました。「何のこと?」という方は、こちらを確認してくださいね。
今日は、さらに具体的な話をして、「アレルギーの予防を考えた離乳食の進めかた」への理解を深めていきたいな、と思います。
離乳食の進め方。具体的には、
というのが、大きな方針ですね。
離乳食のスタート。
生後5~6か月目から、ご機嫌な日、パパがいるとき、を選んで、みんなでそろって食べましょう。
真剣な顔で、緊張した雰囲気を作るのはNG。にぎやかに話しかけながら。
そのほうが、赤ちゃんは、比較的よく食べてくれます。
離乳食のスタートは、「よく精米した米」と「野菜」から開始。
つぶつぶが入っていたり、水分が多すぎて、しゃびしゃびのものは、よくありません。
最初は、「おかゆと野菜」を、上手に食べられるようにします。
アクの強い野菜は一般的にアレルギーをおこしやすいので、野菜はゆでてアクを取ることが大事です。
また、アクを取ることによって、余分な「苦味」「渋み」「えぐみ」も取り除くことができます。
そのため、赤ちゃんに、さっぱりとした野菜の味を覚えてもらうことができるんですね。
玉ねぎ、ねぎ、ニラ、などの香りの強い野菜は、少しあとにします。
主食は、「よく精米した米」にして、小麦の開始は遅らせます。
お米でアレルギーをおこすこともあるので、アレルギー症状が出ないかどうかは注意しましょう。
まずは、「おかゆと野菜」に慣れてもらう。
素材をなるべく混ぜてしまわないで、それぞれの味を覚えてもらいましょう。
で、慣れれば、たんぱく源。魚を開始。
「かつおぶし」から「小魚」。「白身魚」から「青魚」へと、種類の幅を、だんだんと増やしていきます。
そうしたら、次は大豆。
豆腐などの加工品から始めて、納豆、豆類にもチャレンジして、最後は、きな粉。
3回食が進んできたら、小麦粉にチャレンジ。
小麦粉は、「うどん」からスタートします。
要注意たんぱく源の最後は、卵。
ほかの、たんぱく源をいろいろ試してから。
卵は、一般的に、黄身より白身のほうが、アレルギーをおこす力は強いです。
また、「加熱したもの」より「生の状態」のほうが、アレルギーをおこす力が強いです。
そのため、最初は、しっかり固ゆでした卵の黄身を、だし汁でのばして食べさせます。
心配な場合は、耳かき1杯ぐらいからスタートしてもいいですね。
黄身のスタートは、アレルギーが心配なら、目安としては、8ヶ月目から。
場合によっては、1歳を過ぎてからでもかまいません。あせらず、様子をみながらですね。
牛乳アレルギーの疑いがある場合は、アレルギー用ミルクを試してください。
果物をスタートする目安は、8か月目から。
アレルギーをおこしやすい食品。そば、えび、かに、たこ、いか、さば、貝、豚肉などは、ほかの食材が食べられるようになった、1歳半~2歳ごろに、様子を見て。
生の刺身を食べるのは2歳半を過ぎてから。アレルギーの心配のある子は3歳を過ぎてから。
たんぱく質は、生の状態が、アレルギーをおこす力が強いですからね。
調味料の使用は、できるだけ遅らせるのが原則です。
アレルギー対応のものも含めて、ベビーフードは、味が濃く、やわらかいので、旅行など、特別な場合に、使用をとどめたほうがいいですね。
調味料を使わない代わりに、最初は昆布。慣れてきたら、昆布とカツオブシからとったダシを効かせてあげます。
昆布に含まれる、グルタミン酸。肉や魚に含まれる、イノシン酸。あさり、しじみに含まれる、コハク酸。干ししいたけに含まれる、グアニル酸。
ダシのうまみ成分である、こういったものは、体内でも合成されて母乳に出てきます。
なので、赤ちゃんは日頃から、おっぱいを通して、うまみ成分に慣れているんですね。
つまり、ダシの味がしっかりする離乳食は、赤ちゃんにとって、とても食べやすい味なのです。
また、赤ちゃんの食事に、特別、水分はいりません。
要求されれば、母乳をあげる程度で十分です。お茶や麦茶は1歳を過ぎてからですね。
むだな水分は、消化の邪魔をしてしまいます。
で、最後に。
要注意のたんぱく源を進めるポイント。
「あれ?湿疹がいつもよりひどいかな?」
と思った時は、その日食べた「たんぱく質」を3~4日休む。次回は、量を減らして、あげてみる。など、してください。
それでも、湿疹、じんましん、赤み、はれ、下痢など……。
食物アレルギー特有の症状が出るようなら、お医者さんと相談してくださいね。
まだ小さい赤ちゃんにアレルギー検査は、すすめません。
採血は、赤ちゃんにとって痛いだけでなく、検査結果自体にあまり意味がありません。
「赤ちゃんが食べてみて症状が出るか」「食べなければ症状が出ないか」
この両方で、アレルギーを判断するのが原則です。アレルギー検査は、参考程度。
ただし、アナフィラキシーなどの、ショック症状をおこす場合は別。検査をおすすめします。
離乳食について不安がある場合は、小児科の先生、栄養士、保健師さんに、迷わず相談してくださいね。
「おそらく食物アレルギーだけど、見きわめが難しいなー」という場合は、病院での食物負荷テストをおすすめします。