かゆみ止めを飲んだのに、なぜ良くならない?
こんにちは。橋本です。
「かゆみ止めのお薬も出しておきますねー」
と、飲み薬を処方してくれるお医者さん。アトピーの診察室では、よくある光景です。
「かゆみ」を「止める」から、かゆみ止め。
毎日、せかせか塗り薬を塗ってるのに、飲み薬だけで子どもがかかなくなったら、これほど楽なものは、ありません。
でも、実際はどうでしょうか?
なぜ「かゆみ」がおさまらないのか
朝晩、言われたとおりの量を飲ませた。なのに子供はいつもと同じように、かいている。
残念ながら、普通はこうですし、かゆみ止めを飲んでも良くならないのは、ある意味しかたがないことなのです。
なぜなら、病院で「かゆみ止め」として出される飲み薬は、ほとんどが「抗ヒスタミン薬」や「抗アレルギー薬」だからです。
抗ヒスタミン薬は、体内でのヒスタミンの分泌をおさえるもの。
ヒスタミンは、かゆみの原因物質。理屈上は、かゆみの原因物質をおさえることになるので、かゆみが起きなくなるはずです。
しかし、アトピー性皮膚炎のかゆみは、ヒスタミンだけでなく、いくつもの物質がからみあって引き起こされるものなのです。
ヒスタミンだけをおさえたところで、かゆみは完全に止まりません。
抗アレルギー薬にしても同じ。
いくつもの物質がかかわって起こるアトピーのかゆみを、完全には止められないのです。
かゆみ止めの飲み薬は、補助的な治療手段
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、これらのかゆみ止めの飲み薬は、補助的なものです。治療の大きな柱には、なりません。
アトピー性皮膚炎を悪化させるのは、皮膚の炎症です。
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬では、炎症をおさえることはできません。
炎症を強力におさえられる。なおかつ安全性が認められている。そういう面で、治療に使えるのは、ステロイド外用薬やプロトピックです。
保湿と外用薬できちんと治療しながら、補助的に抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を飲む。
それが、正しい薬の使い方なんですね。