夢・出逢い・魔性―You May Die in My Show (講談社文庫)/森 博嗣

¥700
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☆☆
20年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサが殺害された。犯行時響いた炸裂音は一つ、だが遺体には二つの弾痕。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方不明に…。繊細な心の揺らぎと、瀬在丸紅子の論理的な推理が際立つ、Vシリーズ第4作。 (amazonより)

相変わらず読んでますVシリーズ。しかし今回も2つ星ということで評価はいまいち、というか文章の上手さだけで辛うじて1つ星をつけなかったという感じです。事件自体のトリックが凡庸である代わりに、作品的により大きなトリックを用意しているのはこの人がよくする手口です。しかし今回はそのより大きな方のトリックがどうしようもない出来です。読んでいて違和感を感じるので容易に推測できるトリックである、ということもありますが何よりくだらな過ぎます。素人が思いついても使うのを躊躇するようなレベルです。

また今回いつもの面々がクイズ番組に出演する、という少々突飛な設定が使われている割にそれが全く活きていません。これは前々作のペンションが全く活かされていないのと同様ですね。本当に惰性で読むしかないみたいです、このシリーズは。まあ読むのやめればいいんでしょうが、既に四季シリーズ、Gシリーズ、Xシリーズ読んじゃってますから、それの伏線になっているこのシリーズはとりあえず読むしかないです。

これまでにご紹介したVシリーズ
「黒猫の三角」☆☆☆☆
「人形式モナリザ」☆☆
「月は幽咽のデバイス」☆☆