皆さま、おばんです!


岩泉線の終着駅と聞かれると、普通は「岩泉駅」と答えますが、

古くから地元にお住まいの方の中には、

こちらの駅を答えられる方がいるかもしれませんね。


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岩泉線・浅内(あさない)駅です!


岩泉線(当時の呼び方は小本線)が一番栄えていた時代、

小本線がまだ岩泉駅まで延びてなかった

昭和32年から昭和47年2月までの間は、

この浅内駅が小本線の終着駅でした。


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ホーム側から見た浅内駅の駅舎。正面にはベージュ色の日通事務所がありました。


その頃の浅内駅は、

岩泉・小本方面のバスが頻繁に発着していて、

現在は空き地となってしまった駅前広場は、

多くの自動車と乗降客で、とても賑わっていたそうです。


そんな浅内駅。
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この空間が多くのお客さんで賑わっていたと思うと、

無人駅になってしまった今の姿は、

あまりにも寂しい感じを受けましたよ。


駅舎の中には、1冊の絵本が飾られておりました。

「線路は続くよどこまでも 東京・上野発 浅内行き」という本です。
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国鉄時代に東京まで旅をした行程が描かれた絵本なのですが、

最後のページには、

賑わいを見せていた頃の浅内駅が描かれております。


昔は東京まで、時間をかけてでの旅行だったわけですけど、

楽しさという点では、今よりも昔の方が上のような気がするんですが…

いかがでしょうね?


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-c01247

現在の浅内駅は、単式ホーム1本だけの棒線構造になっております。


ちなみに昭和50年代の浅内駅の構内配線は、こんな感じでした。

いつものように、航空写真に配線を重ね合わせてみました。
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ホームは島式で、駅舎側には貨車を留置する2本の側線が、

また北側には日本粘土鉱業KKの専用線が延びていたようです。

岩泉線の貨物列車に写る無蓋車は、浅内駅からの貨車だったようですね。


そして現在の浅内駅です。
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側線や専用線はおろか、

ホームの待避線までもが撤去されて、

構内は広い空き地になってしまいました。


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茂市・岩手大川駅方向を見た浅内駅ホームと、


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岩泉・二升石駅方向を見た浅内駅ホームです。

岩泉駅延伸の際に整備されたホームも、崩れかかってました。

現在は休止線とはいえ、あまりにも寂しい姿でしたね。


そんな浅内駅なのですが、

多くの駅ファンを虜にする、あのアイテムが残っているのですよ。

それがこちらです。
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わかりますか?


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そうです!蒸機時代に活躍した給水塔が、

未だに浅内駅には残っているんですよ!


連続する急こう配とトンネルを越えてやってきた蒸気機関車たちは、

ここで補水を受けていたんですね。

この給水塔には、

駅の開業前年である昭和31年の製造銘鈑が残っておりました。

岩泉線の歴史の生き証人であるこの給水塔、

いつまでも残っていて欲しいものです。



岩泉線の駅と言うと、

押角駅ばかりが挙げられることが多いですけど、

個人的には浅内駅の方が、魅力に溢れている駅に感じました。

浅内駅、時間さえあれば、

まだまだ面白いものが見つかるかもしれません。


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岩泉線


↑(茂市駅方面)

岩手刈屋駅(平成23年10月10日)

中里駅(平成23年10月10日)

岩手和井内駅(平成23年10月10日)

押角駅(平成23年10月10日)

岩手大川駅(平成23年10月1日)

浅内駅(平成23年10月10日)
二升石駅(平成23年10月10日)
岩泉駅(平成23年10月10日)