日本の美術館名品展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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“日本ほど、美術観賞に恵まれている国はないんじゃないかなぁ…”


ここ最近、そんなことを漠然と思っていました


確かに、日本には、

ルーブルやメトロポリタンやエルミタージュに匹敵するような世界的な美術館はありません。

残念ながら、狭い日本、一つ一つの美術館の規模は・・・。


が、しかし!


日本の美術館は、コレクションの質、そして、自国と他国の芸術をバランスよく観賞できるという点では、

世界の名だたる美術館にも、決して引けを取っていない気がします。

このことを証明するためにも、


“いつか日本の美術館が、集結しないかなぁ”


と願っていたら、いつの間にか東京都美術館に集結していました(笑)

7月5日まで開催中の “美連協25周年記念 「日本の美術館名品展」 ” です。

これは、公立美術館のネットワーク組織美術館連絡協議会の創立25周年を記念した美術展で、

日本全国の公立美術館100館 (←そんなにあるんですね!) が、

それぞれ自慢のコレクションを出展した美術展。

その出展作品の打ち分けは、

西洋絵画50点、日本近・現代洋画70点、日本画50点、版画・彫刻50点。

 

計220点也。

 

質・量ともに、間違いなく満足できる美術展です。

(注:ただし、展示替え作品もございます)

 

この美術展は、確実に行く価値アリです!

星星星

文句ナシの3つ星。

同じ上野の地でのルーブル美術館展は、相変わらず50分待ちと混雑していましたが、

そっちに行くくらいなら、1分も待たずに入れる、こちらの方が絶対にオススメです!

 

日本の美術館は小さくとも、それらの力が集まると、

巨大なルーブル美術館にも負けないものになっていました。

このことに、日本人として、素直に感動しました。

これは、あれです。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-スイミー
 

 

スイミーみたいなものです(笑)。

今回の美術展は、本当に作品のバランスと質がよく、

僕が今まで観た美術展の中でも、確実に3本の指に入るほどの良い美術展。

いつものように、ベスト3を発表したいのですが、なかなか絞れません…

許されることなら、全4回くらいにわけて、このレビューを書きたいほどです(笑)。

まぁ、それはさすがに読み飽きてしまうでしょう。。。

なので、無理無理、ベスト3に収めました。

それでは、まず3位から。

 

 

第3位  えっ、これが東郷青児?!

 

東郷青児と言えば、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-望郷

  

  

このような作風で知られる画家。

しかし。

今回、鹿児島市立美術館が出展していた 《彼女のすべて》 という作品は、

全っ然、東郷青児っぽくありませんでした!

今でも、信じられないくらいです(笑)

それが、こちらの作品↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-彼女のすべて
  

  

こんな絵も描いていたんですねぇ。

作風は違いますが、この絵も好きです♪

ビックリマンシールみたいで (笑)。

しかも、キラの。

 

“ただ、これに似ている絵をどこかで観たような…”

しばらく悩んだ末に、ようやく思い出しました!

以前、 “美術展へ行こう!” シリーズで紹介したマレーヴィチの作品に似ているのです。

   

刈り入れ人

 

  

…てか、そっくりだ(笑)。

(マレーヴィチをもっと詳しく知りたい方は、 【Perfume】 をキーワードにしたこちらの記事を→

  

 

第2位  あの人気漫画のルーツ発見?!

 

今回の目玉作品の一つが、

エゴン・シーレ作 《カール・グリュンヴァルトの肖像》

 
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-カール グリュンヴァルトの肖像

 

  

シーレは、オーストリアを代表する画家。

28歳という若さで夭折したということもあり、

彼の作品は、日本では、ほとんど観られません。

これは、豊田市美術館にある、その希少な一枚。

 

僕は、画集などで、彼のこの独特なタッチを見るたびに、

  
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ジョジョの奇妙な冒険

  

  

なんとなく、この漫画を連想していましたが、

今回、初めて生で観て、その直感が正しかったことを知りました(笑)

シーレは、ジョジョっぽいです。

 

まずポージングが、いわゆる “ジョジョ立ち” のような、

どこか不自然ながら、カッコよく見えるポース。

加えて、画像では伝わりませんが、

描かれてるカールの周りに、オーラのようなものが。

思わず、

  

“あ、スタンドだ!”

  

と心の中で叫んでしまいました。

(お詫び:ジョジョネタがわからない人には、よくわからない紹介文になってしまったことをお詫びします)

 

 

第1位  憧れのアメリカンスタイルな絵画

 

第1位くらいは、直球で “イイ♪” と思った作品を。

ホックニーの 《スプリンクラー》 です。

   
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-スプリンクラー
  

  

こちらは、東京都現代美術館の所蔵作品。

“何だ、意外に近場のじゃん…” という感じは否めませんが。

 

いかにもアメリカの休日って感じで、イイです。

ハリウッド映画は、たくさん観ましたので、

こういう何気ないアメリカの日常の一コマに憧れます。

 

しかも、その画題だけでなく、作品としても面白い。

あまり写実的に描く気がないのでしょうか、

一見すると、シンプルなデザイン画のようです。

 

が、よく観ると。よくよく観ると。

スプリンクラーのホースに穴が開いていて、そこから水が漏れていたり、

家の描き方は雑(?)なのに、窓の映り込みは丁寧に描いていたり…

と、要所要所で、ディテールが細かい。

 

シンプルだけど、ずっと観ていたくなる、そんな不思議な絵でした。

他にも、紹介したい作品は、たくさんあったんですけどね。

 

ポンポンの 《しろくま》 とか、藤田嗣治の 《アントワープ港の眺め》 とか、

高島野十郎の 《蝋燭》 とか、海老原喜之助の 《曲馬》 とか…

  

すいません。いい加減にしておきます<m(__)m>

この続きは、是非、美術館で、皆様自身の目でお楽しみ下さい♪ 

 

 

 

あ、いつもいつも、ご協力ありがとうございます<m(__)m>
 

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