オスライオンに変形する女性型TFその２！
キスぷれよりアンジェラのレビューです。
◆トランスフォーマー キスぷれ スパークボット3ヶ入り
…から 式神 アンジェラ
ラジオドラマと玩具をメインに展開された『キスぷれ』はTFに萌えを取り込んだ斬新な企画で、かわいい萌えキャラちゃんが多数登場する異色のシリーズ。もちろん日本独自シリーズです。
萌え分やお色気要素はすべて人間の女の子たちが担っているので、女性型TFはあまり登場しないのですが、そんな中でも2体の女性型TFが限定品としてリリースされました。そのうち１体がカセットボットのロザンナ。もう1体がこのスパークボットのアンジェラです。
アンジェラ・残月・スターダストの3体+CDのセットで、2003年の東京トイフェスティバルにて限定販売された模様。
緑がスターダスト、白が残月、そして真ん中のピンクがアンジェラです。
玩具としては、トランスフォーマーとして開発された金型ではなく、もとはミクロマンの『流星ロボ』シリーズから流用したものとのこと。G1カセットロンやカセットボットと同じですね。流星ロボがTFに流用されるのは初めてではなく、ビーストウォーズ時代にチェーンをつけて『エッグビースト』の名前で発売されたとか。TF以外のロボアニメにも流用され発売されたこともあるそうです。
流星ロボにはチェーンが無かったそうなので、正確に言うとスパークボットはエッグビーストのリカラー品ということになります。
スパークボット3体に加えてCDもついてきます。取り扱い説明書がちょうどCDのブックレットサイズなのでぴっちり収納できるのがちょっと嬉しい。
CDにはまず初代アニメの主題歌のキスぷれバージョン（の、3人それぞれのソロバージョン）というなかなか貴重な歌が収録。このキスぷれバージョンのアレンジは自分なんだかんだけっこう好きです。それとラジオドラマの一部分、そして声優3人のトークなどが収録されております。自分、キスぷれに関してはそこまで良い印象を持ってなかったのですが、ラジオドラマなどで世界観にちゃんと触れてみると、ああ、これは面白そうだなと認識を改めました。見た目の印象と実際の面白さが必ずしも一致しないのは玩具だけの話じゃないってことですね。
それとカードも1枚付属！
まずはビーストモード（でいいのか？）！ クリアピンクのライオンです。かわいい！
かわいいんですけどめっちゃタテガミ生えてるんであからさまにオスライオンですｗｗｗ そこだけ見るとどう考えても女性型TFではないんですが、アンジェラという名前やクリアピンクのボディカラーなどを考えるとおそらく女性型ではないかと思います。TFwikiにも女性として記載されていたのでもう女性でいいかなと。タテガミあるのに女性として見れる要因のひとつにアニモーフのレイチェルという先駆者の存在もありますｗ
後ろから。プリンと丸まった尻とそこから生える情けない尻尾がキュートすぎ！
ちなみにとある理由から後ろ足の変形を行っていないのでつま先立ち状態になってます。その理由は後述。
横から。この腰のくびれと尻の丸み！ もともと女性型として開発されたわけではないのにもかかわらずあまりにもムチムチバインバインなボディ！ 野性のライオンが持つ筋肉のエロさではなく人間的な肉感のエロさをそのままライオンの形にしたようなフォルム。すばらしいですね。色のおかげもあり流星ロボのメタルレオに隠れていた色気が一気に放出された感じ。
顔アップ。クリアなので見づらいですが、精悍なライオンの顔してます。ライオンというにはマズルが長いんですが迫力はあります。
そして下顎のしゃくれっぷり！ すべてを受け止めてくれる包容力を感じますね。
タテガミにはオリジナルエンブレムが。これはキスぷれの登場人物メリッサの声を担当した声優であり同ラジオのパーソナリティの1人でもある『りりあん』がデザインしたもの。
もともとこのスパークボット3体が、キスぷれラジオのパーソナリティの声優3人がそれぞれ流星ロボの色や名前を決めてエンブレムをデザインしたものを発売する、という企画だったとのことです。カセットロン3体セットと一緒ですね。
サイバトロンやデストロン、マイクロンなどのエンブレムは無いのですが、プライマスの使いとしてメリッサのもとにやってきたという設定があり、サイバトロン陣営のTFと見て問題ないと思います。実はアレなんですけど……
全身がクリアピンクのアンジェラですが、一部がダイキャスト製となっております。鈍く光る前足がイカス！
後ろ足もダイキャスト。深めに彫られたモールドが存在感あっていい感じ。
ちなみにこのアンジェラ、生産時に工場でミスがあったようで、ほとんどの個体に『後ろ足の軸がナナメに打たれている』という欠陥があるようです。
この個体は右後ろ足（画像は左）がすでにその影響で大きくヒビ割れてしまっています。未開封品でしたがすでにこの状態でした。
該当箇所アップ。
もともとクリアパーツで頼りないところにこの組み立てミス！
後ろ足を変形させる際にはこの軸をジャコッと伸縮させなければならず、それやった瞬間にバララッと砕けてしまいそうです。男らしいビーフではなく心配性のチキンで申し訳ありませんが、そういう理由で後ろ足は変形させていません。
まあ壊れてしまったら接着剤で直したりエッグレオとかからパーツ移植したりすればいいかなとも思ってるんですがなかなか勇気が出ないですねｗ
さて、足に加え、尻尾もダイキャストです。あとキーチェーン部分もｗ
尻尾はかなり細く小さい造形ながら先端が膨らんでいて、ああライオンの尻尾だなとちゃんと思わせてくるあたりがいい仕事してますね。
それにしてもムッチリしたセクシーバディです。ジェシカ・ラビットのような、カートゥーンに出てくるセクシーデフォルメキャラの趣。シンプルかつ肉感的！
肉感的な体型のTFというと2015年のレジェンズアーシーが思い浮かびますが、その31年前の時点でもうタカラはここまでムチムチの玩具を作っていたんですね。脱帽通り越して髪の毛むしりとってタカラ本社の方向にハゲ頭を下げたい気分です。ブラボー！
尻アップ。
尻尾が接続されている尻ブロックそのものは平坦な断面なんですが、左右の後ろ脚の丸みがナイスすぎて、広がった尻に見えてくるのがすばらしい構造。
可動の話。
まずは頭……というか顔ですが、一応下顎の開閉が可能。ただしスプリング＆重力でデフォ位置に戻るようになっているのでポーズづけには向いてません。TEDストロングアームの肩スイングのような感じ。
ゆるやかに何かを甘噛みくらいならできます。
アンジェラちゃんに水を飲ませるツアーは1回1000円で受け付けているぞ！
首は上下左右に振ることはできませんが、前後を軸にしてロールさせることができます。
首をかしげてこちらを見つめるあざといアンジェラ！
首をかしげた姿はかわいいんですが、見方によってはガンつけてるようにも見えてきます。
あ？何見てンだオメー。お？コラ。あ？コラ。
両腕は、前後には動きませんが肩のあたりから左右に広げる動きが可能！
手首というか前足首？は左右にスイングできます。
ウミガメと出会ってちょっとコワイ……みたいな動きも可能！
両手を内側に寄せるとさらに怖がってるような雰囲気になってかわいいですねｗ
手首は伸ばすことも可能ですｗ
歩いているようなポーズ……は難しいかもｗ
身をかがめて臨戦態勢！
腕だけでもけっこう動くので、可動を重視していない昔の変形玩具の中でもポージングの幅は広いほうです。
胴体というか腰は2重関節により折りたたむ、つまり背中を丸める動きができます。ネコ科っぽいくてイイ！ 文字どおりの猫背。
曲げすぎると球体に戻っちゃう感じはありますが、背骨がガクンと折れるのではなくクルンと曲がったような見た目なのでなかなか面白い可動。
後ろ脚は前脚のようには動きませんが、断面の頂点を軸にしてのスイングというか、股関節を前に持ってくるような動きが可能。完全に変形用の動きですがちょっとした表情づけにはなるかも。
尻尾は上下にピコピコ動かせます！ かわいい！
ちなみに下へ動かしきると収納状態になりますが、ということは腰ブロックに尻尾を収納する溝があるということで、それはつまり股間にスリットがあるということになりますね。
男の子は玩具のこういった細かい造形やデザインに触れて夢を育てるものなので、大変よろしい要素に思います。
尻尾が股間に入ることで、実際のネコがやるような怯えきったポーズもバッチリ！
やだ～ドリルマン…じゃなかったマンドリルこわ～い！
背中から出ているキーチェーンは少々邪魔に感じますが、そこを持たせることで家族の一員的な遊び方もできますね。
ライドオンもできるぞ！
今まで最も長い時間遊んだTF玩具ってひょっとしたらこのシモンズ捜査官かもしれない……
大きさ。前後に幅があるので、EZコレクションよりもややボリューム多めくらいの感触です。
さて変形。
冒頭でお見せしましたがアンジェラは球体に変形します。『流星ロボ』では流星、『エッグビースト』ではタマゴでしたが、このスパークボットはトランスフォーマーのスパーク（魂）ということになってます。実態のないものに変形するとかかっこよくね？ 玩具的にはただの球体なんですけど。
なにはともあれアンジェラ、トランスフォーム！
意外と多くの手順を踏んで完全な球体に変形！
計算されたパズルのような、寄り木細工のようなこの感覚。タテガミはそのままですが、胴体・尻・前脚・後ろ脚が見事に折りたたまれてツルツルの半球を形成、タテガミと合わさりツライチの球体に。
球体変形玩具といえばユニクロンやセガトイズの爆丸など色々ありますが、その中でもかなり無駄のない綺麗な変形をします。ガワが一切出ないのもすごい！
アンジェラ、スパークモード！ 球体になりました。
たぶんこっちが前だと思いますが、ダイキャスト部分が重いせいで起き上がりこぼしのように上を向いてしまいがちｗ
後ろから。キーチェーンが尻尾みたいに見えてちょっとかわいいですねｗ
横から。
ビーストモードでもそうでしたが、前半分（タテガミ部分）は内部にパーツが詰まっていないので、光を通して相当キレイに光ります。クリアパーツを持つTFは多いですがその中でもかなりの美しさ。タテガミの終わり部分（断面部分）には平面のパーツでフタもされているので、中でいい感じに光が反射するのでしょうか、立体的な輝きがあります。ピンクのかわいい色もあいまってすごくキレイ！ ゲッテンカのSRプリンセス江や愛染明王もそうでしたがピンクのキラキラに弱いですね自分。
暗所で光を当ててみるとこんな感じ。
明るいトコで光らせたほうがキレイですが、暗闇に浮かび上がる妖しいピンクのトランスフォーマーとして見るとこれは相当エキサイティングです。被害者になりて～っ！
爆丸と比較するとちょっと大きめ。直径4cm強といったところ。
うちのユニクロンはバグ欠品だったので代わりに乗せておくこともできますｗ
キーチェーンを使えば誰かに持たせることも可能。
エンブレムが下を向いてしまうのが惜しいですが、鉄球に見立てて遊ぶのもいいかも。
どこかに引っ掛けて飾っておくこともできますね。
姿勢を低くして威嚇するアンジェラ！
しかしアンジェラちゃんの威嚇姿ﾏｼﾞﾔﾍﾞｰｯ!と興奮するだけの男！
威嚇が通用しないなら……と尻を向けるアンジェラ！
色気のある女性を描くには曲線が必須、という手塚治虫大先生の言葉どおり、曲面で構成された尻が強烈なフェロモンを放つ！
フェロモンに負けてフラフラと寄ってくる男！
そのスキに球体へと変形するアンジェラ！
サムスよろしく高速で転がり移動して男を翻弄！
そして背後からの……アタック！
というふうにスパークモードを高速移動モードと捉えて遊ぶのも楽しいですね。そういえばインクレディブルの敵ロボもこんな感じでしたね。
もしくは、
善良な市民「いや～やっと収穫の時期ですねぇ」
バトルダメージアーシー「来る日も来る日も農作業を続けた甲斐があったわね」
善良な市民「さていよいよ収穫……あっ！？」
アーシー「！？」
善良な市民「デストロンの奴らが勝手に収穫を！！」
アーシー「そんな……今までひたすらがんばって育ててきたのに……」
善良な市民「アーシーさン！！」
善良な市民「アーシーさ―――ン！！」
スー……
善良な市民「ああっ……アーシーさンのスパークが天に昇ってゆく……！」
というような泣けるシーンも再現可能ですね。
ちなみに名前の『Angela』は女性名としてよく使われるものですが、もともとはイタリア語で『天使』の意。りりあんはそれに合わせてエンブレムに羽をつけたそうです。
プライマスの使いを名乗って登場するキャラクターなので、天の使いというのは実にハマった名前かもしれません。りりあんはそこまで考えた上で命名したんでしょうか？タダモンじゃないですね。
玩具としては、球体変形玩具の中でも随一の無駄のなさがまず魅力！ 球体変形玩具は、球体外装の内側に腕や脚が造形されておりそれが開いて現れるような構造のものが多々ありますが、アンジェラはそういったガワ要素がほとんどありません。球体を構成していない部分は顔と尻尾くらいで、あとは球が球として分割されビーストの身体を作っていくのでまさに変形といった感じ。
その結果、ビーストモードの輪郭が曲線と直線のみの単純なものになってしまってはいるんですが、その曲線と直線のメリハリがうまい具合にカートゥーン的なお色気ボディとなっており、『球体から女性型ロボへの変形』としてこれほど理に適った機構は他に無いのではないでしょうか。ブラックアラクニアのクモの牙に次ぐ、いやそれに勝るかもしれない芸術的な変形だと思います。
人型のロボットモードが存在しないという稀有な女性TFですが、ビーストモードの腰のくびれや尻や脚の丸みなんかはもうビーストというより人間のそれに近いテイストがあるので問題ないかと思われます。実はこれを手にする前は「人型にならないし女性型として見るのはちょっと無理が……」と思ってたんですが、実際買って手にしてみたら良い方向に裏切られました。これは良いものです。
欠点は、なんといっても後ろ脚の組み立てミス。いわゆる組み間違いなら大して気にしませんが、破損に繋がる致命的なミスなので、これはさすがに残念なところ。変形玩具なのに変形ができないというのはまさに致命的です。後ろ脚の足首という末端部分の変形箇所なので、そこだけ変形させなければなんとか形は保てるのが不幸中の幸い。発売されたすべてのスパークボットをチェックしたわけではないので断定はしませんが、どうもほぼすべての個体にこのミスがあるようなので、これから買おうとしている人は留意しておいたほうが良さそうです。そもそも全身クリアパーツであり素の耐久力もそこまで高くないと思われるので、扱いには気をつけたほうがいいかもしれません。
リカラー品は、元となったエッグビーストの『エッグレオ』と『ダークエッグレオ』、さらにキーチェーン無しの元商品でミクロマン流星ロボの『メタルレオ』、そんでもって魔神英雄伝ワタルの邪鬼玉『邪獅子（ジャレオン）』がある模様です。ワタルにまで流用されてたとは驚き。商品化はしませんでしたがTFザ・ムービーに合わせてユニクロンの衛星として売り出す企画もあったそうです。設定的に考えるとこのアンジェラたちスパークボットはそのユニクロンの衛星案の復活といえなくもないかも。
ではまた！
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