罪に濡れた夜を…  ~ 4話 ~  【濡蓮】 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。


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降りしきる雨の中・・・やっと…彼をみつけた。

傘もささずに・・・濡れて…

闇の中に佇むその姿に胸が締め付けられた。

彼の為に何かしたかった…。


セツカの言葉で彼に近づく…。

今の私は…キョーコじゃない…。

ここにいるのは…カイン。

「兄さんったら・・・傘もささずに・・・」

…彼の表情に続きの言葉は言えなかった。

縋るような目で…私を見つめる彼に身体が…勝手に動いた。

彼の頬を伝う雫は温かった。

敦賀さんが…泣いている?

今の彼は…カイン兄さんじゃない…。

ここにいるのは…私の知らない…男。

敦賀さんであって敦賀さんじゃない…

だけど、その瞳から目を逸らすことはできなかった。

彼が消えてしまいそうで…

今…手を離したら…どこか遠くへ行ってしまいそうな…

敦賀さんがいなくなってしまうようなそんな気がして

気がつけば…彼を抱きしめていた。

彼を苦しめている何かから守りたくて…

冷たい雨の中…そのまま動けずにいた。



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「クシュンッ…」

私のくしゃみに彼がそっと立ち上がりコートで覆う。

コートの中の私…彼の熱が伝わってくる…。

春の夜の冷たい雨に濡れたままじゃ…二人とも風邪を引いてしまう。

私は…セツカの言葉で彼に告げる。

「兄さんっ…明日も撮影があるんでしょ?

このままじゃ二人とも風邪を引いちゃうわっ。」

私を抱きしめたまま…返事がない。

「兄さんっ…」

二度目の私の言葉に…彼がカインに戻る…。

「…そうだな…

お前に風邪を引かせるわけにはいかない…。

…ホテルに戻ろう。」

コートを私に被せた彼が…私の肩を抱き寄せて歩いていく。

そんな彼の仕草に…私の頬は熱を帯びていく。

部屋に着くと…頬を染めた私に…彼が気付いた。

「セツカ…ひょっとして熱…?」

そう云った彼の顔が私に近づいてくる。

おでこで熱を確認しようとする彼のその仕草に…ぼんっと全身が赤く染まった。

「わっ…私は大丈夫だから。に、兄さん、先にシャワーを浴びてきて?」

「セツ…俺が先に浴びるわけないだろう?

セツが…」

「兄さんがっ…」

二人の押し問答が始まるかと思ったその時…

「それじゃあ…一緒に浴びよう。」

そう言って…彼が私の手を引いてバスルームへと連れていく。


…って…ええ~~~っっ!!


ちょっと待って!!確かにセツなら…一緒に入るかもしれないけど

…けど…だけどっ…嘘でしょうっ??


→ 5話へ続く