- リガの犬たち (創元推理文庫)/ヘニング マンケル
(2003 柳沢 由美子 訳) - ¥1,071
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スウェーデンの片田舎、イースタ署に勤務する警部クルト・ヴァランダーが活躍するシリーズの2作目。
この片田舎の町で前年起きた老夫婦惨殺事件。 (『殺人者の顔』 )
そして抜きんでて優秀な刑事で友人でもあったリードベリの病死。
その喪失感から抜けやらぬヴァランダーだが、またこの田舎町を騒がせる不可解な事件が起こる。
海岸に流れ着いたゴムボート。その中にはスーツ姿の二人の青年の射殺死体が…。
勤務時間を私用に使ったなんて些細なことで罪悪感を持ち、功名心はなく、
老いた気難しい父親と都会で暮らす娘とよい関係を保ちたいと願いながらもそれに苦心する、ちょっと肥満体のオッサン刑事。
別れた妻は音沙汰なし、前作でナニしようとした検察官とはちょっと気まずい感じ、
悩みとストレスの多い人生を送っている彼なんですが、
この事件のせいで国際的な陰謀に巻き込まれてとんでもない状況に追い込まれつつ、
そんな中でまたまた叶わぬ恋をしちゃったりもする…。
持前の頑固さと粘り強さと正義感はもちろんですが、今回の事件解決の動機は惚れた女を助けたい、
その一心だったりします…
相変わらずカッコよくはない…だけど、自分の信じた正義をきっちりやり遂げる男なんですね。
かつてソ連の勢力下だった小国の独立後の激動の情勢に触れるのも魅力。
最後の最後まで真相は謎のまま引っ張ってくれますよ。
ただ次作もきっと彼女への未練たらたらで始まる予感が…。
でも読んでしまう気がします(笑)