遅れてやってきた夏休みの旅二日目は、
熊野那智大社と今回のお目当て古道巡りです。
熊野那智大社は熊野三山のひとつ。
(あとふたつは熊野本宮大社、熊野速玉神社)
熊野三山、高野山、吉野・大峯の神仏双方の三霊場と、
熊野古道を含むそれら令嬢への参詣道、そして
その文化的景観が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」です。
参詣道が世界遺産となっているのはこことキリスト教巡礼の
サンティアゴ・デ・コンポステーラのふたつ。
そちらを紹介した本『星の旅人/スペイン「奥の細道」』、
俳人黛まどかの体験記を読んだことがあります。
◆
熊野古道巡りは本格的に何泊かして歩くものから
散歩程度のものまでさまざまな選択肢があります。
私たちが選んだのは散歩の延長線上で楽しめるコース。
大門坂を那智大社まで昇り、那智大滝までのコースです。
語り部さんに3時間以上かけて案内してもらいました。
◆
太い杉木立に囲まれた6町(650メートル)の長さの石段を、
語り部さんのオリジナル・ファイルを使った説明を聴きながら、
ゆったりしたペースで昇ります。
ときおり立ち止まり、足許から遠くへ目を向けると、
周囲も急な傾きに鬱蒼と樹木の繁る山々。
そこにたなびく低い雲。
平安時代、何人もの上皇・法皇が、何百人もの人を連れて、
徒歩で京都から半月かけてこの地を訪れたのだとか。
長い道のりを経てようやく那智大社を目の前にして、
安堵感と期待を胸にこの石段を昇ったのでしょうね。
◆
あらかじめ許可を得て、
やんごとなきお方も泊まった(?)宿坊のひと気のない庭で、
東屋(あづまや)から那智の滝を臨みました。
水が落ちる轟(とどろき)もここまで届きます。
- 上皇や法皇も、こうして滝を見はったかもしれませんなぁ。
語り部さんのおっとりした口調が、
妻のサマンサと私をもうひとつの時間の旅に誘ってくれました。
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(ペタお返しできません。あしからず。)
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