気まぐれ本棚~がんばらない横浜暮らし

ベスト・セラーじゃなくたって・・・・
表紙の手ざわりていどの本の紹介とか、暮らしのかけらとか。

「いいね」や「ペタ」はお返しできないことが多いのですが、
ご容赦ください。
相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。



テーマ:



旅の仕方は人それぞれ。
目的、日数、予算、言葉、目的地の好み、一人/団体、宿泊施設の好み、予定の決め方 etc.
旅のエッセイの内容、風合いも書き手=旅人それぞれとなります。

作家角田光代にとって旅は「純粋趣味」
旅を書いたら純度が落ちたのでは?

そんな心配は無用です。
書くための旅行なら純度は低下します。
でもプライベートで旅をし、後にそれをエッセイに書くのであれば
旅の純度は保てます。

旅はライブ。
回想は旅そのものではありませんから。


   ◆      ◆      ◆

 

 

いつも旅のなか (角川文庫) いつも旅のなか / 角田光代 (角川文庫)
2005年刊、2008年文庫化
 

 

角田光代の20代から30代に体験した24篇の旅のエッセイです。

  移動先の宿でガイドブックを広げ、次にどこにいこうか決める。
  そんな旅だった。


リュックを背負った1ヶ月にわたるモロッコの一人旅です。
いつも彼女の旅はこの調子のようです。
なかなか勇気の要る旅のスタイルです。

マレーシア島では土地の若者と、
オーストライラの島でもそこに住む夫婦と、

言葉が不自由なのに現地の人と親しくなり、
土地の人のリズムで旅を楽しんでいます。

  リゾート要素はそろったものの、
  私自身があまりリゾート向きでないのかもしれない。


リゾートの豪華な旅を企てますが、こんな結論に落ち着きます


   ◆      ◆      ◆

それでも彼女にもこんなことを考える日がやってきます。

  旅ってつまんないのかも、とか、旅するのに飽きちゃった、
  と思うとき、それは旅の仕方と年齢が嚙み合っていないのだ。


旅って何だろう?
私とはまったく異なる旅のスタイルの持ち主の文章を読んで、
何度も立ちどまりました。


   ◆      ◆      ◆

旅のエッセイですから、お国柄の違いからくる
面白エピソードには事欠きません。
そんなものは誰の旅のエッセイにもあふれています。

台湾でのワンタンの店でのちょっとした騒動、
キューバでのガイドの一家のもてなしを体験して、
著者はその人間性からこの国は大丈夫と確信しています。

早合点とそしる向きもあるでしょうが、
こんな直感が正確にその国の社会を感じとっている気がします。



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私は気が利きません。
きちんと人に気を遣うと疲れるというか、苦手です。

当然のことながら、
仕事では好むと好まざるとにかかわらず、
多くの社内外の人と接します。

友人と会うのは気晴らしであるとともに、
疲れるというほどではないにしろ気遣いはあります。

夫婦や親子の間だって、
自然な形で互いに気遣いが交わされます。


   ◆      ◆      ◆

たまに家で一人になると誰に気兼ねすることなく、
自由にふるまうことができます。

といっても、隣近所のことを考えれば
大音量で音楽を聴くことはできません。
やはり気遣いが忍びよります。

野中で一人で暮らしでもするか、よほど時と場所を選ばないと、
なかなか気遣いのない時間を自分のものにできそうにありません。
もっとも、時と場所を選ぶ時点で気遣いがはたらきますけれどね。


   ◆      ◆      ◆

2、3日前、ふとこんな疑問がうかびました。

私は小説やエッセイが好きなんだろうか?

ほぼ毎日本のページをめくります。
そのほとんどが小説とエッセイです。

なのにこんな疑問を持ったのは・・・・・・

本好きの方々のブログを読んでいると、
文学論的や分析を書いたものもあれば、
さらりと感想を書いたものもあります。
中にはあるテーマを世に訴える検証材料のして紹介するものも。

どんなスタイルのものであれ、ブログを書いている人が
その本の分野に強い興味、愛着、楽しみを持っているようです。

そしてそれは、私が小説やエッセイに対して持っている思いと
根っこのところで何かがちがうんじゃないかと感じたのです。


   ◆      ◆      ◆

私は電車で、居間で、コーヒー店でと様々な場所で本を読みます。
周りに人がいる場所です。音や人の気配は気になりません。

活字を追い、登場人物の気持ちを考えたり、
舞台となる場所や時代に想像を巡らせたり、
読み手の私は好き勝手に思いや考えを巡らせます。

私が登場人物にどのような思いを抱こうと、何を言おうと
彼らの目には私の存在は映っていません。
彼らに対して何の気遣いも要りません。 とても自由に接しています。

読んでいる場所で周りに人がいても、
彼らからは隔たっていて自由です。
本の登場人物や時代にたちにどのように絡んでも、
本の中の世界は何の反応も変えません。

小説やエッセイを読んでいる間、
誰に気遣いすることもなく、自由です。

小説やエッセイそのものより、この自由の実感が好きなのです。



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胃ブクロをつかまれて半ば囚われの人生となった経験からは、
「料理は企て」との思いが強いのですが、それはさておき、

「料理は真心」とよく耳にします。

料理をおいしく作るには食べる人のことを思い愛情を込める、
という意味でわかった気になります。

でも、ケチャップでハートを描いても味の保証にはなりません。
真心や愛情をどのような行動にしたらいいのでしょう。


   ◆      ◆      ◆

「天皇の料理番」は40年ほど前の小説。
何度かテレビ化され、2年前には佐藤健が熱演していましたね。

モデルは大正から昭和に宮内庁の料理長を務めた秋山徳蔵です。
彼が一般の人向けに料理のコツを書いたのがこの本です。

陛下と庶民。
食事にどんな相違と共通点があるんでしょう。

料理のコツ (中公文庫) 料理のコツ / 秋山徳蔵 (中公文庫)
1959年刊、2015年文庫化
 


著者は早々と最も大切なコツを教えてくれます。「真心」です。
でもそれで終わらせません。

  材料の選択から始まって、最後の盛りつけにいたるまで(略)
  一挙手一投足もおろそかにすることのない心構え


「真心」は「注意」だと言い切ります。

なるほどと感心していたら、それどころではなく、
「盛りつけ」どころか後片付けまで細心の注意が払われています。


   ◆      ◆      ◆

さらに「料理のコツ五則」「材料の選び方と調理のコツ」と進み、
野菜、乾物、肉、魚、調味料、ご飯の炊き方など、
しらす干しや煮干しといった具体的具材を例に説明が続きます。

「料理のコツ五則」では「材料の選択」「自然に従う」
「間を大切にする」「道具をととのえる」
「火加減・味加減・盛りの三加減」と挙げられています。

料理で「自然に従う」「間」ってなんだろうと興味はつきません。


   ◆      ◆      ◆

ただ一つ、この本に困ったことがあります。

レシピではないので、具体的な料理の紹介はほとんどありません。
なのに、れんこんを煮る手順を読むと、
サクッとした歯応えとさっぱりとした醤油味が浮かび、
お腹が空いてきます。

なんてこの本を思い出すだけお腹が空いてきました。
朝ごはんの支度を始めましょう。



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孫のケヤキの七五三でした。
次女モモ、夫のヒノキ君、ヒノキ君のご両親、妻のサマンサと私。
地元の神社に全員集合です。

羽織、袴、雪駄(せった)姿は窮屈で動きづらいようで
ケヤキはいつもの元気が今一つありません。

「ケヤキ、カッコいいねー」
「ヘアスタイル、きまってるねー」

じじ&ばば×2がかわるがわる
猫なで声で盛り上げようとしても効果はありません。
まぁ、ケヤキは猫じゃありませんからね。

「ケヤキ、元気のでるお薬をあげる」

サマンサが渡したラムネを1粒食べると、
ケヤキの表情が柔らかくなりました。
じじ&ばば×2の効果はラムネひと粒未満でした。


   ◆      ◆      ◆

神主さんに名前を呼ばれ、ケヤキは神様の前に進み一礼。
神主さんが祝詞(のりと)をあげている間は神妙にしていました。
ぐずってはいけない場所やタイミングは心得ているようです。

神事をひと通り終えると、幼いなりにしていた緊張がとけて
ケヤキに笑顔が戻りました。
着替えの後の昼ごはんを楽しみにしているふしもありますが。


   ◆      ◆      ◆

ケヤキの七五三、本人より両親、じじ&ばばたちの方が
楽しんでいました。

つつがない暮らし。上々です。



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アウトローも単に自分の境遇を恨んですねると幼さが目立つだけ。
そのままでは単なるはみだし者で終わってしまいます。
これが筋金入りで不条理に挑むとカッコイイもんです。

主人公のエディは10代の裕福な家庭のお坊ちゃま。
大好きな音楽に浸って暮らしていると聞くと、
いけ好かない匂いがします。

ところがこのお坊ちゃま、
自分の国がしていることはここがおかしいと
徹底的に背を向けて、命をかけて背を向けて生きています。

なにしろ時代が時代、国が国です。
1939~45年、第二次世界大戦下のヒトラー統べるドイツです。


   ◆      ◆      ◆

1930年代から1940代半ばに流行ったスウィング・ジャズ。
タイトル「スウィングしなけりゃ意味がない」は
デューク・エリントンの1932年の作品です。

15歳のエディはジャズで楽しむために生きていました。

 

 


エディの父親はナチ党員で軍需工場経営者。
でも本当はイギリス、アメリカでの暮らしを懐かしんでいます。
エディがジャズにのめり込むのもおおめにみています。

ナチスはユーゲントという組織を編成し、
少年少女に愛国心の名のもとに体制に従うよう教化していました。

それにひきかえエディの仲間は、
アメリカ風の愛称で呼び合い、
隠れてカフェで敵性音楽のジャズをバックに踊り、
時にはパーティーを企画し、演奏します。
もちろんユダヤ人でもOK。
ジャズが好きならユーゲントのスパイと知っていても仲間です。

エディは逮捕されても、懲役をくらっても、
徴兵への誘いを拒み続けます。


   ◆      ◆      ◆

正当なアーリア人とユダヤ人の区別の定義のインチキ。
そもそも人種を区別すること。
国=ナチが求める愛国心・行動の先にある戦火の下での将来。

でも、エディは反ナチの抵抗運動に身を投じません。
かといってただ遊びに耽るだけでなく、
自分の生きている時代と仕組みと本質を言葉にして評価し、
自分の考えで行動します。
そして自分の才覚でビジネスに手を染め、生き抜きます。
カッコイイです。


   ◆      ◆      ◆

エディの恋人への思い、友人を失った悲しみ、
エディの両親の死にざまの切なさ、
逮捕後の暴力的取調べや空襲のむごたらしさ・・・・

読み進みながら、胸が複雑な傷み方をしました。


   ◆      ◆      ◆

反骨のカタチにはいろいろあると、あらためて感じました。
いつの時代でも、どこの国でも、誰にでも。



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