カセットデッキ 『 Lo-D D-3500 』の修復 - Part1 | アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々
 オーディオ機器の復活シリーズ第三弾。
12月21日のCDプレーヤー1月4日のレコードプレーヤー
続いて、今回はカセットデッキ『Lo-D D-3500』の修復です。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a01
1975年11月購入。
それから35年間所有してきたけど実質的な使用期間は
1983年末までの約8年間で、主にFMエアチェックに使用。
        (今や“FMエアチェック”は死語か?)
その後は全く使用せず、2002年の引っ越しの際には
動作確認もしないまま、この段ボール箱に納めて運び、
その後は押入れやレンタル倉庫で保管。
そして3年前の引っ越しで現住所へ。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a02
約8年ぶりに段ボール箱から取り出しました。
外観は経過年数の割には綺麗だけど、内部のゴムベルト
などは相当劣化しているものと思われます。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a03
裏返しました。
底板の左奥に金網付きの丸い穴があって、その中に
冷却用のファンが見えます。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a04
底板を外しました。
右側に回路基板、左側にモーターなどのメカ部が見えます。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a05
メカ部にズームイン。
上(奥)の方にファン付きのモーターがあり、
下(手前)に大径のプーリー兼フライホイールがあります。

このモーターがテープを駆動する動力源で、録音/再生、
早送り、巻き戻しの全てをこの1台で駆動しているようです。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a06
右上方からの画像です。
右側がファン付きのモーターで、ファンの下にプーリーが
一体化して付いています。
このプーリー(モータープーリー)から左側の大径プーリー
兼フライホイールにゴムベルトが架けられていたはずですが、
完全になくなっています。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a07
切れた平ゴムベルトはメカの間に落ちていました。
先日修理したCDプレーヤーのゴムベルトのようにベタベタ、
ボロボロの状態ではなく、まるで刃物で切ったように
一カ所切れているだけで、ほぼ原形をとどめています。
サイズは、折径:約215mm、幅:約3.5mm、厚さ:約0.5mm 。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a08
このコイルバネもメカの間から出てきました。

平ベルトが切れていたのは想定の範囲内だけど、
このコイルバネは想定外で、ちょっと見渡した範囲では
どこから落ちた物かも判りません。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a09
プーリー兼フライホイールを外したら、その下に
3本の角ベルトがありました。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a10
この3本の角ベルトは切れていません。
製造から35年も経っているとは思えない程良好な状態です。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a11
取り外したプーリー兼フライホイールと、
それを支えていたプレートです。

プーリー兼フライホイールのシャフト(中心から突き出た
光沢のある金属棒)は、テープを直接駆動するキャプスタン
になっています。
このキャプスタンとゴム製のピンチローラーでテープを
挟んで、常に一定の速度(4.75cm/秒)で駆動します。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a12
3本の角ベルトを外しました。
3本とも切れていなかったけど、25年以上もの期間
プーリーに架けられたまま静止していたので、
楕円形の状態で少し硬化しているようです。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a13
例のコイルバネの取付位置が判りました。
右の赤円内のフックから左の緑円内に有ったはずのフック
の間にあのコイルバネが架かっていたと思われます。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a14
少しズームイン。
右の赤円内のフックは大きなプラスチックブロックの一部で
そのブロックはシャーシーに固定されています。
他方の緑円内に有ったはずのフックが付いていた小さなプラス
チック部品はシャーシーの細長い穴に沿って左右にスライド
する構造になっていて、その裏側には巻き戻しリールを駆動
するアイドラーが付いています。

ということは、二つのフックの間に架かっていた例のコイルバネ
は、常に巻き戻しアイドラーを巻き戻しリールに押し付ける方向
に引っ張る役目を果たしていたものと思われます。

通常はコイルバネが伸びた状態でロックされていて、操作パネル
の巻き戻しキーが押されるとロックが外れてコイルバネが縮み、
アイドラーが巻き戻しリールに押し付けらてリールが回転する
ようになっているようです。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a15
アングルを変えてみました。
緑円内の少し黒く汚れている辺りにフックが付いていたものと
思われます。
このデッキを最後に使用したときは巻き戻し動作もOKだった
ので、恐らく保管中にプラスチックが劣化し、コイルバネの
張力や輸送中の振動によってフックの根本が折れたのではないか
と推定します。
この修理はちょっと難しそうなので、とりあえず巻き戻しは
『カセットを裏返して早送り』で対応する事にします。

デッキの上面側にもゴムベルトがあるので、次はそちらを
点検します。
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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a16
キャビネットから本体を取り出しました。

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本体の上面です。
右側は回路部の上面で、VU/PEAKレベルメーター、各種スイッチ、
そして各種ボリュームレバー等が並んでいます。

左側はメカ部で、操作キー、カセットトレイ、モーターの裏面、
そしてテープカウンターなどが見えています。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a18
モーターの裏面と、テープカウンターです。
テープカウンター駆動用のゴムベルトは切れて、半分無くなって
います。

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アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々-a19
モーターとテープカウンターにズームイン。
モーターの表側(底板側)のシャフトに排気ファンが付いていて
暖気をキャビネットの外へ吐き出すので、ここには周囲から
空気が吸い寄せられます。
そのためか、ずいぶん埃がたまっています。

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この続きは“Part2” へ・・・

《参考リンク》
オーディオの足跡>Lo-D/HITACHI>プレーヤー>カセットデッキ>D-3500
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