「和銅五年正月廿八日 正五位上勲五等太朝臣安萬呂」
※呂は人偏のついた呂
これは、上表文の署名です。上表文とは、天子に上奏する文のことです。
和銅五年正月廿八日は、712年1月28日のこと。1304年前の今日、いや実際には新暦の今日ではないのだけれども、1304年前「古事記」が元明天皇へ献上された日付です。つまりこれは、「古事記」献上の上表文の署名なのです。
古事記編纂を発案したのは天武天皇です。一度読んだものは決して忘れないという当時28歳の聡明な稗田阿礼(ひえだのあれ)に、「帝記」「本辞」を誦習させたのです。帝記と本辞は、古事記の原資料と考えられている文献ですが現存していません。帝記は天皇の系譜を記したもの、本辞は神話的物語を含んだものとする説が有力だそうです。
天武天皇の崩御による中断を経て、元明天皇の時代に再開され、太安萬呂が完成したのが「古事記」です。
今年は、古事記編纂1304年後となりました。
2012年の古事記編纂1300年の年前後から、古事記に注目が集まるようになり、古事記本や特集されたMOOK本等が増え今も続いているように思います。しかしまだまだ一般の認知が足らないと考えております。
古事記がなぜ重要なのかといえば、神話には民族の秘密が隠されているからです。つまりその民族の知恵が書かれているのです。だからこそ、日本人は、ギリシャ神話やローマ神話ではなく日本神話を知る必要があります。というのも日本人には日本人の知恵があるからです。それは日本という土地に生まれ育ち、生活してきた民の知恵なのです。そして神話が書かれている日本書紀よりも古事記が重要なのは、古事記が大和言葉で書かれている日本人向けの書だからです。
外国人が来てその国を知ろうとしたとき、一番先にやることはその国の神話を学びその民族を知ることです。ですから、日本に来る外国人は昔から記紀を学んでいました。戦国時代に来たフランシスコ・ザビエルも幕末のアーネスト・サトーも、また戦前の有名なスパイゾルゲもみな日本神話を研究したことで有名です。
スパイが研究する日本人の取説、日本神話を日本人が知らないなんてありえません。
ここ10年ぐらいたくさんの自己啓発本が増殖していますが、私は古事記を知ってから日本人には古事記が一番自己啓発本としてふさわしいと思うようになりました。自己啓発本は中毒になる人が多いといいます。私がそうでした。もしあなたがそうだったら、是非古事記にトライしてみて下さい。あるいは周りに自己啓発中毒の人がいたら、ぜひ古事記を読むよう薦めてみてください。
最初は古事記は読みづらいかもしれませんが、そんな方はこれを↓
まんがとあなどるなかれ、私は初心者用古事記としてこれを超えるものはない!と断言できるほどお気に入りの古事記です。ビジュアルと合体した素敵な古事記となっていて、私はこれを超えるビジュアル入門古事記は生まれないんじゃないか、と思うほどの完璧さです。神代の話がメインですが、うまく古事記全体の話を盛り込んでいるのは著者ふわこういちろうさんの技だと思います。
夏休みには古事記を読もう
入門古事記を読んだら、もっと興味が生まれるかと思います。もっと知りたくなったらこれ。古事記が物語の中の物語、劇中劇の形となって読みやすくなっています。こちらも神代がメインとなっている児童書ですが、大人も楽しめる読み応えのある本となっています。設定がとても上手いのです。
不思議なはじまりの物語
いやもっとちゃんと読みたい、でも原文は・・・という方にお勧めなのがこれ。最新の考古学ニュースも盛り込まれ、読み応えあります。単行本と文庫版がありますし、また講義版もありますので、お好きなのを選んでください。
日本人に古事記はなぜ必要か
私がお薦めの読み方は、原文である大和言葉が味わえる書き下し文の古事記を横に置いて読むこと。もちろんそのまま読める方はそのまま読んでほしいのですが、なかなか普通の人には難しいです。でも、現代語訳を片手にだったら読めるかと思います。
もっとお手軽にスマホなどで古事記に親しみたい方にはこちら(私はまだ楽しめてないんだけど・・・)
古事記アプリ
古事記が楽しめるかるたもあります。いにしえの世界へ探検古事記(ふることぶみ)
番外編:大祓詞は記紀の神々の話の短縮版といわれています。ということは古事記は祝詞?
奈良時代にはすでにいつから伝えられてきたのかわからないぐらい古い口伝といわれていた祝詞が今でも変わらぬ言葉で使われています。(※微妙に違う言葉で伝えられている大祓詞もあります)大祓詞を読むのもある意味古事記を知ることになります。そしてなぜ長い間この祝詞が言葉も変えられずに伝えられてきたのか、考えてみるのもいいかもしれません。
これを機に是非古事記に親しんでいただけたら幸いです♪
日本神話は読むな!
身近な国譲り
子供用古事記、日本神話チェック
古事記を読むコツ
古事記1300年の秘密
目からウロコの百人一首本を書いたねずさんが今古事記本を執筆中です。4月頃出版予定だそうです。是非こちらも見てみて下さい。
おまけ
お母さんが小さい子供達が寝る前に古事記を読み聞かせている動画がありました。でも竹田恒泰氏の現代語古事記なので、ちょうど読んでいる所で子供には不適切な箇所にちょっとあたふたしてうまくごまかしているのが微笑ましいです。でも難しい古事記のおかげですやすや早く眠ってくれたようです。子供向け古事記がいいのか、大人向けがいいのか・・・むしろこのぐらいならかえって書き下し分の方がいいかもしれません。お父さんお母さん、ご検討くださいね。
※呂は人偏のついた呂
これは、上表文の署名です。上表文とは、天子に上奏する文のことです。
和銅五年正月廿八日は、712年1月28日のこと。1304年前の今日、いや実際には新暦の今日ではないのだけれども、1304年前「古事記」が元明天皇へ献上された日付です。つまりこれは、「古事記」献上の上表文の署名なのです。
古事記編纂を発案したのは天武天皇です。一度読んだものは決して忘れないという当時28歳の聡明な稗田阿礼(ひえだのあれ)に、「帝記」「本辞」を誦習させたのです。帝記と本辞は、古事記の原資料と考えられている文献ですが現存していません。帝記は天皇の系譜を記したもの、本辞は神話的物語を含んだものとする説が有力だそうです。
天武天皇の崩御による中断を経て、元明天皇の時代に再開され、太安萬呂が完成したのが「古事記」です。
今年は、古事記編纂1304年後となりました。
2012年の古事記編纂1300年の年前後から、古事記に注目が集まるようになり、古事記本や特集されたMOOK本等が増え今も続いているように思います。しかしまだまだ一般の認知が足らないと考えております。
古事記がなぜ重要なのかといえば、神話には民族の秘密が隠されているからです。つまりその民族の知恵が書かれているのです。だからこそ、日本人は、ギリシャ神話やローマ神話ではなく日本神話を知る必要があります。というのも日本人には日本人の知恵があるからです。それは日本という土地に生まれ育ち、生活してきた民の知恵なのです。そして神話が書かれている日本書紀よりも古事記が重要なのは、古事記が大和言葉で書かれている日本人向けの書だからです。
外国人が来てその国を知ろうとしたとき、一番先にやることはその国の神話を学びその民族を知ることです。ですから、日本に来る外国人は昔から記紀を学んでいました。戦国時代に来たフランシスコ・ザビエルも幕末のアーネスト・サトーも、また戦前の有名なスパイゾルゲもみな日本神話を研究したことで有名です。
スパイが研究する日本人の取説、日本神話を日本人が知らないなんてありえません。
ここ10年ぐらいたくさんの自己啓発本が増殖していますが、私は古事記を知ってから日本人には古事記が一番自己啓発本としてふさわしいと思うようになりました。自己啓発本は中毒になる人が多いといいます。私がそうでした。もしあなたがそうだったら、是非古事記にトライしてみて下さい。あるいは周りに自己啓発中毒の人がいたら、ぜひ古事記を読むよう薦めてみてください。
最初は古事記は読みづらいかもしれませんが、そんな方はこれを↓
まんがとあなどるなかれ、私は初心者用古事記としてこれを超えるものはない!と断言できるほどお気に入りの古事記です。ビジュアルと合体した素敵な古事記となっていて、私はこれを超えるビジュアル入門古事記は生まれないんじゃないか、と思うほどの完璧さです。神代の話がメインですが、うまく古事記全体の話を盛り込んでいるのは著者ふわこういちろうさんの技だと思います。
夏休みには古事記を読もう
入門古事記を読んだら、もっと興味が生まれるかと思います。もっと知りたくなったらこれ。古事記が物語の中の物語、劇中劇の形となって読みやすくなっています。こちらも神代がメインとなっている児童書ですが、大人も楽しめる読み応えのある本となっています。設定がとても上手いのです。
不思議なはじまりの物語
いやもっとちゃんと読みたい、でも原文は・・・という方にお勧めなのがこれ。最新の考古学ニュースも盛り込まれ、読み応えあります。単行本と文庫版がありますし、また講義版もありますので、お好きなのを選んでください。
日本人に古事記はなぜ必要か
私がお薦めの読み方は、原文である大和言葉が味わえる書き下し文の古事記を横に置いて読むこと。もちろんそのまま読める方はそのまま読んでほしいのですが、なかなか普通の人には難しいです。でも、現代語訳を片手にだったら読めるかと思います。
もっとお手軽にスマホなどで古事記に親しみたい方にはこちら(私はまだ楽しめてないんだけど・・・)
古事記アプリ
古事記が楽しめるかるたもあります。いにしえの世界へ探検古事記(ふることぶみ)
番外編:大祓詞は記紀の神々の話の短縮版といわれています。ということは古事記は祝詞?
奈良時代にはすでにいつから伝えられてきたのかわからないぐらい古い口伝といわれていた祝詞が今でも変わらぬ言葉で使われています。(※微妙に違う言葉で伝えられている大祓詞もあります)大祓詞を読むのもある意味古事記を知ることになります。そしてなぜ長い間この祝詞が言葉も変えられずに伝えられてきたのか、考えてみるのもいいかもしれません。
これを機に是非古事記に親しんでいただけたら幸いです♪
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おまけ
お母さんが小さい子供達が寝る前に古事記を読み聞かせている動画がありました。でも竹田恒泰氏の現代語古事記なので、ちょうど読んでいる所で子供には不適切な箇所にちょっとあたふたしてうまくごまかしているのが微笑ましいです。でも難しい古事記のおかげですやすや早く眠ってくれたようです。子供向け古事記がいいのか、大人向けがいいのか・・・むしろこのぐらいならかえって書き下し分の方がいいかもしれません。お父さんお母さん、ご検討くださいね。