主人が亡くなるということ |   kitchen aki 美味しい毎日

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kitchen akiを始めて早や6年、たくさんの方に出会い、助けられここまできました。ゆっくりマイペースでやらせいただいているのに、こんなに続けられて感謝の毎日
相変わらずいろんなことに好奇心いっぱいのakkoさんですが今はなかなかできません。
 

2008.5.18(sun)晴れ

 昨夜はちょっと飲みすぎました。

久しぶりの友人との再会でおしゃべりもお酒もはずみました。


年賀状だけのやりとりがここ10年以上は続いたでしょうか

前回会ったのは彼女のご主人が亡くなられた葬儀のとき以来でしょうか

いや、そのあともう一度会ったかな・・・・


12年前にご主人を肺がんで亡くされました。中2年を頭に小5、小2の3人のお嬢さんがおられました。

これから先大変だろうなあ・・・・って周りの人たちは心配していました。

とても仲のよい家族でしたから、彼女たちの落胆ぶりは励ます言葉もかけにくいほどでした。


そのうち私は小倉を離れ、風の噂で色んなことを耳にしました。


”ご主人亡くしたのにえらく羽振りがいいみたいよ・・”

”家買ったのよ・・・すごいわね~”

”娘3人とも私立よ!すごい保険金だったのかしらね・・・・”

”彼女大学に行きなおしているんだって・・・”

”横浜のマンションも億で売れたらしいわ・・・・”


これらの話は悪口ではないけど、あまり好意的には聞こえませんでした。


私は知り合いではあったけど、彼女の私生活までは声をかけるほどの仲ではなかったので

その実情はわかりませんでした。


今回私の転居通知を見て一番に手紙をくれたのは彼女でした。

仕事をしているから土、日曜しかあいてないけど会わない?”という内容に私もすぐに返事して

昨夜の再会になったのです。


娘たちの話から話は始まり、いまの娘達の写真を見て

”みんな年頃やね~・・・きれいになってるね~”

彼女の長女と我が次女は同い年で高校生の時をしっているので、それほどの変化はありませんでしたが

一番下の娘さんが小学生でしたので、今年大学に入った写真はもう道で会っても絶対わからない

だろうなあと思うほどの変わりようです。



いろんな噂話はそれなりに本当のことらしく

”いや~横浜のマンションは億ってことないわ・・・・バブル最後の辺りで買って売ったのは

はじけたあとだもの・・・そりゃうそだわ”


”まあ娘3人は高校から私立やし。大学も私立だけど、まあそりゃ大変よ。

私の給料なんか3人の東京での家賃だけに消えるし貯金も切り崩してるわ”



でも傍目から見れば良く見えるのかしらね・・・・

時々4人で海外旅行もするし・・・


でもこんな風に暮せるのはやはり主人のおかげだわ


娘3人が大学卒業まで育英年金が会社からもらえたし、この年金は返還しなくていいのよ

ほんとありがたいし、助かったわ


娘達もそれは実感している。



そのせいもあるかもしれないけど、うちの娘は絶対大手しか勤めないし、そんな男しか選ばないって

公言してるわ・・・しっかりしてるっていうか


「パパが大きな企業に勤めていたおかげで保険金も育英資金も頂け、人脈もできて何かの助けや

アドバイスももらえる。


これが小さな会社ならこんな待遇は絶対望めないし、私らだってこんな自由に学校選んだり

留学なんかもできなかったわ


だから私は大手にしか行かない。そこで相手も見つけるわ」。って


実際彼女達の大学、就職先は知らない人がいないほどの大手です。

大学の人脈もそりゃすごいらしいわ。


我が娘ときたら、まったくこんな考え方はできません。

私はどちらかというと彼女たちの考えに近いです。

主人がそうだったように大企業に勤めあげて大きな退職金を頂き老後の心配もさほど

ありません。


長女の旦那と比較するつもりはありませんが、今はいいです。若いうちは

二人でなんとか働いて切り盛りしてます。

でも老後をみると年金もろくにもらえない、貯えもない、退職金もたいした金額はいただけない

75歳まで家のローンが続く・・・・・


私の心配はきりがありません。

まあその頃は私はいないでしょうから心配してもしようがないんですが・・・


だから結婚する相手にはそれなりの収入があって生活が安定する人を望んでいるんです。


でも長女はだめでした。

次女もそういう考えはできません。

たまたま今の相手が公務員になったけど、それはどうでもいいことらしいです。


彼女達はちょうど多感な時に大事な父親を亡くし、それからの生活は父親のおかげで

好きな暮らしができたこと、一番わかっているんでしょうね。


娘さん達が実際どんな男性を選ぶかわかりませんが、彼女達が幸せな生活をしてくれるのを

見守りたいです。


大学へ入りなおして福祉の勉強をしてソーシャルワーカーの仕事をしている彼女は

今、娘達の自立を前に、また新たな一歩を探しているそうです。


ご主人の病気をきっかけに今の仕事をやりたいと2年間大学へ行って資格をとりました。


8年勤めている今の仕事もやりがいはあるけど、これからはただ働くだけでなく、

仕事、社会に貢献できるボランティア活動、そして自分の趣味の3本柱で生きていきたいって

彼女は言います。


そのためにどんなことができるか、どんな勉強が必要か、

また大学院も行きたいし・・・


習っているチェロももっとうまくなってアンサンブルもしたいし・・・・


夢は広がる一方みたいです。

娘達がそれぞれしっかりした考えを持って自立をしていこうとしているので

私も取り残されないように頑張るわ!




どうして私のまわりにいる人たちってこうみんなすごいんだろう

学ぶことばかりで、ほんと自分が恥かしくなる。


のうのうと生きてきた自分はこれからどんな風に生きていけば彼女達に対等に話せるのかしら


日にちが変わるまで飲んで彼女はしっかりした足取りで帰って行きました。

最後までさわやかしっかりものの彼女でした。