アキさんの「~にて」シリーズ最新作を受け

続きを書かせていただきましたィー(。・ω・)ゝ

本編はこちら→Dark Angel号”にて

併せてお楽しみ下さいませ♪♫♩♬  


リディアさまが描く海軍軍曹リヒト・カラシコフと酒場の女主人

イザベラ・スワンのお話→リオーラの酒場にて も宜しくね☆




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「キ、キェーケケケケ… キ、キ、キキェー」


”Dark Angel号”の船長室。

木枠のはめられた楕円形の窓から闇夜を覗くと

空にはチェシャ猫のニヤニヤ嗤いのような細い月が見える。

今宵は新月の晩。


「キェ、ケケケケケ… キィキェキェキェキェ… 」


ディアナは眉を顰めた。

先程から聞こえてくる気味の悪い声。

「ねぇ、ブラッド。この声は何かしら?」

振り返り、海賊船のキャプテン『Bloody odd eye

(ブラッディ オッド アイ)』に尋ねる。

グラスになみなみと注がれた酒を一気にあおり

頬杖をついたブラッディは気怠げに答えた。

「さぁな・・マストにジャンブルでも巣食ったんじゃねぇか」

「ジャンブル?」

聞いた事もない名に首を傾げる。

「地獄の森で嘲り笑う伝説の鳥。

その鳴き声を3日3晩聞いた者は全身に紫の斑がつき

次の満月の夜に死を迎えるって話だ」

ランプの明かりを受け、緋色の独眼が炎のように揺らめく。

背筋に冷たいものが走り、ディアナは身震いした。

血の気の引いた白い顔を眺めながら、ブラッディは喉の

奥をくくっと鳴らす。

「冗談だよ。大方コイツを飲みすぎた馬鹿な野郎が

甲板で大騒ぎしてるんだろう」

手にした酒瓶を軽く揺すると、透明な液体が七色の光を放った。

新月の晩は幻の酒とも言われるこのチェラー酒を片手に

朝まで飲み明かすのが”Dark Angel号”の慣わし。

チェラー酒は南国のチェラリー島でしか採れないトブリンを原料に

作られる蒸留酒。

アルコール度数は95%。

飲み過ぎると幻覚を見る者さえいるという。


「キ、キェーケケケケ… キ、キ、キキェー」


この尋常ではない声は恐ろしい副作用の結果なのかもしれない。

「わたし、様子を見てくるわ」

足早に窓辺を離れ、ドアの方に向かうディアナの後姿にブラッディが

声を掛ける。

「止めておけ。

放っておきゃ、勝手に酔いも醒める」

「でも・・チェラー酒がショック状態を引き起こし、そのまま

死に至る人もいると聞くわ…すぐに戻るから」

ドレスの裾を絡げ、ぱたぱたと走り去る様にブラッディは肩を竦める。

「まったくお節介な女神様だ・・」



続いちゃいます///


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