【夕顔47-2】源氏の御心はどこにとまった? | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔47-2】源氏の御心はどこにとまった?

源氏物語イラスト解釈ですラブラブ

 

勉強がんばってますか?

では今日も行ってみましょう~♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

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今回の源氏物語

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今日もこの蔀の前渡りしたまふ。来し方も過ぎたまひけむわたりなれど、ただはかなき一ふしに御心とまりて、

   上矢印

訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔47のイラスト訳はこちら

 

 

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥していた見舞いに、源氏は五条まで出かけます。家の門が開くのを待つ間、夕顔の花が咲く隣家に目をとめ、その花の名を尋ねたことをきっかけに、その家の主人夕顔が和歌を寄越してきました。興味を持った光源氏は返歌をし、その後、今夜の目的であった六条御息所のもとへ訪れ、一夜を過ごします。

 

「空蝉」の巻 をはじめから読む⇒

『源氏物語』の登場人物はこちら⇒

『源氏物語』の目次一覧はこちら⇒

 

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 ☆ 「御心とまる」のは、どこ?

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今日もこの蔀の前渡りしたまふ。来し方も過ぎたまひけむわたりなれど、ただはかなき一ふしに御心とまりて、「いかなる人の住み処ならむ」とは、往き来に御目とまりたまひけり。


問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。

1.六条御息所へのはかない想いを胸に秘めながらも、光源氏は夕顔の宿の女にも、どうしようもなく惹かれてしまうということ。

2.六条御息所のもとへ通ってきた帰りなので、光源氏の夕顔の宿の女に対する愛情が、いったん止まってしまったということ。


3.夕顔の宿の女から送られてきた情趣深い和歌の一節により、光源氏はその女が気になり始めてしまったということ。


4.夕顔の宿の女が扇に和歌を書き付けて寄こしたという、ほんのささいなことによって、光源氏は興味が惹かれたということ。

 

5.夕顔の宿の女に興味を惹かれたものの、送ってきた和歌が粗末なものであったため、光源氏は心にわだかまりを持ったということ。  

 

 

傍線部の解釈問題の解き方は、

 

まず一語一語の逐語訳

文脈判断で吟味する

   上矢印

この手順で選択肢を精査していくべきです。

─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

 

 

 

【はかなし(果無し)】

【形容詞:ク活用】

①頼りない。むなしい。あっけない

②ちょっとしたことだ。何ということもない

③幼い。たわいない

④粗末だ。取るに足らない

 

【こころとまる(心留まる)】

【自動詞:ラ行四段活用】

…心惹かれる。気になる

 

 (『全訳古語例解辞典』(小学館)より)

   上矢印

まずはこの2つの重要古語によって、

選択肢を絞りましょう。

(▰˘◡˘▰)

 

 

ただはかなき一ふしに御心とまりて

1.六条御息所へのはかない想いを胸に秘めながらも、光源氏は夕顔の宿の女にも、どうしようもなく惹かれてしまうということ。

2.六条御息所のもとへ通ってきた帰りなので、光源氏の夕顔の宿の女に対する愛情が、いったん止まってしまった(×)ということ。


3.夕顔の宿の女から送られてきた情趣深い(×)和歌の一節により、光源氏はその女が気になり始めてしまったということ。


4.夕顔の宿の女が扇に和歌を書き付けて寄こしたという、ほんのささいなことによって、光源氏は興味が惹かれたということ。

 

5.夕顔の宿の女に興味を惹かれたものの、送ってきた和歌が粗末なものであったため、光源氏は心にわだかまりを持った(×)ということ。  

 

 

選択肢1は、

「はかない想い」とあるけれど、

その対象が、六条御息所であること。

「秘めながらも…」と逆接の文脈になっていることで、

 

「はかなき一ふしに⇒御心とまりて」

というつながりには合いません。

(▰˘◡˘▰)

 

 

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 ☆ 「はかなき一ふし」とは…?

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「はかなき一ふし」とは、直訳すれば、

「ほんのちょっとした一節」

ということです。

 

 

 

 

光源氏は、

五条通りの大弐の乳母邸で、

牛車を停めて門が開くのを待っている間、

 

隣家の夕顔にふと目を留めたことがきっかけで、

そこの女主人と和歌をやり取りすることになりました。

 

 

光源氏にとっては、

こんな和歌のやり取りは、

ほんのささいなことだったはず。

(●´ェ`●)

 

 

ですが、

「帚木の巻」での「雨夜の品定め」で、

中品、下品の女にも興味を惹かれた光源氏は、

 

 

 

この、ひっそりと侘しい家に住む、

白い夕顔の花のような女主人

ついつい、心惹かれたようですね。

(σ・∀・)σ

 

 

 

 

 

解答……

 

 

 

 

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