【夕顔14-2】随身と惟光☆身分の差は? | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔14-2】随身と惟光☆身分の差は?

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ

 

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今回の源氏物語

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白き扇のいたうこがしたるを、

「これに置きて参らせよ。枝も情けなげなめる花を」

とて取らせたれば、門開けて惟光朝臣出で来たるして、奉らす。

   上矢印

訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔14のイラスト訳はこちら

 

 

 

では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥して尼になったため、源氏は五条まで見舞いに出かけます。その時、ふと源氏は、わびしいたたずまいの隣家の白い花に目を向けました。

 

「空蝉」の巻 をはじめから読む⇒

『源氏物語』の登場人物はこちら⇒

『源氏物語』の目次一覧はこちら⇒

 

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随身と惟光 ☆ どっちが身分が高いの…?

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さあ今日は、古典常識ですライン

 

文法や古語も大切ですが、

イメージを大切に古文に親しめるためにも、

ぜひ古典常識も知っておいてほしいと思います☆

ヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ

 

まずは、よく出る入試問題☆

 サゲサゲ↓  サゲサゲ↓

白き扇のいたうこがしたるを、

「これに置きて参らせよ。枝も情けなげなめる花を」

とて取らせたれば、門開けて惟光朝臣出で来たるして、奉らす

問)傍線部の理由として最も適当なものを選べ。

1.光源氏は、惟光が用事を済ませて帰ってくるのをずいぶん待っていたが、惟光はなかなか戻ってこない。しかたがないので、源氏は随身の1人に花を取ってくるよう命じた。しかし、ちょうどその時、惟光が戻ってきたので、源氏は惟光に目配せして、随身の用件を引き継がせた。

2.惟光は、女童から扇に花を乗せて持っていくよう命令されたため、憤慨して、その場を去ってしまった。しかし、光源氏の命令を聞くべきであると思い返し、再び門を開けて、女童の随身から扇を奪い取って、夕顔の花をその上に載せて、しぶしぶ源氏の所に持って行った。

3.惟光は、鍵をさがすのに右往左往しており、光源氏の用事を聞く暇もなかった。そのため、惟光に代わって、随身の1人が源氏の用件を承っていたのだが、惟光がようやく鍵を見つけて戻ってきたので、それを待ち受けて、扇に載せた夕顔の花を、惟光と随身とが一緒に献上した。

4.随身はたまたまその場に居あわせたにすぎず、光源氏の用事を直接承るのは、惟光の役割であった。しかし、惟光から源氏に渡してもらうのは、自尊心が傷つき、自分の責任を果たせないのではないかと感じたため、惟光の出てくるのを待って、扇に載せた花を取り返そうとした。

5.本来、随身はかなり身分が低いため、光源氏とは直接話せないはずだが、惟光が席を外していたので、仕方なく源氏の用事を直接承っていた。しかし、扇を受け取ったちょうどその時、惟光が戻ってきたため、随身は惟光に扇に載せた花を託し、惟光から源氏に渡してもらおうとした。

   

 

ふぅ~~~チーン

 

 

記述問題にしたらよかった・・・真顔

 

 

こういう古典常識の解釈問題は、

国公立2次や難関私大の一般入試などで

字数制限なしの考察問題として、出題されそう;

(。>0<。)

 

 

この時、特にポイントとなるのは、

随身と惟光の、身分の違いです。

 

 

では、「朝臣」という古語から、考察してみましょうウインク

 

 

朝臣 【あそん】
【名詞】
①平安時代、五位以上の貴族男子の姓または名の下に付けて、敬意を表した語。身分によって付く位置が違う。三位(さんみ)以上には姓の下に付け、名は記さない。四位には名の下に、五位には姓と名との間に入れた
②あなた。貴族同士で、相手を親しんで呼ぶ語


  *学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より

   

 

今回は、の意となります。

 

身分によって、「―朝臣」のつく位置が変わるだと!

( ̄Д ̄;;

 

姓(名字)朝臣三位(さんみ)以上

名前 + 朝臣 ⇒四位

朝臣名前五位

 

ゲロー ゲロー ゲロー

 

 

「惟光朝臣」と出てきているので、

名前+朝臣四位」のパターンでござんす。

 

 

つまり、惟光朝臣は、四位の官吏なんですね!

─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

 

 

 

一方、

随身とは、貴族の外出時に朝廷の命令で護衛として従った者です。

 

これは、近衛府の舎人(下級役人などが務めると

学研全訳古語辞典にあります。

 

 

「夕顔」時点の光源氏は、近衛中将という官職でした。

このくらいの役職の場合、将曹(従七位)よりもさらに低い身分の人が務めるはずです。

 


惟光=四位

随身=八位以下

 

(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)

 

 

ずいぶん、身分の差がありますねぇ~ポーン

 

 

 

こうした身分の違いを考慮すると…

 

随身が持ってきた扇に載せた花を、

戻ってきた惟光に渡した理由☆

 

 

なんとな~く、つかめませんか?

(*。◇。)ハッ!

 

 

 

1.光源氏は、惟光が用事を済ませて帰ってくるのをずいぶん待っていたが、惟光はなかなか戻ってこない。しかたがないので、源氏は随身の1人に花を取ってくるよう命じた。しかし、ちょうどその時、惟光が戻ってきたので、源氏は惟光に目配せして(△)、随身の用件を引き継がせた。

2.惟光は、女童から扇に花を乗せて持っていくよう命令された(×)ため、憤慨して、その場を去ってしまった。しかし、光源氏の命令を聞くべきであると思い返し、再び(△)門を開けて、女童の随身(×)から扇を奪い取って(△)、夕顔の花をその上に載せて、しぶしぶ(△)源氏の所に持って行った。

3.惟光は、鍵をさがすのに右往左往しており、光源氏の用事を聞く暇もなかった。そのため、惟光に代わって、随身の1人が源氏の用件を承っていたのだが、惟光がようやく鍵を見つけて戻ってきたので、それを待ち受けて、扇に載せた夕顔の花を、惟光と随身とが一緒に(△)献上した。

4.随身はたまたまその場に居あわせたにすぎず、光源氏の用事を直接承るのは、惟光の役割であった。しかし、惟光から源氏に渡してもらうのは、自尊心が傷つき、自分の責任を果たせないのではないかと感じた(△)ため、惟光の出てくるのを待って、扇に載せた花を取り返そうと(×)した。

5.本来、随身はかなり身分が低いため、光源氏とは直接話せないはずだが、惟光が席を外していたので、仕方なく源氏の用事を直接承っていた。しかし、扇を受け取ったちょうどその時、惟光が戻ってきたため、随身は惟光に扇に載せた花を託し、惟光から源氏に渡してもらおうとした。

   

 

 

 

イメージつかめましたか~?照れ

 

 

 

 

 

 

解答…

 

 

 

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