【帚木345-2】「催馬楽」の歌~アワビって…;
源氏物語イラスト訳のあいです
センターまであと73日ですねー。(。>0<。)
1、2年生の皆さんは、楽しんで勉強してますか?
('-^*)/
【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格されます。頭中将たちとの雨夜の品定めの翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏は、その夕方、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。紀伊守邸には、父である伊予介の後妻空蝉が泊まっていました。
↓今回の源氏物語↓
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「とばり帳も、いかにぞは。さる方の心もとなくては、めざましき饗応ならむ」とのたまへば、
「何よけむとも、えうけたまはらず」と、かしこまりてさぶらふ。
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ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作の物語は、
自分の“心”を形にして詠び出す「詠」がテーマです。
ああ、「詠」ってなんて奥深いんでしょ♪
源氏物語の中でも、
もちろん実際に和歌を詠むことも多いですが、
会話のなかに「詠」を織り交ぜることが頻繁に行われます。
今回は、「催馬楽(さいばら)」という、
平安時代に流行った、古代歌謡が詠み込まれています。
我家(わいへ)は 帷(とばり) 帳(ちやう)も垂れたるを
大君来ませ 婿にせむ
御肴(みさかな)に何よけむ
鮑(あはび) 栄螺(さだを)か 石陰子(かせ)よけむ
鮑(あはび) 栄螺(さだを)か 石陰子(かせ)よけむ
( 『催馬楽』 「我家」より)
(訳)
私の家は 御簾・几帳を垂らしてあるので
大君さまおいで下さい 婿にお迎えしましょう
お酒の肴は何が良いでしょうか
アワビかサザエか、それともウニが良いでしょうか
アワビかサザエか、それともウニが良いでしょうか
この歌、婿入りの準備が整ったから来てください、
という意味ですよね。
(* ̄Oノ ̄*)
「とばり帳」という言葉から、
帳(カーテン)のうしろに、ちゃんと女人の準備ができていますよ、と。
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
光源氏は、この歌謡を織り交ぜてくることで、
今夜、源氏と共寝してくれる女人を
暗に要求しているのです!
(`・д´・ ;)
そういえば、紀伊守邸に来るのが決まった時も、
紀伊守が、家が手狭なのを恐縮していたら、
「その人近からむなむ、うれしかるべき。
女遠き旅寝は、もの恐ろしき心地すべきを。
ただその几帳のうしろに」
と言って、
「几帳(間仕切り)」を挟んで女人と寝たいとほのめかしていましたよねー!
Σ(=°ω°=;ノ)ノ
そんなこんなで、「とばり帳」というフレーズが来たのだから、
分からないでか!って感じですよね~!
(;゚;∀;゚;)
そこで、紀伊守も、歌のフレーズを使って返事します。
「何よけむ」とは、
「何よからむ」の古い言い方で、
「何がよいでしょうか」という意味です。
(※「よけ」は上代に用いられた未然形の形)
御肴(みさかな)に何よけむ
鮑(あはび) 栄螺(さだを)か 石陰子(かせ)よけむ
「酒の肴に何が良いだろうか?
アワビかサザエか、それともウニが良いだろうか?」
「酒の肴に何がご所望か、承知しかねますので…」
と言って、酒の肴としてはぐらかしたような返答ですが、
実は、催馬楽のフレーズ「何よけむ」を引用して答えているので、十分にわかっているはずなんですよね~!
Σ(~∀~||;)
ちなみに、
鮑(あはび) 栄螺(さだを)か 石陰子(かせ)よけむ
アワビかサザエか、それともウニが良いだろうか?
この歌…「あわび」とか「石陰子」ってところ、
女性の○×△を匂わせてるって、ワカリマス?
ここ、18禁ということで(`・ω・´)ゞ
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お役に立ちましたでしょうか?☆(o^-')b