【桐壺20-②】解釈~弘徽殿
おはようございます あいです。
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【原文】
人より先に参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず、
皇女たちなどもおはしませば、
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今回は、「弘徽殿女御」の立場からのお話です☆
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【これまでのあらすじ】
いつの時代だったか、更衣という身分にもかかわらず、ものすごく帝の
ご寵愛を受け、男御子までお生まれになった方がいらっしゃいました。
一の皇子をすでに生んでいる弘徽殿女御は、不安にかられています。
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①人より先に参り給ひて、
…また主語がありませんよね。。。
でも、直前までのあらすじから、弘徽殿女御の目線になっていると考えられます。
(入試では、ややこしい古文問題には、ほとんど前書きがついていますので、それを頼りに読んでくださいましね♪)
さらに、【参り(参る)】という謙譲語にも着目!!
謙譲語があれば、帝の行為ではないことは、たしかですよね
①弘徽殿女御は、他の人たちより先に、入内(じゅだい)なさって、
(※「入内」については、こちら→ )
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②やむごとなき御思ひなべてならず
【やむごとなし】は、「止む事なし」という字をあて、
高貴だ、この上なく大切だ、のっぴきならない、などの意。
(意味は、ひとつでなく、雰囲気を覚えておいて、文脈に合わせて、いろんな訳出の言葉が選べるようにしたいものです^^)
【なべてならず】は、「並べてならず」という字をあて、
比べものにならない、並一通りではない、この上ない、の意。
【御】という接頭語がついているので、誰の思いかを考えましょう!
②帝が、弘徽殿女御のことを、大切にお思いなさることはこの上なく、
③皇女たちなどもおはしませば、
【おはします】は、いらっしゃる、という意の尊敬語。
「あり・居り」→「おはす」→「おはします」の順に、敬意のレベルがUP!
「おはします(最高敬語)」なら、帝が主語じゃないの?!
はい。違います!
この場合は、直前と単純接続でつながっていますので、
主語は、直前までの 弘徽殿女御となります。。。
ちなみに、「皇女」や「皇子」は、帝の子∑(゚Д゚)
めちゃめちゃ 身分の高い子たちなので、「おはします」という最高敬語を用いているのです。
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③皇女たちなども、いらっしゃるので、
「一の皇子(長男)」だけでなく、「皇女たち」も複数、子どもがいる弘徽殿女御…。
こりゃ、帝に寵愛されて当然!のお方ですよねー∑(゚Д゚)
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
【原文】
人より先に参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず、
皇女たちなどもおはしませば、
【口語訳】
(弘徽殿女御は)誰よりも先に入内(=宮中に参上)なさって、
(帝が)大切にお想いなさることは、並一通りではなく、
皇女たちなども生まれていらっしゃるので、
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
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【今回の重要古語】
■ 参る
■ やむごとなし
■ なべてならず
■ おはします
■ (已然形)+ば
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それでは。いってらっしゃい
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