ハンガー・ゲーム(2012)〈その1〉 | アディクトリポート

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ハンガー・ゲーム
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-あああ

映画 ひみつのアッコちゃん』と同じ、10月1日の映画の日に鑑賞。
あちらは大半の劇場で、すでに上映終了だが、こちらは9/28に封切られたばかり。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-yumi

場所は新宿ピカデリー
同じ界隈のバルト9でも時刻をずらせて上映しており、さすがは全米4週連続1位の作品。

韓国の『神弓 KAMIYUMI』の例もそうだが、スター不在でヒットした海外作品は、内容が確かと保証済み。

本作もなるほど充実していた。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-っっっt

主演(カットニス・エヴァディーン役)のジェニファー・ローレンスは、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-deha
ことさら美人というわけでもなく、どちらかと言えば不幸/不遇を引きずる役が似合いそうな雰囲気。
見たことあるはずだけど……
と思って後で調べたら、
X-MEN ファースト・ジェネレーション』(2011)の
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-misutexi0-ku
若い頃のミスティークだった。
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「見た顔」で言うと、同じ12区から選ばれたもう一人の競技者、ピータ・メラーク役のジョシュ・ハッチャーソンも、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-taki
個人的には、「ジョシュ」じゃなくて「ジョッシュ」だと思うが、それはさておき。
『ザスーラ』(2005)
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『テラビシアにかける橋』(名作・必見!2007)
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『センター・オブ・ジ・アース』(2008)
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等々で、子役時代から見かける顔。

んでもって、本作の成功は、やはり映画版の共同脚本も担当したスーザン・コリンズの原作(読んでませんが)の骨格が、しっかりしてるからだと思う。

(以下プチネタバレ-赤字部分-)
物語の舞台は近未来。
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ee
抑圧された民衆の中から、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-gt
殺し合いのゲームのプレイヤーが地区ごとに選出され、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ssss
24人から生き残った一人だけが、富と栄光を勝ち取れるという筋立て。
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-zszs
原作者は、このゲームの欺瞞性と大衆が操作されている構造をしっかり把握して物語をつむいでおり、単にゲームに勝利すれば、それでめでたしめでたしどころか、本質的な問題解決が遠ざかることを見越しており、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-swsw
だからこそ、まずは話の一区切りで終わって、今後続編もあるんだけど、
この巧妙なカラクリ構造が、まず素晴らしい。

抑圧され、情報・意識操作された民衆の視点から、解放と自由獲得の物語が紡がれる作品と言えば、スター・ウォーズ旧三部作だってそうだし、
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『マトリックス』の1作目もそうだったから、

それ自体は目新しくはない。

ここで寄り道すると、出版直後から、高見広春による1999年の小説『バトル・ロワイアル』との類似性が取り沙汰され、コリンズ本人は、「読んでいない」と証言したそうだが、

(以下WIKIより引用、翻訳があまりにひどいので一部編集)

『ハンガー・ゲーム』は、高見広春著の1999年の小説『バトル・ロワイアル』との類似性を指摘されている。

スティーブン・キングは『ハンガー・ゲーム』と、『バトル・ロワイアル』や自著『バトルランナー』および『死のロングウォーク』の類似性に触れ、「(それらを) 読んだ者なら、テレビの醜悪性に触れたのは『ハンガー・ゲーム』が初めてではないことに気づくはず」と述べ、『アラスカを追いかけて』の著者ジョン・グリーンも「ほぼ同じ設定が『バトル・ロワイアル』に見受けられる」と指摘している。

コリンズ自身は「『ハンガー・ゲーム』を書き上げるまで、『バトル・ロワイアル』も作者の名前も聞いたこともなかった。聞いた時点で担当編集者に読むべきか尋ねたら『いや、君の頭にあの世界は要らない。今やっていることをそのまま続けてくれ』と言われた」と述べている。

『ニューヨーク・タイムズ』でスーザン・ドミナスは、「コリンズの作品がネットで恥知らずな盗作と叩かれるのもムリがないくらい、2作は良く似ている」としながらも、「ストーリーの元ネタになるものは、あちこちに転がっているから、2人の著者が別々に同じ基本設定を思いついてもフシギはない」と述べている。

『Cinema Blend』のエリック・アイゼンバーグは、両者のストーリーやテーマにおける相違点を挙げてから「『ハンガー・ゲーム』は盗作ではなく、似たアイディアを別の使い方をしただけだ」と述べている。

ロバート・ニシムラは「盗作だといって『バトル・ロワイアル』の肩を持つのは時間の無駄だ。なぜなら『ハンガー・ゲーム』は全く別の文化的背景から生み出されたのだから、(他文化からの)盗作と決めつけることは、同じ題材を扱った他の(英語圏の同文化)作品に対しても失礼にあたるからである。コリンズは単に、以前からあたためていたアイディアを引っ張り出し、ギリシア神話からの引用がはっきりわかる形で、独創的な再構築をしただけだ」と述べている。


誰だって、似た時期に似たようなことを考えるもので、私だって「人が殺し合う様子を娯楽として楽しむ未来ゲームの話」、『ルインズ・ウォー』を2006年に書きましたよ。

なんでもかんでも、盗作だとか、元ネタがあるに違いないと考えるのは、そう思う人間の方にこそ、クリエイティビティ(独創性・創作力)が欠落していることの表れだ

それから、英語文化圏の人間が日本語の著作(=英語翻訳版が存在しても、原著が日本語で書かれたもの)に注目したり、そこから元ネタ探しをわざわざするくらいなら、自分でさっさと創作に取り組んだ方が手っ取り早いし、それぐらいできないで作家になろうとする方が、どうかしてるとも思うよね。

ジョージ・ルーカスが、1作目『スター・ウォーズ』でそれをやった(=多くの元ネタを日本から求めた)のは、
*彼自身には真のクリエイティビティがないため
*海外の作品からなら、元ネタ探しもバレるわけないと思っていたため
*『スター・ウォーズ』が空前のヒットとなり、世界中の注目を浴びるとは思わず、元ネタを隠し通せると思っていたため
ーーであるが、ネット社会の現代じゃ、こんなの、もう絶対不可能なことです。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-はだ
↑この前、念願の、左のモノクロ写真の原版カラー高解像度画像(右)がネットにアップされたので、
↓これのカラー版もないか、探してみた。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-deswews
あいにくドンピシャリは見つからなかったものの、
番組本編の映像が、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-げき
2点ほど出回っていた。(どちらも縦横比と色調を補正済み)
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-だれ
↓ストームトルーパー(左)のボディアーマー(装甲服)の造形を担当したブライアン・ミュワは、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-swsw
↑マシンガンデスパー(右)の写真は一切見ていないので、肩の弾帯状のバインダーは、偶然の一致。

↓ストームトルーパー(右)の頭部造形を担当したリズ・ムーアは、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-えれれ
↑マシンガンデスパー(左)の側面画像は見ていないので、側面形状の酷似は、ムーアの写真からの形状把握能力と、立体再現能力の高さを物語っている。


そういや、人を殺し合うゲームっていったら、山田悠介の『リアル鬼ごっこ』とかだってあるよね。
なんでこれは盗作だって騒がれないかと言えば、英語に翻訳されてないからで、
どうして翻訳されてないかと言えば、
内容があまりに幼稚で、こんなくだらないものが日本でもてはやされているのがバレたら、日本という国の恥になるからでしょ?

それはラノベも同じこと。

ところがですよ、私は『ハンガー・ゲーム』に匹敵するか、それを超えて世界に通用する(英語に翻訳されても、英語圏の読者の支持と共感を得られる)作品を書いてるという自負があるのに、よりによって出版界の人間がそれを否定するのに、私が最も忌み嫌う山田悠介を持ち出して、「こういうのが売れるんだから、しかたないですよ」と言うのには、首を絞めてやろうかと思ったね。

創作力が皆無の烏合の衆の判断に委ねるなんて主体性の無さは、少年ジャンプのスターシステム(=責任判断能力のない、幼稚で未熟な子供の人気におもねる)と同じで、出版界の責任転嫁、責任放棄だよ。

出版界の人間は、昨日の『映画 ひみつのアッコちゃん』の言わんとしていること、
すなわち、
*会社や企業が、売れるか売れないかの結果だけ、つまり利潤の追求だけに奔走すると腐敗が進み、そこに付け入る者に食い尽くされるという図式
*情熱や理念を失った企業は、結局社会の信用を失い、滅びるべくして滅びる

ということを、どう受け止めるんだろうか?

どうせ響きもしないんだろうさ。


『ハンガー・ゲーム』については、1日では語りきれないので、つづく。