『X-MEN ファースト・ジェネレーション』(2011/原題"X-Men: First Class")
邦題の表記は1作目(2000)のみ『X-メン』(英字とカナ混在)で、
2作目以降は『X-MEN』(英字のみ)。
『X-MEN2』(2003/原題"X2")
『X-MEN: ファイナル ディシジョン』(2006/原題" X-Men: The Last Stand")
『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(2009/原題" X-Men Origins: Wolverine")
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……まず、このこと(1作目のマヌケな邦題)で萎える。
英語は「XMEN」じゃ「クスメン」になっちゃうから、XとMENの間に-(ハイフン)が入ってるけど、
日本語はX(英字)とメン(カナ)で区別がつくから、間の「-」は、いらねえんだよ!
同様にX「-」ウイングとか
A「-」ウイングとかも、
バッカじゃねえの?
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それから、ウ「ィ」ングと、「ィ」を小文字にするのも、どれだけの意味があるのか?
翼を示す日本語は「ウイング」であって、
ウ「ィ」ングとやっても、Wingの発音に近づけるわけでもないし。
はっ……話がそれた、
本題の『X-MEN ファースト・ジェネレーション』
おもしろい!
すばらしい!
見逃さないでよかった。
こういう映画こそ、ヒットせにゃいかんよ。
おわり。
でもいいんだが、
どこが「おもしろく」どこが「すばらしかった」のか。
※以下ネタバレです。鑑賞後にお読みください。
1.思想と主張がしっかりある。
ヒーローものの多くが、自分が他の人と異なること、異能者や変種であることに悩み、葛藤する過程を経て、そのことにケリをつけてから前へ踏み出す構造になっており、本作もしっかりそこに押さえが効いて(利いて?)いて、かなり感動。
マジで泣く。
これに比べると、『X-MEN: ファイナル ディシジョン』の結末って、ムチャクチャでしたよ。
プロフェッサーX,ジーン・グレイ、サイクロップスがお亡くなりに。
マグニートーとミスティークは無力化、
ローグはあろうことか、キュア(治療)という薬で、ただの人間に。
そんなのXメン(ミュータントもの)の精神に反するだろ!
ミュータントであることを否定してどうする?
そんなこんなで、本作で(製作陣として)復帰したブライアン・シンガーは、
今回の『ファースト・ジェネレーション』を、自分が監督した1作目と同じ、1944年のポーランドの収容所のシーンで始める一方、
1962年(キューバ危機)の時点でチャールズ(エグゼビア=プロフェッサーX)が半身不随になり、『ファイナル・ディシジョン』の冒頭、チャールズとエリック(マグニートー)が、二人仲良くジーン・グレイの少女期に面会に行く際に、まだ車いすでなく、自分の足で歩いているという部分が否定されている。
他にもビーストの風貌も若干異なり、
とにかく『ファイナル・ ディシジョン』は、なかったことにされている。
2.「もし本当にヒーローがいたら」をまじめに考えている。
歴史上の重要な事件やお国の一大事に、ヒーローは何をしていたのか、という疑問に真摯に答え、ごまかさずにまじめに回答を示している。
その姿勢に好感を抱き、激しく同意。
さらに、ヒーローの存在が認知されていない時点では、政府(CIA)がその存在を丸抱えしなければならない、というのも、納得できる展開といえる。
3.そっくりショーに堕していない。
プロフェッサーXもマグニートーもミスティークも、後年を演じた役者とちっとも似ていないが、
映画を観ているうちに、そんなことはまるで気にならなくなる。
それだけドラマと俳優の演技に説得力があるということですな。
「そっくりさんに堕さない」という点では、セットやコスチュームも、意図的に当時と当時の映画を再現しながら、レトロで時代遅れな感じに逃げず、当時カッコイイと信じてデザインされた意図通りに、ひたすらカッコイイ!
ところで本項を書く参考に、IMDB(インターネットムービーデータベース)のトリビアや「映画の間違い探し」を参照したが、いろいろ乱暴であてにならない記述が散見された。
たとえば、
*ロッキードSR-71は二人乗りで、それ以外の機体後部はすべてエンジンという構成。
とか、(本作のXジェット原型機は、ブラックバードSR-71の改造で、垂直上昇能力まである、別の機体)
*ブライアン・シンガー監督の『X2』とも矛盾する内容がある
とか、(ポリシーからも、そういうつくりには、なっていないのでは?)
かなり雑だよ。
※ネタバレおわり。
アメリカ本国ではまだ8位あたりなのに、日本ではベスト10圏外に脱落。
15日で終映のところも多いみたいなので、ぜひ間に合ってご覧ください。