これの続き。
前回は4年後のガンダムを予言していた、
松本零士の「ヤマト創作ノート」
今回はそのノートで予言されていた、2つめについて。
ちょうどガンダムの記述のある向かいのページは、
何点かのラフなイラストが描かれている。
上から見ていくと、
これは、サーシャの宇宙船のラフですね。
↑パイロットフィルムより。
↓放映当時の『冒険王』では、小さめにしか描かれていないが、
↓並行して連載されていた『小学五年生』の絵物語では、
かなり大きめかつ、詳細に描かれている。
松本零士は、『ヤマト』テレビ第1シリーズの時点では、肝心のヤマトの描き方すら安定していなかったのに、
どうしてサーシャの宇宙船のデザインは、すっかり出来上がっていたのかと言えば、
『マシン童子』というマンガで、
「マシン童子」は、『ぼくらマガジン』(講談社)1970年1月6日号~2月3日号に掲載された、全4回の「絵本まんが」。
全く同じ形の宇宙船を、既に何度も描いていたからである。
↓左右反転しただけの構図から、脱出カプセルの射出軌道まで、
後年の『ヤマト』マンガと同じ。
↑第3回の回想シーン。
『小学五年生』の絵物語は、1999年の「こんなマンガがあったのか!」に再掲されたが、
こんなマンガがあったのか!
名作マンガの知られざる続編・外伝
MFペーパーバックス
メディアファクトリー:1999年11月15日初版第1刷発行
すでに10年以上前のこと。
「マシン童子」に至っては、今まで単行本未収録だった。
そしてこの2作品が、同時に収録されているのが、
この『松本零士 初期SF作品集』
に同梱されている、
未復刻SF作品集
というわけで今回は、
『マシン童子』が
『宇宙戦艦ヤマト』の、
4年早い「よげんの書」だったところまで。
ですが、他のイラスト(上記・中でも最下の1枚)についても、
ご覧になれば皆さん、なんの「よげんの書」か、
一目瞭然ですよね?
つづく