こちらから!
今回はこれの続き
第2回
ウルトラマンA(エース)
「小学二年生」昭和47年5月号~48年4月号掲載作品を完全収録。
発行は2004年8月6日付けで、これは「ウルトラマンA」DVD発売に合わせたタイミング。
前作「帰ってきたウルトラマン」が、たっぷり1年の時間をかけて、池上遼一の「スパイダーマン」に大きく影響を受けながら、次第に内山まもる流を確立していき、その成果として、
主役のエースはもちろん、
怪獣(超獣)やメカまで、
第一話からどっしり安定して、バランスよく成立している。
超獣の姿は劇中とのギャップが少なく、番組本編からの資料提供がスムーズなのが見て取れる。
マンガ第一話に、ベロクロンと共に登場する
↑カメレキングは、
テレビ第2話「大超獣を越えてゆけ!」の実物↓と違和感のない絵柄。
余談だが、カメレキング(1972/4/14初放送に登場)のシルエットって、「エクソシスト」(1973)の、悪魔の像パズズ↓に似てますよね。
比較画像
ただし先行して執筆する都合上、やむをえず見切り発車している部分も散見される。
予告時点のタイトルは「ウルトラA(エース)」
↓エースも仮デザインのもの。
↓連載初回のタイトルも、変更が間に合わず「ウルトラA」
↓ゾフィ(ゾフィー)も、「エース」連載開始時には映像(ウルトラマン最終回「さらばウルトラマン」)を参考にできず、「初代ウルトラマンの模様に、二重線を加え、胸にボタンを追加」という情報のみから、推測してその姿が描かれている。
↓マンガ第7話登場のウルトラの父も、マンガ家にさえ情報公開されず、想像図的なシルエットで処理。
↓上向きか下向きか、大きいか小さいかはあるにせよ、角がある点では実物(右)に通じる、暫定版ウルトラの父の姿(左)。
さて、キャラクター(人物)で特筆すべきは、TAC(タック)隊員がよく似ていることだ。
竜五郎隊長(瑳川哲朗)
山中一郎隊員(沖田駿介)
終始影の薄かった、吉村公三隊員(佐野光洋)
今野勉隊員(山本正明)
なぜかヒロインの南夕子よりきれいだった、美川のり子隊員(西恵子)は、しっかり美人に描かれている。
白衣姿が多く、変わり種の梶洋一主任(中山克己)だけは、
髪型以外は、全く似ていない。
このTAC隊員達を見て、似てるか?って思う人もいるだろうけど、たとえば前回のMAT隊員は、終盤11話でも、この程度。
↑左から、上野隊員、郷隊員、岸田隊員、丘隊員、南隊員
それに、そもそも主役のウルトラマンAからして、実物のマスクやスーツに完全忠実ってわけじゃないし、
↑内山版エースには目の周りに輪がなく、鼻筋から上唇につながる曲線や面取もない。
それ(ウルトラマンを劇中どおりに描かず、必ず自分流にアレンジする)が内山まもるのポリシーだったにしても、人間の主役の北斗星司(高峰圭二)も、髪型と顔の輪郭以外は、まったく別人の好男子だし、
ヒロインの南夕子のナース姿は、演じた星光子よりも、
本来キャスティングされながらケガで降板した関かおりに似ているし、
↑関かおり(右)は、この縁?で、第7話「怪獣対超獣対宇宙人」 に、山中隊員の恋人役で登場。
その後も、星光子本人とは似ていない美女が描かれ続けた。
ストーリーは「帰ってきたウルトラマン」の時とは異なり、テレビの後日談という体裁は一度もなく、あくまでも基本的には、テレビ本編をマンガ版に描き直したものである。
ただし登場超獣・怪獣は若干の差異があり、とくに最終回は、テレビとは展開も登場超獣も大きく異なる。
マンガ原作は、あかし冬彦と田口成光で、内山まもるは絵だけの担当。
というわけで、第3回のタロウにつづく。
人気ブログランキングに参加中。気に入ったらポチしてね。