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裸者と裸者 (上)(下)打海 文三

テーマ:角川書店 2006年10月22日(日) 12時32分36秒

打海 文三
裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争


打海 文三
裸者と裸者〈下〉邪悪な許しがたい異端の



覚悟してお読みください。
ずっとラノベばっかりだった人にはちょときつかったです。
ひっさしぶりに重い本を読みました。
なので今ちょっと胃もたれ中。食傷中。
まあ雰囲気に引き摺られなかった分だけマシだと思いたい。
漢字多いのはともかく、グレネードランチャーとか迫撃砲とかAKとか解らないんで…。B15とかそこら辺です解るの。



日本のどこかでいまも戦争がおきてる。

両親を亡くした七歳と十一ヶ月の佐々木海人。


妹の恵と、まだ二歳になったばかりの弟の隆を守るため、

手段を選ばず生きていくことを選択した――――。  



最初は孤児兵。使い捨ての、誰にも惜しまれない、反感を買うことのない命。

学は無く、故に会話も平仮名ばっかりで、それでも、海人には庇護者である弟と妹が居る。



人を殺して手に入れたお金。
人を狂わせる葉を売って手に入れたお金。
キレイなお金が欲しかったけど、汚い金で2人の命が助かるのなら。
正しい教育を受けて正しい道を歩めるのなら、という海人に、弟の隆は言います。

「ようするにかいとはおれたちをすてるわけだ」

お父さんが殺されてお母さんは絶望的な行方不明で、
それでも3人で生きていくことを、決めたのに。

強姦も略奪もなんでもありの部隊。
価値が無ければ殺される。
なんの躊躇いもなく銃口をむけられて引鉄を引かれる。

その中で海人は、非常識を見て世界を知り常識を見極め己を解します。
電池のように使い捨てられる孤児を、殺されていく仲間を守る為に、任せられた部隊を強化し、武装し、訓練し、精鋭とさせ、生存率を上げます。

レズビアン、レイプ、ゲイ、性差別、年齢差別、人種差別、
政府軍と反乱軍、派閥、地方軍閥、宗教、マフィア。
賢しさ、狡猾さ、卑怯さ、狡賢さ、理性、誠実、常識と非常識、プライド。

資金を得ると、溢れかえるほどの仲間の為に孤児院を作り、医療を調え、
他の団体とも手を組み、仲間を蹂躙した上司を殺し、恩を返します。

下巻では、海人達の友達・椿子と桜子のお話。月田姉妹。
彼女らに差は無く、区別も無く、2人でひとり。
椿子は桜子、桜子は椿子


彼女達の結末と、「父親」に対する姿勢。
冷静に他者を分析する彼女達が好きです。

戦争モノ。最初から最後まで戦争モノ。
戦闘じゃありませんでした。
利害と損得と利権と権力と武力と食料が絡んで絡まりあって、
戦争ナシでは回らなくなってしまった経済情勢の中で、
それぞれがそれぞれの理念の下、ただひとつ戦争終結に殺しあうお話。
響く言葉が、数え切れないほどに、存在するお話。


同シリーズの感想:別窓開きます
愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱※裸者と裸者の続刊。
愚者と愚者(下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ

コメント

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1 ■コメントありがとうどざいます

はじめまして。打海文三と申します。若い人の感想を聞ける機会などめったにないので、火狩朱夏さんの書評を見つけたときひっくり返るほど歓喜しました。そのうち「愚者と愚者」の書評も紹介させてもらうつもりですが、ひとつお願いがあります。イラストを描いたのは〈帝国少年〉さんです。〈帝国少年院〉さんと誤記されていますので訂正をお願いします

2 ■失礼しました……!

ご指摘の件、訂正いたしました!
ありがとうございます…!

日本人の活字離れはよく嘆かれていますが、
こんなに面白いのに!と声を大にして言っています。
角川出版社さんは大きいものだし、
名前だけ、という友人はちらほら居るのですが……。
やはり「高校生」という枠組みでは珍しいのでしょうか……?

「愚者と愚者」は……ええと……正直、
「こんなものを」という思いがありまして……
特に「愚者と愚者(上)」の方などは、人物紹介になってますが……。

あんなもので宜しければ、
煮るなり焼くなりどうぞお好きにお使いください。
そのときはまたお邪魔させて頂きます。

それでは。

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