何をおいていくか。 | 俺様の「好きにやらせろ!」 Ⅱ

何をおいていくか。

旅は、人の心を 「シンプル」 にしてくれる、からこその、再々読なる、ナンクルナイスな、俺様です。

『人生何を手に入れるかではなく何を手放すか。』

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よく、悩んでいる時間がいちばんのロスタイムだと言われているが、ドッグイヤーと呼ばれるこの時代にあって、一歩踏み出す勇気がなくて躊躇している人が多いのかもしれない。後悔というのは、自分のやったことにするのではなく、自分のやらなかったことに対してする方が多いと思う。

為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり。

(序章 Prologue より)
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「外に」ではなく「内に」入る。
今回の旅の目的はそこにある。他人を変えようとするのではなく、まず自分を変える。世界や他人を変えたがる人が多いが、自分を変えたがる人は少ない。結局、幸せのために職場や恋人を変えても、自分自身が変わらなければ、どこに就職しようと誰とつき合おうと一時的な幸せ以外、何も変わらない。

(第一章 The Long And Winding Road より)
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聞くところによると、コミュニケーションというのは、せいぜい言葉によるものか十パーセント程度で、残りの九十パーセントは表情や雰囲気やオーラのようなものでなされているそうだ。ということは言葉に頼らなくても、植物や動物とのコミュニケーションは可能なのだろう。

(第一章 The Long And Winding Road より)
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内面と外面は反比例する。

つまり、自分の内面に自信があれば、あえて自分を大きく見せようとする必要はなく、着飾る必要もなく軽やかである。逆に、内面に自信がない人は自分を大きく見せようとして威張ったり名刺の裏にたくさんの肩書きを書いたりする傾向が強い。(中略)
自分に自信があって、自分の強さを信じることが出来る人は、あえて闘う必要もない。そして、そういう人こそ最強の人なのだろう。そういう意味では、僕はまだ最強の境地には至っていない。だから、僕は闘いをつづけていくのだろう。そしていずれは戦わない日が来るだろう。

(第二章 Honesty より)
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僕はおみくじをするときは必ずテーマを絞って引く。おみくじをするときのポイントは質問を投げかけることが有効だと思う。引く前に質問をするとそこには吉も凶もなくメッセージが純粋かつ明確に答えてくれる。人生、たまたまなど何もないのだ。

(第三章 Never Mind より)
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同じお遍路さんから受けたお接待。本当にこのお接待というのは心優しい仕組みだと思う。見返りなど期待せずに、常に「ギブ・アンド・ギブ」の精神。これは僕に対するお接待であると同時に、「同行二人」お大師さんへの接待でもあるのだろう。そして、こうして功徳を積むことによって自分たちにも結果的にご利益がある。だから何事も惜しまない。これが空海ゆかりの四国ならではの、昔ながらの素晴らしい風習である。空海はその姿を消して千二百年を経た後もなお、こうして僕たちに大きな影響を及ぼしている。(中略)物でもお金でも、あるいはチャンスでも、もし自分に何かほしいものがあったら、まずはそれを人に与えることから始めたらいいのだろう。人に与えることを惜しまない。それは結局は自分に施すことにもつながる。なぜならすべてはひとつだから。

(第三章 Never Mind より)
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この三次元の世の中というのは相対性の世界だから、自分がいなければ他人もいない。逆に、他人がいなければ自分も存在できない。日本がなければ世界もないし、世界があるから日本もある。同じようにいい人がいるから悪い人もいる。『WE ARE ALL ONE』というのは、受け入れてあげること。みんなひとつなんだということに気づけば、他者というのは存在しないことに気づく。そうすれば自分に対して悪いことをする人はいないから、悪い人も逆にいなくなると思う。
グー、チョキ、パーの三つがそろって初めてジャンケンというゲームは成立する。どれひとつ欠けてもその勝負は成立しない。ならば、グーは己の固さを、チョキは自分の切れ味を、そしてパーはその包容力を誇ればいい。他者との違いを認めつつ、自分のいいところを大切にしていく。人それぞれ、長所も短所もあわせ持ってひとつの世界を築いていけばいい。

(第三章 Never Mind より)
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僕は思わず「笑顔」について考える。歴史を見ていると、暗い指導者よりは明るい指導者に民はついていくように思える。明るい笑顔のある人はミスをしてもそれがかえって愛嬌になり親しみやすくなる。だから、皆さんもミスしたり心が乱れた時こそ、笑ってみるといい。笑う場面でないのに無理して笑うと、自分がもっと情けなくなりますます笑える。
この世の中は鏡の世界のようなもので、こちらが笑えば相手も笑い、こちらがブスッとしていれば相手も笑顔は見せない。たったら、笑ってみる。そうすれば周りの人も笑顔になるだろうし、ニコニコしている人に対して人間はそうそう攻撃的になれるものではないだろう。

(第三章 Never Mind より)
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自分が何を楽しいと思うか。今、何をすることが一番ワクワクするか。それを基準に仕事も日常も生きることが、人生うまくいくコツでもあるのだろう。自己を抑制するばかりでなく、自分の楽しさを大切にしてもいいのだと思う。自分が楽しまなければほかの人を楽しませることはできない。

(第三章 Never Mind より)
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自分の直感と向き合いたかったのである。つまりは、自己との対話をしたかった。物事を決断する時には、“損得=頭”ではなく“感情=直感”を優先する。
「これをやれば後で得をする」という考えではなくて、「気持ちいいからこれをやる」という直感を大切にしたい。
ちょっと頭の中の家具が多くなりすぎたような気がした。頭の中の整理をしよう。やはり荷物は少ない方がいい。これは旅の鉄則でもある。
何を持っていくのかではなく何をおいていくか。

(第四章 Time To Say Goodbye より)
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シンプルであること。
どんな文明でもデザインでも高度化すればするほどシンプルになっていくのではないかと思う。今の世の中のように、政治にしても法律にしてもより複雑化していく社会というのは、逆にその文明の退化を表しているのではないだろうか。複雑になりすぎることによって、どんどん本質から離れてしまっているような気がする。
よりシンプルであることこそ、より人間らしく生きるコツなのではないだろうか。これも旅の鉄則と同じである。

人生何を手に入れるかではなく何を手放すか。

ここが人生の皮肉である。手放し、執着しなくなればなるほど逆にそれをふんだんに手に入れることができる。

(第四章 Time To Say Goodbye より)
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今回気づいたのは、淡々と日常をこなしているように見える人たち、それは門前で商売をしている人であったり、黙々とうどんをゆでている人であったり、農家のおばあちゃんであったり、そうした人たちが、「日常生活」という名の修業をしているように見えた。実は、日々の暮らしこそが修業であるのかもしれない。

(第四章 Time To Say Goodbye より)
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2005年の春。そして、夏。
僕は、確かに白装束を身にまとって四国四県を歩いていた。これはまさにこのタイミングだからこそ可能だったことだと思う。時勢が整っていないと、物事は成し得ない。戦術の法則に、永遠の攻撃はあり得ず、永遠の防御は敗北する、というものがあるように、時勢を見る力、タイミングを見極める能力こそ大切になってくる。
そういう意味では、ちょうど自分自身が変化すべき時だと思っていた時期に、四国へと旅立つことができたのは幸せなことだった。
自然に春夏秋冬があるように、人にも季節の変わり目がある。時には激しくもあり、時には優しくもあり。まるで局地的な雷雨のように。そして虹のように……。

(終章 Epirogue より)
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アランの「幸福論」にこういう一節がある。
「成功したから満足しているのではなく、満足していたから成功したのだ」
これは「成功」を「幸福」に置き換えても同じことが言える。

「幸福だから楽しいのではなく、楽しんでいるから幸福なのだ」

つまり、経験が在り方を生むのではなく、在り方が経験を生むのである。ラジオもどの周波数に合わせるかによって、聞こえてくる音楽が違う。要するにどのチャンネルに自分を合わせるかが大事なのである。結局、自分が「与えるもの」「発するもの」「意識するもの」を経験として自分が体験する。
喜び、悲しみ、怒り、慈しみ、穏やか、楽しみ……
たくさんあるチャンネルは、自分で合わせられる。そして、雪の結晶の対称性のように、ひとつの狂いもなく選択した音楽が奏でられてくる。これは哲学の話ではなく、とてもシンプルな物理学だ。

この世界の摂理は、我々の一呼吸も見逃してはいない。

(終章 Epirogue より)
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ただ、今この瞬間を生きる。人は過去も未来も生きることができず、リアリティーとは、この瞬間だけである。過去は変えられないけれども、そのとらえ方はいくらでも変えることが出来る。そのとらえ方によって、過去の経験が豊かなものにも辛いものにも変わる。そして、今が幸せであれば、未来もまた幸せになる。だからこそ、今、この瞬間を幸せに生きる。

(終章 Epirogue より)
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すべてはひとつだ。しかし、ひとつがすべてではない。

(あとがき Postscript より)
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5/15 of Books 2009
須藤元気 「幸福論」


幸福論 (ランダムハウス講談社文庫)/須藤元気

★200頁/累計19,667頁
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■始まりは ココ から
<Books 2006>
<Books 2007>
<Books 2008>

<Books 2009>
1/15 『竜馬がゆく』全八巻完結。
2/15 情熱あってこその成長。
3/15
絶対的な何かとは。
4/15 5年。


ふこらさーゆー♪ & ナンクルナイス
WE ARE ALL ONE & ***